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私の居場所喪失
しおりを挟む雅也が目を覚ましたのは翌朝だった。隣に温もりを感じ起きて確かめた雅也は青褪める。頑なに拒否し続けた麗奈が裸になって寝ていたのだ。驚いて、自分の身体を確認すべく、布団を剥いだ。
「…………な、何で!!こんな女と………。」
ベッドのシーツには明らかに身体を重ねた残骸があり、下半身はベタついていたのだ。そして避妊具も使った様子もない。
「ふふふ……おはよ、雅也さん。」
「…………。」
「昨日は素敵な夜だったわ。」
「何か盛ったな?」
「あら、人聞きの悪い。夫婦になるならセックスするの当たり前でしょう?それに、あなたが美沙緒さんと私を間違えて抱いたんじゃない。美沙緒さんの名前を連呼していた事は許してあげる。今日は結婚式よ、準備して式場に行きましょ、雅也さん。」
裸で何も羽織らず、恥じらいの無い麗奈が、雅也に抱き着いてきたが、雅也は麗奈の手を払う。
「触るな!!」
「そんな事言っていいのかしら?避妊しなかったのよ?それにね、昨日から私排卵日なの。もしかしたらあなたと私の子が出来てるかもしれないのよ?」
麗奈の計画性に恐怖を感じた雅也は急いで服を来て、部屋を出た。
(もう、こんな家に居てたまるか!!出てってやる!!)
足早に玄関を出ようとする雅也だったが、母親に気が付かれたのか、家令の男によって阻まれた。
「雅也、何処に行くの?」
「………こんな家に居たくないから出ていくんだ。」
「今日は結婚式なのよ!!」
「…………勝手に母さんが決めたんだろ!!思い通りにさせるもんか!!」
玄関のロビーで怒鳴る雅也を追いかけて麗奈もやってくる。開けた着の身着のままの姿で、色っぽい格好だったが、薬が抜けた雅也には何も感じない。
「あの女が居る限り、俺は戻らないからな!!」
「雅也!!」
「お義母様、雅也さんは戻って来ますわ、だって私雅也さんの子を妊娠してる確信ありますから。」
麗奈はお腹を擦り、関係を持った事を匂わせると、雅也に含み笑いをした。
「雅也さん、いいのよ浮気も許してあげる。あの売女の元に行くんでしょう?ただし、結婚式挙げて、入籍したらね。」
「まぁ、麗奈さん!!もう孫の顔が見られるの?嬉しいわ!!」
「…………俺は美沙緒以外の女は必要ない!!」
麗奈と母は聞いていない。雅也は蚊帳の外だった。
✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧✧
一方のミサオ。明け方客を見送り、急いでシャワーを浴びる。前回の教訓を活かし、中まで洗う。
(…………雅也さん……雅也さん……雅也さん……。)
来てくれなかった事がショックで、シャワーと共に涙を流す。縋れるものがあれば縋りたいと思ってしまった。何故会いに来なかったのか、早くここから連れ出して欲しかった、と願い泣き崩れたミサオ。集合時間に来なかったミサオを男達が呼びに来る程だった。
「どうした?」
「………何でもありません。」
主人に聞かれても、『こんな人に話したって』という態度を見せたのだが、主人には分かった。
「10番を私の部屋に連れて行け。」
「はい。」
「…………え?あ、あの……休めないんですか?」
「………。」
主人は何も答えなかった。ミサオは男達に連れて行かれ、主人の部屋に押し込まれた。
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