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第二十章 繋がれる明日へ
繋がれる明日へ 第一節
しおりを挟む神話再現の如き戦いよって平らげられた帝都。その荒野の外周で、狂気から開放されたハルフェンの人々が空を見上げた。
「こ、これは…」
空に浮ぶ異形の雲や未知なる世界の光景はもはやそこにはない。遠方まで見通せるほどに晴れた夜空と地平線の境目は、朝日を迎えるべく白ばみはじめる。先ほどの狂騒から一変して、まわりは驚くほど穏やかな雰囲気に包まれていた。
ゾルドの消滅に伴ってもはや邪神法も使えず、加護もなくなった教団の残兵は一目散と逃げていく。魔物たちはみな朝霧のように雲散していき、使役されていた魔獣達も本能に従って去っていった。
「助かったのか、私達…?」
「勝った…?俺達は…巫女様や勇者様は勝ったのか?あの邪神に…っ」
ざわめく民衆の中で、これまでにない強き確信を持った騎士ランブレが剣を高く掲げては勝ち鬨をあげた。
「勝ったんだ…っ!巫女様や勇者様は邪神にうち勝ったんだっ!女神様にっ、巫女と勇者に栄光あれぇーーーっ!」
民達の歓喜の声が、騎士達の勝利の雄叫びが巫女達を称える賛美とともに轟いた。
「ジュリアス様…っ」
「ええ、ティア様とアイ達がやりましたね…っ」
互いを支えながら立つジュリアスとルヴィアの顔が綻ぶ。傷だらけながらも戦斧で体を支えて立つハロルドもまた、心底嬉しそうに皇城があったはずの場所をみつめた。
(アイ、カイ、よくぞやってくれた…っ)
「システィ殿、大丈夫ですかっ?」
「うう…ルドヴィグ、様…」
ルドヴィグにかばられていたシスティがゆっくりと顔をあげる。ザレの姿は既にそこにいなかった。
「これは…邪神が…?」
「ああ。エリーさんたち、遂にやり遂げたみたいだ」
「…そうだ、エリー様っ!」
この時、システィはゾルドがいた方向へと馬で駆けて行くマティに彼と同乗するクラリス、そして別の馬で後ろについているアランを見かけた。
「失礼しますルドヴィグ様っ!」
「あ、システィ殿!」
いても立ってもいられないシスティは駆け足でマティらの方へと走った。
「そちらのお方っ!」
「どうどうっ!」
「キュキュッ!」
いきなり前に出るシスティにマティは急停止し、肩に乗っていたルルが鳴く。後方でアランが声をあげる。
「貴方は…システィ殿っ」
「アラン殿かっ!すまないが私も乗らせてくださいっ!エリー様のところに――」
「分かってます、さあ早くっ」
「かたじけないっ」
アランはシスティを背中に乗せ、マティ達とともに再び馬を走らせる。各々の主の下へと行くために。
******
「ウィルさぁぁんっ!!!」
「ウィルくんっ!」
「兄貴ぃっ!」
エリネの悲鳴とともに、ラナとカイ達は倒れこんだウィルフレッドの元へと駆けつけた。
「っ、ウィル…っ!」
「…うぅ…」
レクスとともに彼の体を起こしたミーナの顔がしかめる。ウィルフレッドの右足と左脇は既に白くなっては粉々に砕けていき、体の至るところに白を帯びた亀裂が広がっていた。
「しっかりしてウィルさん…っ!いま助けますから、いま助けますから…っ!」
彼の傍らでエリネが泣きじゃくりながら必死に治癒をかける。そんな彼女の努力を嗤うかのように、ウィルフレッドの左腕が壊れた彫像のように砕けては塵と化して風化していく。
「あっ…!」
「先生…っ」
ラナ達は彼を診査するミーナを見る。唇を噛み締め、悔しそうに俯いては彼女は首を横に振った。アイシャ達の胸が沈痛に締め付けられる。傷を負いながら離れてそれを眺めているエリクもまた、事情を察しては己の罪も含めて苦く俯いた。
