3 / 390
不思議美人の訪問者
第3話 「バタフライ効果」の秘密
しおりを挟む
「タイムトラベルに必要な要素を、この時代の人間は、認識する事が出来ません」
なるほど、そう牽制球を投げてきたか、わからないものの中の話なら、何でも言いたい放題と言う訳だ。
「いや、少なくとも、私には認識出来るはずなのだが」
これはだいぶ効いたようだった。
彼女は目を丸くして、かなり驚いた表情をこちらに向けてきた。
そんな彼女の表情を見ながら、俺は思った、
、、、かわいい。
「さすが、斉藤雄介様」
「いや、雄介で構わぬよ。」
「いえ、、、そんな、恐れ多い」
「私が構わぬと言っているのだ、そうしなさい。」
「、、、それでは、、、雄介様」
ああああー、なんだか凄くない、これ。
俺が口調を変えると、彼女ってこんなにしおらしく振る舞うの?
もしかして、彼女は、未来で俺の秘書だったりするのか?
彼女の口から俺の下の名前がああ、それも様付き!
、、、いくらか、お支払いした方がいいのか?
まあまあ良い感じのプレイだぞ、うん、詐欺にしてはクオリティー高い。
俺の淡い妄想は加速度を増している、その後のタイムトラベル理論が頭に入ってくるかが心配だ。
でも、そこは流石の彼女、しっかりとツボを押さえてる、やるな、不思議ちゃん。
「まず、不思議だと思いませんか?私がこの世界に来た事で、未来がどうして変化してしまわないか。」
うん、その通りだよね。
バタフライ効果って聞くよね。
彼女は本来、この時代のこの場所にいるはずがない、そうすると、これから俺の人生は、これをきっかけに、少しずつ変化してしまう。
明日の変化は微々たるものだ、でも一年後、十年後はどうだろう。
恐らく俺は仕事に就き、彼女と俺の間には可愛い子供たち、そうだな、もう2人くらいいるかな。
、、、そんな未来、彼女が未来からここに来なければ起こり得ない、そう、これがバタフライ効果だ。
、、、いや、少し違うか、まあいいや、
ようし、再びハッタリかますぞ。
「うむ、その通りだな、では、そのバタフライ効果の証明をしてみなさい」
ほらほら、言ってごらん、この辺から苦しいんじゃないかなー。
「はい、まず、私たちが今いるこの時空間は、先程まで雄介様がおられた時空間と既に同じではありません、別のものに置き換わっています。」
ほうほう、世界線ってやつだな、聞いたことがあるぞ、彼女が訪れたことで、それまでの世界線が分岐してしまうと言うアレだな。
ちょっとカマかけるか。
「では、その分岐した世界線の辻褄を、どうこの世界は合わせているのだね」
すると彼女は、少し不思議そうな顔をし、こう言った。
「、、はあ、世界線ですか?、私はあまり聞き慣れない言葉ですが、戦前では著名な考え方なのですか?タイムトラベル理論がメジャーになるのは、もう少し後と聞いていましたが」
アウチ、違ったか!
意外としっかりと設定組んでるんだな、単なる不思議ちゃんではないのか?
もしや、やはりそれ系の詐欺師なのか?
「うむ、世界線とは、その後のタイムトラベル理論に影響を与えるものとなるだろう。引き続き、タイムトラベルを証明して見せてごらん」
ごまかせたか?、うまくごまかせたか?
、、、しかし、彼女は、この詰んだ理論の話を、この後、どう展開してゆくのだろう。
それは、貧乏大学生の興味をくすぐるのに十分な内容であった。
なるほど、そう牽制球を投げてきたか、わからないものの中の話なら、何でも言いたい放題と言う訳だ。
「いや、少なくとも、私には認識出来るはずなのだが」
これはだいぶ効いたようだった。
彼女は目を丸くして、かなり驚いた表情をこちらに向けてきた。
そんな彼女の表情を見ながら、俺は思った、
、、、かわいい。
「さすが、斉藤雄介様」
「いや、雄介で構わぬよ。」
「いえ、、、そんな、恐れ多い」
「私が構わぬと言っているのだ、そうしなさい。」
「、、、それでは、、、雄介様」
ああああー、なんだか凄くない、これ。
俺が口調を変えると、彼女ってこんなにしおらしく振る舞うの?
もしかして、彼女は、未来で俺の秘書だったりするのか?
彼女の口から俺の下の名前がああ、それも様付き!
