異世界少年タケルの冒険記

ソウト

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目覚めの時

ステップアップ〜中級試験〜

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 初級試験に無事合格することができた。中級試験を目指して、さらなる修行の日々だ。へこたれたりなんかは、していられない。責任と誇りを自覚して、よりいっそう頑張っていかなければならない。
 今まで以上に厳しく大変な修行になることだろう。もちろん辛いこともいっぱいあると思う。だけど、母さんがそばに居てくれる。応援してくれる人がいるというのは、とても心強い。すごくありがたいことだ。
 そろそろ父さんにも話しておいた方がいいのだろうかと思う。母さんは内緒にしておくのがいいと言うけど。きっと父さんなら分かってくれる気がする。

 夕食後、父さんと話をすることにした。おそるおそる、話を切り出した。最初は何を言ってるんだという感じだった。だけど、じっくりと真剣に話をしていくと、僕が確固たる覚悟を持っていることが伝わったようだ。
 驚くことに、母さんがワールド・トリッパーであったことも、なんとなくだけど気づいていたらしい。家事や育児をできる限り手伝って、影ながら支えていたみたいだ。












 今後はより強固な肉体とゆるぎない精神力が必要とされる。今まで以上のトレーニングをしなければならない。
 学校、勉強の時間もしっかりと確保する必要がある。トレーニングを理由に勉強する時間がないというのは、甘えでしかない。もちろん、一般的にはそれも必要な時があるだろう。だけど僕は、ワールド・トリッパーのタマゴなのだ。言い訳をしていたところで、何も変わりはしない。
 どうすれば効率よくこなせるのかを考えた。日常の動きの中で、トレーニングに繋がるものが無いか探してみた。

 一度コツを掴んでしまいさえすれば、あとは容易い。どんどん結果がついてくる。やればやるだけ、目に見えて実を結ぶ。
 今では母さんだけでなく、父さんも応援してくれている。それだけでも心強いことだ。その分、期待も大きくなるだろう。一生懸命に頑張って、その期待に応えることができればいいなと思っている。
 自分でも、向上しているんだなということを実感することができて、すごく嬉しかった。周りからもかっこよくなったとか、たくましくなったとか褒められた。照れ隠しをしながらも、心の中で喜んだ。

 中級試験まではあと少しだ。最後まで気を抜かないようにしなければならない。油断大敵である。相当な自信もついた。
 落ち着いてトレーニングの成果を発揮できれば、問題ないだろう。もちろん筆記と実技の両方がある。片方に重きを置きすぎるのはよくない。
 両方とも欠かすことの出来ないものだ。魔導剣士になったので、試験は1個だけだ。だけど覚えることはより複雑化してしまう。
 中級試験に向けても悔いが残らないように努力したいと思う。




 中級試験が行われるまであと少しになった。コツコツと努力を重ねてきた。実力を存分に発揮できればいいなと思う。
 合格は簡単ではない。だけど、なんとしても通り抜けなければならない道だ。
 中級試験も筆記と実技の両方がある。どちらも丸一日、計2日間をかけて行われる。体力の消耗も激しいことだろう。体調管理にも気をつけないといけない。規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、これもワールド・トリッパーとして必要なことだ。

 当日は母さんだけでなく、父さんも応援に来てくれるらしい。息子の勇姿を見たいそうだ。1人でも多く応援してくれるのはとてもありがたいことだ。頑張って期待に応えたい。
 前日の夜にはしっかりとご飯を食べて、早く寝た。ゲン担ぎでトンカツを食べたりもした。あとは一生懸命に頑張るのみだ。





 いよいよ中級試験の日がやってきた。自分がやるべき事をただこなすだけだと思うと、不思議と緊張はしなかった。だけど、油断は禁物だ。落ち着いて丁寧に取り組みたい。
 まずは学科試験から行われる。問題の見落としやマークミスなどがないように細心の注意が必要だ。問題数がかなり多いうえに、科目も複数ある。長丁場になることだろう。ひとつひとつ思い出しながら解き進めていく。
 しっかりと問題を読んでから落ち着いて考えれば、おのずと答えが見えてくる。自分の成長を実感することができた。とても嬉しい気持ちになった。手ごたえは充分にある。あとは結果を待つだけだ。

 30分くらい経ったと思う。筆記試験の結果が発表された。無事にパスすることができた。次は実技を頑張らければならない。日々の成果を思う存分に発揮したい。
 実技は翌日なので、しっかりと体力を回復させなければならない。体調を壊さないように気をつけなければならない。
 ひとまず家に戻った。母さんと父さんから褒めてもらった。褒めてもらえるのは嬉しいことだ。ますます頑張ろうと思う気持ちにつながるからだ。







 2日目、技能試験になった。魔導剣士の試験はかなり難しいものらしい。だからといって諦めるわけにはいかない。
 技の速さ、正確さと型の美しさも重要とされる。いよいよ審査が始まった。合格基準は明らかにされていない。120%くらいの力を使うことになるだろうと思う。
 順調に試験は進んでいく。いよいよ終わり近くになった。一番の大技だが、成功すればとてもプラスなる。無事に審査を終えることが出来た。








 結果は数日で分かる。ぜひとも合格していたい。応援してくれる母さんと父さんに恩返しをしたいと思っている。
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