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離れない離さない♡

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「ちょっと!!避妊は!?」
「…………後でピル渡す……産婦人科医だぞ、持っててもおかしくない……まぁ、アフターピルだがな」

 生で、玲良に挿入しようとする穂高に、玲良は焦る。

「ちょっと!流石に………」
「ごたごた言うな………挿入らせろ……俺は玲良だからそうしたいんだ!」
「…………穂高……………あっ!!」

 強引に足を広げ、再び玲良の中に挿入る穂高。避妊具を着けずにするセックスは玲良も穂高もした事は無かった。

「ああっ……そこっ……んんっんっ………」
「覚えてるからな………ココが好きなの……」

 激しい律動に気持ち良さが増し、自然と玲良の足は穂高にしがみつき、縋る様に穂高の首に手を回す玲良。

「穂高っ………キスした……い………」
「玲良………好きだ……もう………離れないでくれ……」
「……………帰って来たよ、穂高の元に……もう何処にも行かない……」
「…………っ……」
「んっ……」

 舌を絡め、お互いに必死になってしがみつく。密着していない肌はないのではないか、という程に、穂高と溶け合う玲良。初めて穂高の白濁を飲み込む膣は、喜んで受け入れた。

          ☆☆☆☆☆

「戻って来てくれて嬉しいが、よく俺があの病院勤務だって分かったな」

 玲良と穂高の性欲が落ち着き、冷静になった穂高は、冷蔵庫からビールを持って来ると、ベッドに座る玲良にも渡す。

「…………ありがとう」
「飲めない?」
「ううん、基本翌日休みじゃないと飲まないから大丈夫、貰うね」

 ベッドの横に座り直した穂高は、玲良に密着する様に傍に寄った。喉が乾いていたのか一気に半分ぐらい飲んだ穂高。

「ぷはっ………ビールが旨く感じる」
「…………部屋、変わらないな……て思ってたけど、ベッドは変わったね……シングルからダブルになってる」
「…………シングルベッド、あれから壊れたんだよ………どうせならダブルにしてゆったり寝れれば、と買い替えた」
「…………そう……」

 何故か、傷心の顔をする玲良。ダブルベッドだったのは安心したが、思い出に残っていたベッドでなかったのが寂しく感じた。それにダブルベッドという事は、穂高はこのベッドに玲良以外の女を連れ込んでいた可能性だってある。
 6年離れていた間、玲良も穂高以外の男と付き合ってはきたが、やはりモヤモヤしてしまう。それだけ忘れられなかった男だったからだ。『彼女は?』と穂高に聞いた事を思い出した玲良。それが穂高には聞かれたくなかったスイッチだった、と冷静になれば分かる。そして、『離さない』と言った一言が、嬉しくて玲良から涙が溢れた。

「な、何で泣いてんだ?」
「…………穂高に会えて嬉しくて………でも、ベッドが変わっててショックだった………」
「…………ん?何でベッドが変わっててショックなんだよ……デカイベッドの方がセックスしやすくていいだろ?」
「…………このベッドで、私以外の女、抱いてきたんじゃないの?」
「…………あぁ………それで?……過去にも先にも、この部屋に女連れ込んで来た事はねぇよ」

 穂高はビールを飲み干し、サイドテーブルに缶を置くと、玲良を抱き締める。

「ちょっと!私、まだ入ってる!溢れちゃうよ!」
「シーツ変えりゃ済む………で?安心した?」
「…………まだ」

 ただ、抱き締めただけじゃない。乱れた玲良の黒髪を手漉きで整えてくれる。

「まだあるのかよ」
「…………抱き方が上手くなった」
「…………ぐっ…………そ、そりゃ……6年、他の女と関係はあったし…………そういう玲良だってあるんじゃないのか?」
「………私は少ないよ……穂高以外に知ってる人なんて…………断り続けてきたし」
「居るには居るんだ………」
「でも虚しいだけだった………穂高と比べちゃうの………セックスだけの事じゃなくて……穂高には助けられてきた高校生活の思い出があるから……」
「…………飲んだ?」
「え?…………まだ少し残ってる………あっ!」

 しみじみと語る玲良に、穂高は別の事を思ったのか、玲良のビールを取り上げ口に含むと、玲良に口移しで飲ませる。

「んっ!!……………ゴクッ……ちょっと!!」
「………休憩終わり」
「穂高!明日も勤務じゃないの!?」
「明日は当直だから、玲良を食べさせてくれ」
「は?私は無理!!明日の午後には引越し業者来るし!!」
「あ、そうだ………忘れてた……連絡先と住所教えろ………前の番号お前解約したろ?」
「そ、それはちゃんと伝えるよ……でも、まだ話がしたいんだって!」
「駄目、もう俺その気…………ほら」

 玲良の手を掴み、穂高は握らせると玲良の顔は赤く染まる。

「元気過ぎよ!さっきも2回出したよね!」
「玲良相手じゃ、足りん様だ」
「もうちょっと待ってよ!!穂高に伝えたい事だけは話させて!」
「…………少しだけな」

 握らせていた手を開放し、玲良はベッドから下りて玄関に放置したバックを持って来ると、スマホを取り出した。

「穂高、スマホ」
「…………あぁ、スーツのジャケットに……あれ、俺のだ」
「番号入力して」

 スーツのジャケットに入っているだろうと、玄関先で脱ぎ捨てたジャケットと共に玲良はバックを持って来たのだ。

「…………忘れて帰っちゃいそうだから、思い立った時に教えておきたかったの」
「そういう所は、以前と変わらねぇな」
「序でに言っちゃうけど、私このマンションに引越してきたから………穂高のこの部屋の上階、18階よ」
「………は?」
「私は賃貸だけどね」
「マジで!?」
「うん、空いてたから借りたの」
「……………マジか!」
「嘘言って如何すんの?メリットも無い……だからって、入り浸る事はしないで…………きゃぁ!!」

 玲良は、またも穂高に覆い被された。

「穂高!!急にやめてよ!」
「そんなに、俺の事忘れられなかったんだ」
「……………うん………」
「俺の事、『好き』て言わなかったろ?高校の時は」
「………アメリカに行って医者になるのを決めてたから………どのみち、別れが待ってる、と思ってたし………穂高は重い私の気持ちなんて、忘れてくれて良かったの………でも、卒業式の後の穂高が忘れられなかった………賭けてみたかった………もう無理なら諦めよう、て………」
「……………どんだけ、俺の事好きなんだよ……」
「呆れた?」
「……………まさか……嬉しい」
「穂高…………ずっと好きだった………」
「玲良……俺も……好きだよ……」

 お互いを求め過ぎ、結局朝迄抱き合った玲良と穂高。穂高は勤務中眠そうな顔をずっとしていたのは言うまでもない。
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