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騙されたコルセア、警戒のアガルタ♥
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しおりを挟むジェルバ国とアガルタ国国境でひと悶着があった頃、コルセア国ではある噂が持ちきりだった。
「聞いたか?ジェルバ国の金の瞳の若い娘の噂」
「あぁ、何でもアガルタ国に連れて行かれた、て」
「金の瞳の娘は、我等コルセアが手に入れた情報だろ?」
「そうは聞いてはいるが、信憑性が無いぞ?」
市街地で、ジェルバ国の金の瞳の娘の噂がが、独り歩きするのは直ぐだった。ルカスが流しさせた噂が、たちまち広がり、コルセア国王の耳にも入る。
「アガルタめ………私が狙っておった獲物を……」
コルセアはアガルタと牽制をし合う国同士。全ての元凶はジェルバ国の宝石。お互いの国にスパイを送り、情報を操作し、されながら長年歪みあってきた。
「如何しましょう……アガルタは武器兵力もあります……潰し合いになりかねません」
「…………モルディアの動きは?」
「最近、皇太子が結婚した様で、浮足立ってますよ」
「………あぁ……確か、皇太子の婚約者だという娘は我が国の情報から、大金積み込み金の瞳の娘を欲しがっておったな………結婚したというが、もう要らなくなったのか?」
「さぁ?遊び人と噂がある皇太子ですし、大方婚約者の娘が、痺れを切らしたのでは?」
「呑気な国よ………だが、モルディアはコルセアにスパイを送ってくるからな……警戒はしておけよ……」
そのスパイを送って来たのは、元法務大臣、レオンハルト侯爵だというのも、コルセア国王は気にも止めていなかった。モルディア皇国皇太子はただの遊び人ではない事も調べる事もせず、街中で広がる噂を信じている。
「ジェルバ国のあの壁を撃破して、奪って行ったのかは分からぬか?」
「生憎、アガルタ側の国境から確認も出来てはおらず………」
「調べろ!!今年の輸入量は満足しておらんのだ!!兵を送っても、撤退ばかりしおって………アガルタ側の国境に回り込み、壁が壊されいるなら、そこから入れ!同時にアガルタへ出撃せよ!!」
「はっ……」
使者が帰って来てからの報告は、望むものでなく、時折殲滅されては撤退を繰り返し、コルセア国王の苛立ちは並大抵なものではなかった。玉座で出っ張ったお腹を擦り、横に用意された食べ物を鷲掴みし、頬張るコルセア国王。
「私は、金の瞳の娘が欲しいのだ!奪う迄帰って来る事は許さん!!」
♤♡♤♡♤
一方、アガルタ国側。国王は愛妾デイルと一緒に居た。
『陛下!陛下!』
「何だ!!」
『お耳に入れたい事が!』
「……………入れ」
「失礼し……ます……」
手足を縛られ、吊るされたデイルを、侍従の目に入り、アガルタ国王とデイルは全裸だ。私室であるその部屋は、女達も拘束されていた。アガルタ国王の唯一男娼の愛妾デイルを見慣れてきていても、気持ちいいものではない。
「如何した」
「は、はい………申し上げます………街中で今、コルセア国王が金の瞳の娘を手に入れた、との情報が!」
「!!何だと!!」
「マ、マシュリー!!マシュリーが捕まったのか!!コルセアに!!」
「確かか?」
「……………分かりませんが、コルセアへ潜り込ませている者に確認を取ります」
「嘘だ!!マシュリーがあの男から奪われる筈がない!」
ギシギシと、動き回るデイル。金の瞳の娘と聞いたらマシュリーしか居ないのだ。それを婚約者だと名乗ったルカスから、マシュリーを奪われるとは思えないデイル。ただ、デイルは『自分が出来なかったのだから、他の奴等は無理』というだけの観点なのだが。しかし、アガルタ国王はあの男に反応する。
「あの男とは誰の事だ?」
「…………くっ!……マ、マシュリーの……金の瞳の娘の婚約者だと吐かした、軽そうな男だっ!金髪、金の瞳の俺こそが美しいのに!黒髪黒い瞳の何処がいいんだ!」
「…………コルセアを至急調べろ……後、王太子以外の第三、第四王子をジェルバへ送れ!!」
「お、俺も、ジェルバへ行かせてくれっ!」
「直ちに!」
侍従はさっさと、国王の私室を出て、国王はデイルの近くに戻ると、デイルの尻を撫で回す。
「っ!!」
「お前はここだ…………お前は、ただ宝石を出しておけば良い………ココからな………」
「ゔっ!!…………や、やめ……握る……なっ……」
「いつまでも従順にならんなぁ、お前は………金の瞳の娘が手に入ったら、お前の前で犯してやろう……目の前で、蜜壺に埋め込まれ、泣き叫ぶ娘を前にお前は、どう思うか………見物だ…………ははははははっ!」
「んぐっ!!」
アガルタ国王は吊るされたデイルの尻孔目掛け、腰を振る姿は、奴隷になっている女達も苦痛なものだった。
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