「…エリー…」
頬にも亀裂が入り始めても、穏やかな声でエリネの名を呼ぶウィルフレッド。
「静かにしてください…っ」
「エリー…もういいんだ…」
「ですから静かにしてくださいっ!私、諦めないって言いましたよねっ!私…っ、絶対にウィルさんのことを…っ!」
激情で震えながらも自分を治療するエリネの小さな手を、ウィルフレッドの大きな手が包む。
「分かってる。けど、本当にもういいんだ…エリーも、分かるんだろう?」
エリネの聖痕が眩く輝き、治癒がもはや陽光にも匹敵するほどの光を発しても、ウィルフレッドの体の白化はただ進行し続けている。その場誰もが別れの予感を感じてただ黙するばかりだった。
「うっ…!ひっく、ウィルさん…っ!ウィルさぁん…っ!」
美しい星の瞳から流れる涙で濡れていくエリネの頬を、ウィルフレッドは残った右手で愛おしく包んだ。
「エリー…、君が無事で本当に良かった…。もう、何も心配する必要は無い。君達の…君の未来は、俺達がちゃんと守ることができたんだから…」
「ウィルさん…っ」
自分の頬に、髪に触れるその大きな手を握りしめるエリネ。
マティ達とともにその場に着いたシスティ達も、エリネ達に囲まれながら体が半ば崩れているウィルフレッドを見て言葉を失う。
「エリーさま…――ウィル殿…っ」
「ウィル、殿…っ」
「キュウ…ッ」
エリネの下へと走るルルもまた悲しそうに彼の手を舐めた。
「ルル…っ」
ウィルフレッドは微笑んではルルにも触れた。最後の別れを済ませるためのように。
「ラナ…レクス…カイに、アイシャ…それと、ミーナ…。異世界の人間である俺を、君達が受け入れてくれたから、ずっと一人だった俺はまた、暖かな気持ちになれたんだ…。俺だけじゃない…アオト達もだ…。彼らの分まで礼を言わせてくれ……本当にありがとう…」
「そんなことねえよ兄貴…っ!俺達の方こそ兄貴に助けられたばっかりで…っ!」
「そうだよウィルくん。僕たちの方こそ、君やキースさん達に礼を言わないぐらい助けてもらってるんだから」
涙を流すカイやレクス達に小さく微笑むと、その体が小さく震えてはさらに崩れていく。
「うぅっ…!」「ウィルさんっ!」「ウィルくん…っ!」
片目までも白化したウィルフレッドが、何かを求めるかのようにひび割れた右手を上げる。
「エ、エリー…っ、まだここにいるか…?手、手を握ってくれ…っ」
「いますっ!ウィルさんっ!私はここにいますよっ!」
彼をこの世に繋ぎ止めるように、冷たくなっていく彼の手を強く握るエリネ。そのぬくもりを感じると、先ほどまでどこか怯えていた彼の顔が綻ぶ。
「エリー…愛している…。この命は君が繋いでくれたんだ…俺の体も心も、全部全部君だけのものだ…これからも、ずっと…」
「ウィルさぁん…っ!私も、ウィルさんのことが、好き…っ、ずっと…っ、ずっと…っ!」
エリネが握るその右手さえもついには砕けた。
「あっ!」
ラナ達もまた、己の胸にある心が砕けたかのように涙ぐむ。
「もう、時間のようだな…みんな…エリー…。最後の最後で、君たちに出会えて、本当に、嬉しい…」
「ウィルさん…っ!」
「さよなら」
「いやっ!ウィルさぁんっ!」
『――だめですよウィル、泣かした女の子を置いたまま逝くなんて最低の振舞いですからね』
「えっ」
突如の声にウィルフレッド達が驚愕すると、その胸のアスティル・クリスタルが輝いては、美しい女性の姿をしたネイフェが顕現した。
「ふぅ…ギリギリ間に合いました。崩壊の抑制と同時に解析を進むなんてすごく大変でしたよ」
疲れたそうに小さくため息するネイフェに、アイシャとラナ、エリネが困惑する。
「えっ、あ、貴女は…?」
「ああ、アイにはまだ教えなかったよな。彼女はスティーナ様の僕である大精霊ネイフェ様だよ」
「ええっ?」
ラナとエリネもまたアイシャと同じように瞠目する。
「貴女が、スティーナ様の…」
「神鳥、ネイフェ様…?」
神々しくも柔らかな笑顔を見せるネイフェ。
「初めまして、ルミアナ様とエテルネ様の巫女たち。そして…エリネ。本当によくがんばりましたね」
ネイフェに顔を向けるエリネは不思議な感覚を覚えた。それはまるで長年親しんできた親戚、肉親にも似た親近感だった。
「ネイフェ様…」
「本当はじっくりお話をしたかったけど、今はまずウィルの方ですね」
訳の分からない顔を浮かべるウィルフレッドがネイフェを見上げる。
「ネイフェ…?」
「先ほどアオト達のクリスタルが自分で動いた時から、私はずっと貴方たちのクリスタルの解析を並行してました。ゾルドとメルセゲルは、どちらも理の上位レイヤーにある存在ですから説明はつきますが、アオト達のクリスタルまで神器や勇者たちと同調できたことにどうしても気になって。それで解析をしてみたら、一つ分かったことがあります。ウィル、信じられないかも知れませんけど、貴方のクリスタル…あなたの体は、微量ながらもマナを帯び始めてますよ」
「俺が、マナを…?」
「まっ、まことかっ?」
手をウィルレッドにかざすミーナ。
「ほっ、ほんとだ…っ。極微量に過ぎないが、ウィル、おぬしのクリスタルがマナを発しておるぞ…っ」
「待ってくださいっ、ウィルくんからマナが発しているってことは…まさか…っ」
「はい、ラナ。まだ雛形しかないのですが、ウィルは今、私達で言う魂を持つようになってるのです」
「マジかよ…っ!で、でもどうして今更っ?異世界から来た兄貴には魂がないって話じゃ…っ」
「それはですね、エリネ、貴方のお陰なのですよ」
「わ、私…?」
「あっ!霊魂逆行かっ!」
「まさにそれです、ミーナ。ウィルの世界の理に魔素が形成す魂はなく、本来なら魂ある存在にしか使えない霊魂逆行ですが、あの時は我々の魂の概念にもっとも近しいウィルの意識体と繋がることになりました。そして、理のレイヤーに近しい女神の力を受け継いでるエリネの魂が、ウィルの意識に触れることで、私達の理を干渉しながらもエリネを受容しているウィルのクリスタルは魂の概念を受け入れたのです」
エリネは思い出す。暗い過去の記憶の中ですすり泣いているウィルフレッドを抱いたことを。ウィルフレッドは思い出す、ずっと一人で酸性雨が降りしきる街角の記憶で、自分に大丈夫と言ってくれたエリネの温もりを。
「もとからかけ離れた概念ゆえ、魂化の進行は非常に緩やかですが、それであなたのクリスタルを中心に貴方の魂が構築され始めました。それがそこに収納されていたアオト達のクリスタルまでにも伝播したと思います」
「そうか…だから…アオト達のクリスタルが、自分で動いて…あれはやっぱり、彼らの…っ」
頷くネイフェに熱い涙を流すウィルフレッド。さっきのはやはり、紛れもないアオト達本人であることに。
「魂を持つ貴方はこの世界の理そのものと互いに受容し始めています。これでようやく、貴方を救う方法を確立することができました」
「ほんとですか…っ?ウィルくんを助けることが…っ」
「ええ、アイシャ。そのために私はずっと解析を進めてきましたもの。…ウィル、貴方の体を構築するアニマ・ナノマシンはもはや魔法でも修復不能になってます。そんな貴方を助ける方法があるとすれば、新しく肉体を構築する以外ないでしょう」
「新しく肉体を…?」
「そうです。幸い、そちらの方がその素材となるものをもっていますからね」
ネイフェが見る方向にミーナたち全員が顔を向いた。
「な、エリクが?」
「わ、私…?」
状況を掴めないエリクにネイフェが手をかざすと、その懐から明らかに地球のものだと分かる小さな金属の筒が、ふわりと浮かんでは彼女の手元に移った。
「これは…まさか、アニマ・ナノマシン…?」
「はい。これは確かにアニマ・ナノマシンですが、貴方のそれよりもより洗練されてる作りのようですね」
「洗練…そうかっ、ビリーの改良型…っ!」
かつてビリーが使ってたナノマシンが、ミハイルが開発途中だったものの改良型であることを思い出す。
「け、けどネイフェ。ビリーは、既に定着したナノマシンを別のナノマシンで置き換えるのはできないと言って…」
「…確かに、貴方の世界ではできないでしょう。ですがお忘れですか?ここは女神達の加護がおわす魔法の世界ですよ。そして今の貴方はマナを帯び始め、私達の世界の理と受容し始めてる…。これならば新しい肉体を作ることもできます」
「それは…具体的にどうやって…」
「この私が、魔素レベルまで分解して貴方の血肉となりましょう」
エリネ達が声をあげる。
「ネイフェ様が…っ?」
「はい。私は元より勇者の鎧に化すのが役割だと言いましたね。神鋼グラーディアのように万物を形創る原初のマナを源とする私の魔素を、変異体の因子が注がれていない純粋なこのナノマシンに注ぎます。そして鎧と化す原理を応用して貴方の体と融合し、新たな肉体を構築すれば、完全に修復することはできましょう。さきほどの解析もこのためのものですから」
「で、でも、そうなるとネイフェ様は…」
「そうですねエリネ。ウィルの血肉として完全に固定するため、自我は完全になくなります」
「そんな…っ」
「いいのですよ。元より私は女神様たちに、人々が邪神に対抗できるよう導くことを頼まれてました。その邪神が封印でなく消滅した以上、私の役割はすでに終わりました。それに、ウィルにも言ってましたけど、主様の娘でもある貴女はいわば私の姉妹みたいなものですからね。幸せになって欲しいと願うのも当たり前ですよ」
「ネイフェ、様…」
悲しそうな表情を浮かべるエリネやウィルフレッド達に、ネイフェは優しく微笑む。
「ただ覚えて下さいウィル。いくらここの理《ことわり》に馴染み始めても、これは今までにない試みです。貴方の体は修復されますが、超常なる力を持つことに変わりはありませんし、想定外のことが起こる可能性も否めませんが、これが現段階の最善策になります。それでも…という問いは、必要ありませんね」
ウィルフレッドと、何よりもエリネの目はすでに答えを強く訴えていた。
「ネイフェ殿…」
「ミーナ。今までよくぞ巫女と勇者たちを導いてくれました。どうかこれからも彼女たちのことをお願いしますね」
勿論だといわんばかりにミーナが頷く。
「アイシャ。貴女の心はまさにルミアナ様のように美しく優しいものです。これからもカイと支えながら、夜を照らす月であり続けてください。でも、ビールは程ほどに、ですよ」
カイの手を握り、少し恥ずかしそうにはにかむアイシャ。
「ラナ。貴女の気高さはエテルネ様のようでありながらも、決してそれに流されない強き意志をもっています。これからもその太陽の如き誇りを忘れないでください。ちなみに、レクス殿にはもう少し優しく接してあげてもいいと私は思いますよ」
そうだそうだと言わんばかりな笑顔を見せるレクスの脇腹に肘を入れては苦笑するラナ。
「そして…エリネ」
「ネイフェ、様…」
母が娘を送り出すような、または姉から愛する妹へ祈りの言葉を送るような優しい声で、ネイフェはエリネを祝福した。
「どうか幸せに。愛に生きるスティーナ様の巫女、私の姉妹よ。貴女の人生が幸多からんことを祈ります」
