【完結】淫乱売女悪女は愛を、束縛執着男には才色兼備を

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
上 下
23 / 43

甘々デート

しおりを挟む

 翌朝。ホテルの1室で、ルームサービスで朝食を取る玲良と穂高。

「腰痛い………」
「いやぁ、頑張ったなぁ俺」

 エスプレッソに舌鼓をうち、朝日が入る部屋の日差しに眩しさを感じ、玲良は穂高に聞いた。

「2時間ぐらいしか寝てないけど、この後如何するの?」
「ドライブデートしようかと………俺達、高校の時は図書室デートばっかだったろ?遠出も無ければ街中デートもしなかったからな………どうだ?」
「…………街中デートしたい!腕組んで一緒に歩きたい!」
「了解………車はどっか駐車場に置いて、繁華街ぶらぶらするか……」
「いいね、こういう話………本当にしてこなかったもんね………いつも試験問題の山当てと、答え合わせかセックスか、だったし……」
「…………ヤリたい盛りですいませんな……」
「それはもでしょ」
「……………ごもっとも……」

 穂高から、またしても渡されるバック。

「…………また玩具とか、エロい下着じゃないでしょうね?」
「………エロい下着は合ってるが、それは俺の趣味だと諦めて着てくれ………服入ってるんだよ………2日続けて同じ服はお前着ないだろ?」
「…………あ、ありがとう……持ってきてくれてたんだ………」
「ま、俺からのプレゼント、て事で………着なさそうな服を選んでみた………気にいるかは知らん」
 
 バックの中には大きな箱があり、皺にならない様に綺麗に畳まれた、ワンピース。

「…………確かにワンピースなんて着ない……」
「だろ?」

 深紅ノースリーブのフレアワンピース。背中は開いてはいるが、キスマークがかろうじて見えないでホッとする。

「うん、似合ってる」
「私、誕生日でもないよ?」

 姿見の前で、ワンピースを着た姿を穂高に見せる玲良。

「んな事は知ってる………祝いたかったんだよ、付き合ってた高校時代でも………誕生日教えてくれねぇし、今もお前の誕生日知らないままだ………だから、俺にはお前の誕生日は知らない体でいく!プレゼントしたい時は贈るし、甘やかしたい時にも贈る、て決めてんだよ!」
「そ、それは止めて………」
「何でよ」
「は、破産するって………と、言うか………甘え癖を私に付けないで………よ、欲はあるから………それで甘えさせてくれたら………いいの……」
「欲って?玲良にあるか?」
「あるよ!!…………穂高……っていう欲が……」
「!!………………アカン………押し倒したい……」

 玲良の1言で、壁に手を掛け項垂れる穂高。

「デート行こ!デート!!………ごめん!煽った!!夜に………ね?夜にいっぱい!」
「……………また生殺し………」
「でもさ………このワンピースにこのパンプスは合わない………」
「………だなぁ……靴迄は考えてなかった……下の店で見てくるか……もう開いてる時間にはなってる筈だし」
「そうだね、チェックアウトする序でに行こうよ」

 靴を売っている店に入っても、穂高は靴代を払おうとする。

「これは私が払う!」
「いいんだよ、甘やかしたいんだから!」
「だって、ワンピースも貰ったんだよ?コレは私が払うってば!」
「部屋に付けてくれ」
「穂高!」
「折れなきゃ、ここで濃厚なキスするぞ?」
「!!」
「お願いします」

 払う払わせないで、店の中で喧嘩し、結局穂高に負けた玲良は、真っ赤な顔していた。まるで、ワンピースの深紅の色の様に染まる頬。選んだ靴はローヒールのサンダルで、長時間歩く事を考えて、2人で選んだ物だった。

「面白いな………成績では、全く玲良に勝てなかったのに、こんな事で勝てるとは……」
「本当に、甘やかし過ぎは………自分の為に使ってよ……」
「自分の為に使ってるけど?………可愛い玲良が見れる」
「…………もう……怒れないじゃない……」

 チェックアウトし、近くの駐車場に車を移動させて、街中をぶらつく玲良と穂高。映画を見る事にし予約時間迄、空いた時間を有効活用し街を散策する。

「そろそろ映画始まるな………行くか」
「…………」
「玲良?信号渡る………」
「あ、うん」
「……………」

 交差点の信号待ちで止まっていた玲良と穂高だったが、玲良が上の空になっていた。映画は映画で楽しんで、帰るの予定をしていたのだが、穂高が玲良に1軒行きたい所がある、と言って、立ち寄った店に入る。

「ここ?」
「そ………入ろうぜ」

 穂高はショーウィンドウをチラ見し、店員に声を掛けた。

「窓際に飾ってあるピアス見せてもらっても良いです?」
「……………穂高?」
「あと…………仕事上、指輪出来ないんでピアスに合うネックレスなんかあれば………」
「穂高………まさか?」
「見て気にいるか、似合うかは当ててみたらいいじゃないか…………俺が買いたいか買いたくないかは、それから………」
「ちょっと…………もういい加減に………」
「玲良………言ったろ?俺はお前の誕生日を知らないから、気にしない事にした、て」
「……………誕生日………1月19日よ……」
「…………なら、今年の誕プレを遅れた詫びって事で!」
「穂高~!!無駄遣いもいい加減にしてよ~っ!」

 結局また押し付けられる様にして、ネックレスとピアスを穂高から贈られた玲良は、その夜も甘いお返しと称し、穂高に食われるのだった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

処理中です...