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不思議美人の訪問者
第6話 交じり合う時間
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1マイクロフレーム、、、
この世界の時間を、どんどん半分にしてゆくと、もうこれ以上分割出来ない時間と言う最小単位が存在するのだと言う。
つまり1秒を半分にすると0、5秒、さらに半分は0、25と、これを繰り返す事で、それはどこかで半分に出来ない時間があると言う事を言っているらしい。
「うむ、面白い理屈だな、では、この世界の時間とは、連続体では無いと言うのか?」
「はい、その通りです。そして時間軸も過去から未来へ向かって、真っ直ぐな一本の道ではありません。」
おいおい、大丈夫かこの話、混乱させてうやむやにするつもりではなかろうな。
、、、んー、また意地悪してみるか。
「君は、複数ある時間軸は、常に相互干渉していると話していたが、それでは今現在と言う私の周囲には、一体どれだけの時間軸が相互干渉しているのだね。」
「はあ、、、これは表現しずらいのですが、時間軸とは、選択しなかった現在や未来と言う概念以外にも、私の時間軸や、雄介様の時間軸と言う考え方もあり、人の自我の数も影響してしまうのです。」
、、、ほほう、これもまた新しいな。
つまり、彼女の運命と俺の運命は、直接巡り合う事で交わっていると言う事か、、、、
若い男女がアパートの一室で巡り合い交わり合う、、、、感慨深いなあ、今日はいい日だよ。
でもって彼女、いい事言うなあ。
「すると、私と君の時間軸は、既にかなり交わっている事になる、そう言う事で良いのだね。」
「恐れ多い事ではありますが、雄介様のお考えの通りにございます。」
あ、認めちゃうんだ、、、、あ、そう、そんな風に言われると照れるなあ。
「ですので、私がこの任務を仰せ使った時には、大変名誉な事と感じました。、、、グランドファーザーの、、その、、お近くに、それもこのようにお若い戦前のお姿は、あまり記録が残っていないので大変貴重なものですし。」
俺と物質的にも時間軸的にも交わる事を、そんなに嬉しいと感じてくれて、サンキュー!
もう、顔を赤く染めて、、クールな見た目に比して、案外ウブな人なんだなあ、演技でも嬉しいです!
ところで、さっきから、会話にちょいちょい入ってる戦前って、何の事だ?
戦後も、もう随分経過しているけど。
、、、まあ、どうでもいい事だけど。
「しかし、雄介様には西園寺彩音さんと言う方がおられますよね、私がここにいて、何か誤解される事があれば、それは世界の危機ですから。」
イヤー!嫌、嫌!
西園寺彩音の事は、もうそっとしておいてください。
彼女は西園寺彩音を、俺の恋人か何かと勘違いしているのか?
いませんよ、その人は、俺の脳内にしか。
しかし、彼女がそのように誤解しているならば、活用しない手はないな。
、、、ちょっと、やってみるか。
「、、、うむ、そうだな、西園寺彩音、その名前が君から語られるとは思わなかった。だが、この状況を彩音が見て誤解する事はあり得ない、、、、なぜなら、彼女は、、、この世にいないのだから。」
一瞬、彼女の表情が凍りつく。
ん?、あれ?、なんだか耳まで赤くなって、あれ?もしかして、泣いてる?、、、おいおい、両手を口にあてて、え、ここそんなに響く所?
でも間違っていないよね、俺、彩音が死んだとか言って無いよね、俺の妄想だからこの世に存在しないって言っただけだよね、、、
すげー、なんか効果絶大じゃん。
「、、、雄介様、大変失礼をいたしました、、、そのような悲しい思い出がある事を、私、存じ上げておりませんでした。この時代のデータは、一度激しく損傷したため、正確な情報が残っていないもので。その、、、心中お察しいたします。」
あれ、これは普通にチャンスでは?
彼女はなんだか、俺に悪いと感じているようだし。
よし、ここは攻めどころだぞー。
「うむ、、、問題ない、今は、、、、君が側にいてくれるのだからな。」
クー、何言ってんだ俺、
恥ずかしい!
彼女は、ハッとこちらを見る。
よーし、効いてる効いてる!
潤んだ瞳で、そして申し訳なさそうにこちらを見てくる、ただ一点、俺の目を見てくる、
見てくる、
見てくるのだが、、
ちょっと見過ぎじゃない、ねえ、ちょっと、恥ずかしいんだけど。
、、そして、何、この間
ちょっとキザに言い過ぎた?
不思議ちゃんの心には響きすぎた?
、、、いやあ、でもさ、、、、何か言ってよ。
この世界の時間を、どんどん半分にしてゆくと、もうこれ以上分割出来ない時間と言う最小単位が存在するのだと言う。
つまり1秒を半分にすると0、5秒、さらに半分は0、25と、これを繰り返す事で、それはどこかで半分に出来ない時間があると言う事を言っているらしい。
「うむ、面白い理屈だな、では、この世界の時間とは、連続体では無いと言うのか?」
「はい、その通りです。そして時間軸も過去から未来へ向かって、真っ直ぐな一本の道ではありません。」
おいおい、大丈夫かこの話、混乱させてうやむやにするつもりではなかろうな。
、、、んー、また意地悪してみるか。
「君は、複数ある時間軸は、常に相互干渉していると話していたが、それでは今現在と言う私の周囲には、一体どれだけの時間軸が相互干渉しているのだね。」
「はあ、、、これは表現しずらいのですが、時間軸とは、選択しなかった現在や未来と言う概念以外にも、私の時間軸や、雄介様の時間軸と言う考え方もあり、人の自我の数も影響してしまうのです。」
、、、ほほう、これもまた新しいな。
つまり、彼女の運命と俺の運命は、直接巡り合う事で交わっていると言う事か、、、、
若い男女がアパートの一室で巡り合い交わり合う、、、、感慨深いなあ、今日はいい日だよ。
でもって彼女、いい事言うなあ。
「すると、私と君の時間軸は、既にかなり交わっている事になる、そう言う事で良いのだね。」
「恐れ多い事ではありますが、雄介様のお考えの通りにございます。」
あ、認めちゃうんだ、、、、あ、そう、そんな風に言われると照れるなあ。
「ですので、私がこの任務を仰せ使った時には、大変名誉な事と感じました。、、、グランドファーザーの、、その、、お近くに、それもこのようにお若い戦前のお姿は、あまり記録が残っていないので大変貴重なものですし。」
俺と物質的にも時間軸的にも交わる事を、そんなに嬉しいと感じてくれて、サンキュー!
もう、顔を赤く染めて、、クールな見た目に比して、案外ウブな人なんだなあ、演技でも嬉しいです!
ところで、さっきから、会話にちょいちょい入ってる戦前って、何の事だ?
戦後も、もう随分経過しているけど。
、、、まあ、どうでもいい事だけど。
「しかし、雄介様には西園寺彩音さんと言う方がおられますよね、私がここにいて、何か誤解される事があれば、それは世界の危機ですから。」
イヤー!嫌、嫌!
西園寺彩音の事は、もうそっとしておいてください。
彼女は西園寺彩音を、俺の恋人か何かと勘違いしているのか?
いませんよ、その人は、俺の脳内にしか。
しかし、彼女がそのように誤解しているならば、活用しない手はないな。
、、、ちょっと、やってみるか。
「、、、うむ、そうだな、西園寺彩音、その名前が君から語られるとは思わなかった。だが、この状況を彩音が見て誤解する事はあり得ない、、、、なぜなら、彼女は、、、この世にいないのだから。」
一瞬、彼女の表情が凍りつく。
ん?、あれ?、なんだか耳まで赤くなって、あれ?もしかして、泣いてる?、、、おいおい、両手を口にあてて、え、ここそんなに響く所?
でも間違っていないよね、俺、彩音が死んだとか言って無いよね、俺の妄想だからこの世に存在しないって言っただけだよね、、、
すげー、なんか効果絶大じゃん。
「、、、雄介様、大変失礼をいたしました、、、そのような悲しい思い出がある事を、私、存じ上げておりませんでした。この時代のデータは、一度激しく損傷したため、正確な情報が残っていないもので。その、、、心中お察しいたします。」
あれ、これは普通にチャンスでは?
彼女はなんだか、俺に悪いと感じているようだし。
よし、ここは攻めどころだぞー。
「うむ、、、問題ない、今は、、、、君が側にいてくれるのだからな。」
クー、何言ってんだ俺、
恥ずかしい!
彼女は、ハッとこちらを見る。
よーし、効いてる効いてる!
潤んだ瞳で、そして申し訳なさそうにこちらを見てくる、ただ一点、俺の目を見てくる、
見てくる、
見てくるのだが、、
ちょっと見過ぎじゃない、ねえ、ちょっと、恥ずかしいんだけど。
、、そして、何、この間
ちょっとキザに言い過ぎた?
不思議ちゃんの心には響きすぎた?
、、、いやあ、でもさ、、、、何か言ってよ。
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