ネイフェが両手を広げると、シリンジが神秘の蒼の輝きを帯びては浮かぶ。それに呼応するように、ウィルフレッドの周りにきらきらと三色の星屑の光が彼を包んだ。
「この光は…っ」
「アオト達のクリスタルです、ウィル。貴方が異空間からここへ戻ってこれたのも、その体に付着していた彼らのクリスタルの欠片が導いてくれたゆえ。最後まで彼らは貴方の身を案じたのでしょうね。これからの融合作業も手伝ってくれるそうですよ」
熱い思いが胸に滲んでは、涙となってウィルフレッドの目を潤った。
「アオト…キース、サラ…っ」
「彼らの分まで生きなさい、ウィル。この世界で新たな人生を過ごして、エリネのことを、ちゃんと幸せにしてあげるのですよ」
広がるネイフェの両手が翼へと変わり、神鳥の姿に戻っては優しい星の光へと化す。砕けたシリンジから零れ出すナノマシンが光と重り、ウィルフレッドを包んでいくと、眩く輝く光が全ての人々の視界に満ちていった。
「うっ…兄貴…?」
カイがゆっくりと目を開くと、光がウィルフレッドの体に、その胸のアスティル・クリスタルに収束して消えるのが見えた。
「ウィル、さん…?」
「…エリー…」
自分の胸に触れてくるエリネの感触で我に返るウィルフレッドは、先ほどまでなくなっていた四肢の感覚が戻っているのに気づいた。
「ウィルくん…っ」
アイシャが涙をこぼす。エリネの小さな手が、灰になって砕けたはずのウィルフレッドの手を包んだ。その存在をしっかりと感じ取るために。
「ウィルさん…貴方の、体が…っ」
「もどっ、てる…」
頬などの亀裂も元通りになった彼にもう一度手をかざしたミーナが抑えきれない興奮の声をあげる。
「信じられん…っ、ウィル。おぬしの体、完全に復元しておるっ!もう崩壊の跡なんてまったく見当たらなくなってるぞっ!」
「そ、それじゃ兄貴は…っ」
「助かったのですか…先生…っ」
「うむっ!ビブリオン族としての名誉を賭けてもいい!いまのウィルはまさに健康体そのものだ!肉体崩壊で死ぬことはもうない!」
エリネが震える。先ほどとは違う意味で。
「ウィルさん…っ」
そんな彼女を見つめるウィルフレッド。生きている。生き続けられる。自分は、彼/彼女とこれからもずっと生きていけるっ。
「エリー…っ、エリーっ!」
「ウィルさぁんっ!」
歓びの涙を流しながら二人は抱き合った。互いの温もりを、声を全て感じ合うかのように。
「ウィルさんっ、本当なんですね…っ、ずっと、ずっと一緒にいられんですねっ!」
「ああ…ああ…っ、いられるんだ、君とどこまでも、いつでもいられるんだ…っ!」
「兄貴…っ、エリーっ、よかったな…っ!」
「ええ、ええ…っ!本当に良かったです…っ!ウィルくん、エリーちゃん…!」
「本当に、これ以上の結末なんてないぐらいね…っ」
「あははっ、ラナ様ったら涙までってえっ!」
「ふふ。おぬしも同じであろうに。もっとも、我も他人事言えんがな…」
マティやシスティ達もまた、互いに抱きしめ合いながら、心の底から笑い合う七人を見て安堵の笑みを浮かべた。
(ウィル殿…)
(エリー様、ウィル殿…よかった…本当に良かった…!)
「キュキュキュ、キュウ~~~!」
ウィルフレッドとエリネに抱かれては、彼らの歓びを綴るかのようにルルが鳴いた。遠方の地平から、ウィルフレッドの新生を祝福するかのように朝日が昇る。
何代も続くはずの、邪神と巫女たちの戦いはこうして外なる来訪者ウィルフレッドにより幕を閉じることになる。暖かな陽射しの中で、ハルフェンは新たな未来を迎えることになった。
【続く】
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