32 / 39
私の復讐開始②
しおりを挟む「美沙緒。」
「…………雅也さん。」
1ヶ月振りの再会を抱き締めてお互いの存在を確認する。
「離婚届書いて出てきた。」
「………うん………お子さん生まれたのね?」
「あぁ………やっとね。」
「これで、計画が実行出来るのね。」
雅也は家に離婚届を書いて出て来た。生まれたばかりの子と麗奈、そして両親が住む家を。そしてここに匿ってもらう事になっている。当面の生活費は雅也は麗奈が自由に出来ないように、財産は隠しておいた。両親にも手が出せないセキュリティもしっかりした所へ。雅也は、両親とも縁を切るつもりでいる。
「これで、ご主人様の合図で……。」
「…………暫く苦労させるかもしれないけど、大丈夫か?美沙緒。」
「雅也さんの側に居られるなら、何処にでも。」
ミサオは雅也に微笑んだ。
「君の両親も、安全な所に居るから、ここを出たら合流しよう。」
「………はい。」
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
少し前の雅也の家。
「雅也さん、何故抱いてくれないの!?この子を!」
「……………。」
「雅也さん!!」
「俺の子かもしれないが、君の子だから抱かない。」
抱いてしまえば、愛着が沸く。子供には全く罪は無い。罪があるのは麗奈だ。憎くて仕方ない麗奈が産んだ子を抱けば、麗奈がつけ上がる。出産にも立ち合うつもりもなく、それについても妬みや嫌味を言われ続け、雅也は限界だった。結婚式も無理矢理出させ、冷たい態度を麗奈や母にしてきた雅也は、麗奈から離婚を突き付けられても良かったのだが、麗奈のプライドが許さなかったのか、外では良き夫で幸せ、と話ていた。勿論、麗奈を抱く事もない。悪阻も重かったらしい麗奈から誘われる事も無かったが、安定期になると身体を求めてくる麗奈にもウンザリだった。離婚届を分かるように書き残し、その証拠も残し、麗奈からの反論があってもいいように、弁護士も雅也には着いていた。両親と麗奈の全く縁の無い弁護士を。
「出かけてくる。」
「…………また美沙緒の所に行くのね!!」
「『浮気』は許すんだろ?戸籍上の『妻』は
君なんだから。」
「…………許さないわよ!!もう!!」
「それじゃあ離婚すればいい。君みたいな傲慢なプライドの高い女が好きな男も居るだろうからね。」
「しないわよ!!」
「…………そう思ったから離婚届書いて置いてある。破り捨ててもいいが、メイドが見聞きしている。破って捨ててあれば、誰がやったか一目瞭然だろうね。」
玄関ロビー迄来てから、雅也は麗奈に言い放っていた。両親は留守にしていて助かっていた雅也は、メイドや家令達が見送る場で聞かせるように麗奈に告げたのだ。麗奈は苛立ちから、抱いていた子供を物のように投げ捨てようとした。
「許さないわよ!!」
「キャー!!若奥様!!」
幸いにもメイド達が居てくれてそれも助かった。メイド達が麗奈から子供を奪うように庇ってくれた。
「………あ………あぁ……。」
「…………そういう君が嫌いなんだ。」
内心焦った雅也だが、平然を装い二度と戻らない家を出て来たのだった。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。
風
恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。
飼主さんが大好きです。
グロ表現、
性的表現もあります。
行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。
基本的に苦痛系のみですが
飼主さんとペットの関係は甘々です。
マゾ目線Only。
フィクションです。
※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。
【完結】竿師、娼婦に堕ちる月の夜
Lynx🐈⬛
恋愛
首輪をされた女が幌ぐらい部屋のベッドの上で、裸にされていた。その女を囲む上半身裸の男達。
誰が閑静な洋館の1部屋で、この様な事が行われるのか、外からは思いもよらなかった。何故なら、この女は新しくメイドとしてやって来た女だったからだ。
主人の身の回りの世話や家事等の求人情報を紹介され来ただけである。
時は大正、西洋文化に侵食され始めた恋物語―。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる