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第四章 邪神教団
邪神教団 第一節
しおりを挟む夢の中で、声が響いた。
「この人、マナをまったく纏ってないね」
一人の幼き少年の声。
「でも恐ろしい力を持っている」
一人の幼き少女の声。
(誰だ…?)
ウィルフレッドは呼びかけようとするも、声は虚しく脳内に響くだけだった。
「鋼鉄よりも強靭な体」
「竜よりも強大な力」
目を凝らしてみると、おぼろげな少年少女の姿が見えたような気がした。
「スティーナ様が星象で見る未来にない存在」
「もう一人と同じ、この世界に属さない存在」
「「あなたは、誰?」」
******
目が覚めると、自分のテントの天井が見えた。
「…?なんだ?」
起き上がったウィルフレッドの頭はまだ朦朧としていた。外は、うっすらと雲の間から覗く月の明かりが未だ夜であることを告げていた。
(なんか…妙な夢を見た気がする…どんな夢だったんだ?)
必死に先ほどの夢の内容を思い出そうとしても、それが霞がかかったように曖昧で、結局思い出せずにいた。
******
昼頃の独立領リカート、その領主の館近くの森にある空き地。そこでレクスの騎士団は装備を着込みながら待機していた。ここの領主メルベ公に助力を仰ぐために、ラナとレクス、そしてアランの三人は数名の騎士とともに衛兵の案内のもと、メルベの館へと向かっており、残りの騎士団は会見が終わるまで待機することになった。
「ふあぁあ~暇だなあ。こんなに時間かかるのだったらレクス様達についていけば良かった」
「そうもいかないでしょ。領主様との大事な会見なんだから」
肩にいるルルを撫でるエリネ。
「おう、なんだカイ、大きなあくびなんかして。お天道様も既にてっぺんまで昇ってるというのに」
「あ、ボルガのおっちゃん。それにマティ様」
この前ウィルフレッドが手伝った老兵がマティとともに立ち寄った。あの朝以来、カイも半ばエリネに押された形で騎士団の仕事を手伝い、成り行きでボルガがカイの面倒を見ることになっていた。
「三人とも申し訳ない。本当はここで待機するより近くの村で羽根を伸ばしてあげたいのですが、何分独立領は国直属の領地と勝手が違いますし、レイナ様のご意向により警戒態勢のまま待機するとのことで、会見が終わるまではここからは動けないんです」
「あ、いや、大丈夫だよ。別に何か文句ある訳ではないのだから」
申し訳なさそうなカイにボルガがその背を叩く。
「なに、暇だったらまた後で訓練に付き合うから、今はとにかく我慢してくれ」
「うえ、訓練ってまさかまた基礎体力の訓練メニュー?最近ずっとそればっかりなんだけど…」
「おう、基礎体力は大事だぞ?弓兵でもそれは変わらねえし、それを怠るといつか痛い目にあうぞ。そうだよなウィル?」
「そうだな。戦いは時に長時間行われることもあるし、基礎体力が高いだけでいざと言う時に役立つ場面も多い。鍛えておいて損することはないさ」
まだ少々面倒臭がりそうなカイも渋々了承する。
「ちぇ、分かったよ。でもその代わり、夕食の量は多めに頼むよ。な、エリー」
「食いしん坊ねお兄ちゃん」
「成長期だよっ」
一行が笑い出しては、エリネはマティに問う。
「マティ様、このリカート領は初めてになりますけど、ここのメルベ公ってどんな方なの?」
「そうですね。メルベ公は元々ヘリティア皇国の商人出身と聞きますが、何でもエイダーン皇帝に一度商売の出資を頂いて、それがきっかけで大儲けし、その財力と商売の手腕で小さな未開の地を発展させたと聞きます。その未開の地がこのリカート独立領で、私兵もそれなりに有しているとか」
「なるほど、だからレイナは父の縁でメルベに助力を仰ごうとしているのだな。」
ウィルフレッドに頷くマティ。
「噂でも結構人情のある方ですから、会見自体に大きな支障はないはずですので、もう少し待ちましょう」
「それまでには俺様の昔話でも聞くか?ロムネス様と一緒にトロル退治に行った話とかよ」
「あっ、俺聞きたいっ」
「私もっ」
はしゃぐカイとエリネを見てウィルフレッドはマティとともに小さく微笑んでは、一緒にボルガの昔話の輪に加わった。
******
「貴方がご無事で本当に嬉しく存じます、ラナ殿下。エイダーン陛下が暗殺されたと聞かされた時、私がどれほど心配したか…」
メルベの館にて、五十路過ぎのメルベ公が、悲痛な顔を浮かべては向かいに座るレクスとラナに語り掛ける。その後ろにアランが立っており、残りの騎士達は別の接待室で待機していた。
「いいえ、こちらこそ、父上の旧知でもあるメルベ公が息災で嬉しい限りです。悲しいことばかりのこの二ヶ月間でようやく得た朗報の一つでありましょう」
「勿体無いお言葉…。かつて投資に失敗した私は一日の食事でさえも確保が困難なほど追い込められました。なのにエイダーン陛下は債務の返済を手伝い、融資までして私の新しい商売を手助けました。この私に才能があるからという理由だけで…。そんな大恩人の娘であるラナ殿下のご無事を確認できたことこそ真に喜ぶべきでしょう」
ラナの傍で、レクスは安堵するメルベを観察していた。
(この人がメルベ公ねえ。人当たりは良さそうだけど、それでも騎士団を待機させてるとは、皇族特有の用心深さってところかな。まあ、確かにそれに越したことはないけどさ)
「思えば昔最後に陛下と殿下に会えたのは、妻と一緒に帝都へと旅行しに行った時でしたな。あの時のラナ殿下か今やここまで健やかにご成長なされたとは…サリーにもぜひ今のラナ殿下の尊顔を拝んで欲しかった」
「そういえばサリー殿を見かけませんね。奥でお休みになられてるのでしょうか」
「…サリーは半年前に亡くなりました。名ある名医や魔法使いでも対処できない不治の病に冒されて…」
「まあ、申し訳ありません。亡くなられたと知らずに軽口を…」
「いえ、仕方もないでしょう、あまりに急で自分も未だに信じられないのですから」
「サリー殿は孤児院への寄付や、貧しい人たちへ熱心に施しもした優しいお方だと覚えてます。そんな方を失ってさぞや苦しかったのでしょう」
「ありがとうございます。ラナ様にそう言っていただけるだけで、サリーも救われましょう」
レクスはメルベの後ろの暖炉の上に飾られてる、彼とその妻サリーと思わしき肖像絵に目を向く。二人とも温和そうな顔を浮かべている、幸せに満ちた一枚絵だ。
(ラナ様の話によれば確かメルベ公に子供はなかったはず。先立てされて一人になってしまってきっと辛いんだろうなあ)
「それにしても、いかにも世知辛い世の中になりましたなあラナ様」
メルベが嘆かわしく言う。
「と、仰いますと?」
「先ほど言ったように、気前よく貧乏な私を支援してくださったエイダーン陛下。女神様に敬虔で人々を助けたサリー。そのどれもが得難き善き人なのに…。善き人が報われず真っ先にお亡くなり、悪人どもが跋扈するこの世の中…。女神様が我らを見捨てなければ、もう少しはマシな世の中になれたかも…。私はそう思ってならないのです」
レクスは無言でメルベの複雑そうな顔を見る。
(女神様が見捨てたとまで言うのか…やっぱ妻が亡くなったことがかなりショックなんだろうな)
「メルベ公…やはり心労が溜まっておられるのでは?お疲れでしたら、会議を後伸ばししても…」
心配そうなラナにメルべはまた先ほどの優しい笑顔を見せる。
「いえ、大丈夫ですよ。単に妻や陛下のことを思い出して少々弱気になっただけです。どうかただの戯言と思ってください」
「そうですか…でしたら本題の方を早めに片づけましょう。先ほどの件、いかがですか?」
「援助の件ですね。勿論問題ありません。もし帝都への進軍が必要になりましたら、物資の支援のほか、こちらの私兵を約500名ほどお貸しいたしましょう。いかがでしょうか」
(へえ、結構太っ腹だね。まあ皇女様に貸しを作れる機会でもあるから、しない理由はまずないか)
「十分過ぎるぐらいです。本当になんとお礼を申し上げれば…」
「礼など及びません。先ほども言ったように、エイダーン陛下のお陰で私は今日の成果を得ることができました。そのご恩を返せるのであれば、なんの躊躇いがありましょうか。それに貴方が仰ることが真実であれば、オズワルドは恩人であるエイダーン陛下を亡き者にした大罪人。個人的にも、ぜひラナ様にきゃつめに正当な処罰を下して欲しいと思います」
エイダーンとオズワルドを語るときのメルベの表情は実に悲痛で、秘めた怒りを感じるほどだった。
「ここで少々お待ちください。今から提供できる物資のリストを持ってきますので」
そう言ってメルベは部屋から出ていった。
「…結構すんなり行けたね」
「ええ、元よりメルベ公にこの申出を断る理由なんてないし、兵まで貸して頂けるのなら結果としては上々ね」
「妻や恩人であるエイダーン皇帝が亡くなったばかりなのに気丈だよ。それとも、相手が恩人の仇だから支援も張り切っているのかな?」
「かもね。それに相手はあのオズワルドだから、元皇国民であるメルベ公なら、兵無しで対抗するのは困難という相手ということも承知しているはずよ」
レクスはソファに背を持たせる。
「…前から聞きたかったんだけどさあ。そもそもあのオズワルドってどんな人なの?一応皇国で結構信頼されてる話だけは聞いたことあるけど」
「そうね…一言でいえば、天才ね」
「天才?」
ラナは茶を一口啜る。
「オズワルドは生まれつき優れた才能を持っていてね、十歳の頃から名立たる家庭教師を理論において言い負かし、十四歳で長年紛争の絶えなかったビブリス領とナルタ領の問題を解決して政治界で頭角を現し、歳僅か十五歳で侯爵の爵位を頂き、個人名義で商売もしている才児よ」
アランが付け加える。
「それだけでなく、オズワルドの姉であるヒルダ皇妃殿下がエイダーン陛下とご結婚なさっては、その人脈は更に広くなったのですから、皇族間での影響力は直系の方々とは決して劣らない程の力を持っていますね」
「つまりラナ様の叔父ってことになるよね。これだけ聞くとめちゃくちゃパーフェクトな人じゃん」
「ええ、その理由もあって彼は前任の宰相が引退するとすぐにその任に就き、父も彼に結構頼ってたわ」
「へえ…そんな天才児がまたどうして、今回の皇帝暗殺を仕込んだんだい?噂とおり、自分の才能なら皇帝の座こそ相応しいと野心を抱いたとか?」
「さあ、ただ彼が野心を抱くって説は薄いと思うわ、オズワルドは――」
ふとラナが黙り込んではドアの方向を向き、アランもまた窓の外を警戒し始める。
「? どうしたのラ――」
レクスもまた異常を察してドアを見て、剣の柄を握ってゆっくりと立ち上がった次の瞬間――
ドカァッ!
重装備の兵士一人がドアを蹴破って数名の部屋へと突入し、レクスはすかさず机を彼の方向へと蹴飛ばして派手に兵士達にぶつける。
「ぬうっ!」
「窓だ!早く!」
数秒の隙を得たラナ達は窓を破って庭へ脱出するも、庭から続々と兵士達が三人を包囲せんと集まってくる。レクスはちらりと、館の前に残していた自分達の馬が既にその場にいないのを確認した。
(用意周到なこった!最初からそのつもりなのか!?これじゃ別室で待機している騎士達もとっくに取り押さえてられいるに違いない!)
「ラナ様!」
「分かってる!」
アランの声とともにラナは既に閉ざされた正門ではなく、騎士団の待機場への方向にある壁に向かって走り出しては呪文を詠唱する。
「嵐よ吹き狂え、大樹をも薙ぎ倒す竜となりて―――風塊!」
手を前に突き出すと、圧縮された空気の塊が重々しい衝撃音を伴って打ち出される。三人を包囲しようとする兵士達が壁もろとも吹き飛ばされ、ラナ達はそこから急いで外へと駆け出す。
「メルベ公の奴いきなりどうしたっていうんだい!?途中で無償支援が惜しくなったからっていきなりこの仕打ちはないでしょっ!?」
「軽口言ってないでとにかく走れ!本陣と合流するんだ!」
「分かってますって!」
後に迫ってくる兵士達を撒くよう、三人は森の中へと逃げていった。
******
「そんでな、ロムネス様がトロルに危うくトドメ刺されそうなとき、俺が間一髪で槍であの魔獣の動きを止めてよ」
「それでそれで?」
続きが気になって催促するエリネ。
「そんでロムネス様が落ちた剣を拾って、俺とのコンビネーションで見事奴をぶっ倒したんだっ!」
「ほんとか?なんだか途中で嘘臭くなってない?」
「ほんとだって!マティ様も覚えてるよなあの時のことっ」
「残念ながらあの時自分は洞窟の外で待機していて、実際の場面は見てないんです」
マティが苦笑する。
「あーそーだったな。とにかくこれでトロルは倒されてめでたしめでたしよ」
「上手くごまかしてないかおっちゃん?」
談笑する彼らを見てウィルフレッドとマティは互いを見て微笑むと、二人同時に何かの異様を察し、同時に森の方を顔向いては立ち上がる。森の影に紛れて人か移動していた。
「兄貴、マティ様?どうしたんだ?」
カイが訝しむ。
「マティ、これは…」
「ええ、気付いてますウィル殿。正面の森に約20名…側方の森にも――」
「12時方向に24名、5時方向に33名、7時方向に32名、フル装備の兵隊だ。」
「っ、そこまで分かるのですか?」
ウィルフレッドの目は電波信号による透視で相手の動きを全て把握していた。
「まだ増えている、こっちを囲むつもりだ、マティ!」
「敵襲!全軍迎撃態勢!」
マティの叫びとともに騎士団全軍がすぐさま動き出す。完全に囲む前に気付かれたのを見て、敵軍が包囲を待たずに合図の角笛とともに森から仕掛けてきた。
「なっ、いきなりなんだ!?」
カイとボルガ達が急いで武器を構え、ウィルフレッドとマティも剣を抜いて前へと駆けて応戦し、両軍はすぐさま激しい乱戦状態に入った。
「くそ、なんなんだよこいつら!皇国の侵略軍なのか!?」
「違いますっ、彼らの鎧の紋章…メルベ公の私兵達です!」
マティとカイは背中を合わせる。
「なんだって!?じゃああのメル公、俺達を陥れたってのか!?」
「それじゃいま館にいるレクス様達も危ないってこと!?」
ウィルフレッドに守られながら魔法で支援しているエリネがレクス達のことを思い出す。
「そうなりますねっ、ですがこのままでは身動きが――」
突如、マティ達の反対側の森から風の塊が木々と兵隊達を天高く吹き飛ばし、ラナ達三人が走り出た。
「レクス様!レイナ様!」
「マティ!メルベ公がご乱心なされたよ!騎士団を率いていったん山の中へと逃げて!」
レクス達の後にも多くの兵士達がなだれて来た。マティは瞬時に周りを環視すると、剣を突き出して方向を示した。
「全軍そっちの山へ一旦退却だ!」
指示を受けて移動しようとする騎士団を、私兵は退路を断とうとルート上に集まり始める。
「っ、カイ、ボルガ、エリーを頼む」
「あ、兄貴!」
「ウィルさん!」
エリネを二人に任せると、ウィルフレッドは退路上に集まりかけてる敵兵群へと突っ込んでいく。
「止まれ!ここで大人しく投降すればっぱぁ!」
「な、なんだこいつぁぶふぉ!?」
ウィルフレッドは槍を突き刺そうとする敵兵を剣で一瞬にして切り捨て、立ちはだかる重装備の兵士に掌打を打ち込むと、その巨躯は後ろに立ち並ぶ兵隊達とともに地面へと倒れていく。
「みんな!ウィルくんの後ろについていくんだ、早く!」
ウィルフレッドが切り開いた突破口に騎士団は移動していき、その場を切り抜けていった。
******
「逃がしてしまいましたか」
「はっ、申し訳ありません」
待機場に、徐々に山の奥へと離れていくレクスの騎士団をメルベは平淡な目で見つめていた。
「メルベ様、彼らが逃げたあの方向…少々まずいのでは」
兵士の言葉にメルベは暫く思索する。
「そうですね…寧ろ良いチャンスなのかも知れません。兵士達を採掘場に向かわせなさい。それと馬の用意を、私もそこに向かいます」
「はっ」
メルベは無表情のまま、その場を後にした。
【続く】
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