、、、いくらか、お支払いした方がいいのか?
まあまあ良い感じのプレイだぞ、うん、詐欺にしてはクオリティー高い。
俺の淡い妄想は加速度を増している、その後のタイムトラベル理論が頭に入ってくるかが心配だ。
でも、そこは流石の彼女、しっかりとツボを押さえてる、やるな、不思議ちゃん。
「まず、不思議だと思いませんか?私がこの世界に来た事で、未来がどうして変化してしまわないか。」
うん、その通りだよね。
バタフライ効果って聞くよね。
彼女は本来、この時代のこの場所にいるはずがない、そうすると、これから俺の人生は、これをきっかけに、少しずつ変化してしまう。
明日の変化は微々たるものだ、でも一年後、十年後はどうだろう。
恐らく俺は仕事に就き、彼女と俺の間には可愛い子供たち、そうだな、もう2人くらいいるかな。
、、、そんな未来、彼女が未来からここに来なければ起こり得ない、そう、これがバタフライ効果だ。
、、、いや、少し違うか、まあいいや、
ようし、再びハッタリかますぞ。
「うむ、その通りだな、では、そのバタフライ効果の証明をしてみなさい」
ほらほら、言ってごらん、この辺から苦しいんじゃないかなー。
「はい、まず、私たちが今いるこの時空間は、先程まで雄介様がおられた時空間と既に同じではありません、別のものに置き換わっています。」
ほうほう、世界線ってやつだな、聞いたことがあるぞ、彼女が訪れたことで、それまでの世界線が分岐してしまうと言うアレだな。
ちょっとカマかけるか。
「では、その分岐した世界線の辻褄を、どうこの世界は合わせているのだね」
すると彼女は、少し不思議そうな顔をし、こう言った。
「、、はあ、世界線ですか?、私はあまり聞き慣れない言葉ですが、戦前では著名な考え方なのですか?タイムトラベル理論がメジャーになるのは、もう少し後と聞いていましたが」
アウチ、違ったか!
意外としっかりと設定組んでるんだな、単なる不思議ちゃんではないのか?
もしや、やはりそれ系の詐欺師なのか?
「うむ、世界線とは、その後のタイムトラベル理論に影響を与えるものとなるだろう。引き続き、タイムトラベルを証明して見せてごらん」
ごまかせたか?、うまくごまかせたか?
、、、しかし、彼女は、この詰んだ理論の話を、この後、どう展開してゆくのだろう。
それは、貧乏大学生の興味をくすぐるのに十分な内容であった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/mystery.png?id=41ccf9169edbe4e853c8)
それは奇妙な町でした
ねこしゃけ日和
ミステリー
売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。
バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。
猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
『量子の檻 -永遠の観測者-』
葉羽
ミステリー
【あらすじ】 天才高校生の神藤葉羽は、ある日、量子物理学者・霧島誠一教授の不可解な死亡事件に巻き込まれる。完全密室で発見された教授の遺体。そして、研究所に残された謎めいた研究ノート。
幼なじみの望月彩由美とともに真相を追う葉羽だが、事態は予想外の展開を見せ始める。二人の体に浮かび上がる不思議な模様。そして、現実世界に重なる別次元の存在。
やがて明らかになる衝撃的な真実―霧島教授の研究は、人類の存在を脅かす異次元生命体から世界を守るための「量子の檻」プロジェクトだった。
教授の死は自作自演。それは、次世代の守護者を選出するための壮大な実験だったのだ。
葉羽と彩由美は、互いへの想いと強い絆によって、人類と異次元存在の境界を守る「永遠の観測者」として選ばれる。二人の純粋な感情が、最強の量子バリアとなったのだ。
現代物理学の限界に挑戦する本格ミステリーでありながら、壮大なSFファンタジー、そしてピュアな青春ラブストーリーの要素も併せ持つ。「観測」と「愛」をテーマに、科学と感情の境界を探る新しい形の本格推理小説。
エリカ
喜島 塔
ミステリー
藍浦ツバサ。21歳。都内の大学に通う普通の大学生。ただ、彼には、人を愛するという感情が抜け落ちていたかのように見えた。「エリカ」という女に出逢うまでは。ツバサがエリカと出逢ってから、彼にとっての「女」は「エリカ」だけとなった。エリカ以外の、生物学上の「女」など、すべて、この世からいなくなればいい、と思った。そんなふたりが辿り着く「愛」の終着駅とはいかに?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる