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プロローグ
しおりを挟むバタバタバタバタバタバタ………。
「うるさいぞ!サイファ!静かにしろ!」
ドンっ!
2階でドタバタと慌てる音を朝から出しているのを注意され、階段途中の段差から飛び降りた地響き。
うるさいし騒がしいし、で注意した人物は怒鳴る。
「遅刻しそうなんだから仕方ないだろ!」
「朝飯は食っていけよ!サイファ!」
「暇ねぇ!」
「おはようございま~す。サイファ、学校行くよ~。」
朝食さえ食べれず、学校に行こうとする少年を、迎えに来た少女。
少年はサイファ、16歳。
少女の名はアニス、16歳。
「父さん、行ってきま~す!」
「待て!サイファ!」
「何?父さん。」
サイファが家の玄関を出るのを呼び止めた声を向く。
「今日から暫く仕事でロートシルトに行くからな、留守を頼むぞ。」
「え?また?」
「あぁ、国王に呼ばれてな。」
「ふ~ん、分かった。気をつけてな、父さん。」
「お前も気をつけるんだぞ、サイファ。」
男はそう言うと、少年を見送って呟く。
「………シヴァ様、ジュリアナ様……………サイファ様は今日も元気ですよ。早く貴方達にお見せしたい………。」
男の名はアーヴァイン。
空を見上げ、思い耽る朝を迎えたのであった。
そう、アーヴァインの君主、シヴァとジュリアナに、思いを寄せて…………。
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