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お仕置きは程々に願います♡
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しおりを挟むズカズカと、大股で歩くルカスに担がれているマシュリーを見た者達は、オロオロするしかなく、アナとエリスも流石にルカスを止めに入る。
「ルカス様!姫様を降ろして下さいませ!」
「姫様が何を!」
「…………マシュリーの部屋に居る……俺がいいと言う迄、部屋には近寄るな」
「……………ルカス様っ!お怒りなのは分かりましたから、降ろして下さいませ!」
「ベッドの上に降ろす迄待て」
珍しくジタバタとはしたなくマシュリーは暴れるが、ルカスは動じず、ルカスからベッドに降ろすと聞かされ、マシュリーは観念したかの様に大人しくなった。
「いい子じゃないか、マシュリー」
「…………逃げられないなら、体力温存ですもの………」
「いい判断だな」
「ですが、お話はさせて下さいね?」
「…………勿論、聞かせてもらうさ」
部屋の中のベッドにゆっくりと降ろされ、脇で見下ろすルカスは、冷たい視線をマシュリーに向ける。
「さぁ………如何しようかな……自分で脱いで貰おうか」
「じ、自分で………ですか?」
「そう全部ね」
「…………そ、その前にカーテンを締めさせて下さい!……そして……先ずは説明を……」
ルカスはその申し出に、カーテンを締めに行く。しかし、マシュリーはその隙にベッドから降りた。
「マシュリー!逃げるな!」
「逃げません!お見せしたい物があるんです!」
「…………見せたい物?」
マシュリーは部屋のクローゼットを開けるとバラバラと舞うように散らかり落ちてくる未開封の箱や開封済みの手紙や未開封の手紙が出てくる。
「…………な、何だコレ……」
「………ディル兄様がわたくしに贈ってきた品物やお手紙ですわ………」
「な、何で残してあるんだ!」
「…………捨ててました!贈られ始めた頃は………ですが………その後は……『何故捨てたんだ、何故受け取らないんだ』………と付きまとわれ、怖くて怖くて溜まっていく一方で…………ディル兄様がジェルバ国を出てからは少しずつ捨てていました………まだこれらはほんの一部ですわ………」
「……………き、気持ち悪い男だな……」
「………物心着き、幼少期からこれはありました………兄が亡くなった直後は日に何度も贈り物や手紙が贈られ………本当に気持ち悪くて………男性が怖くなったんです……ですが、お父様はあれは特別だと仰り、何とか全ての男性がそうでない事を知ったのは、ルカス様のおかげなのです………」
「……………」
「贈り物や手紙を贈ってくる方は、ディル兄様以外に居りました……でも、ディル兄様はそれを知ると、贈った方を静粛する圧力を掛けていたので、わたくしは男性方に申し訳なくて………」
ルカスは黙って聞いた後、マシュリーを抱き締める。
「………だから、ネックレスを返しにきたのか……」
「…………はい……でも、ルカス様にお返ししたら、もうわたくしはルカス様にお心を開いて貰えない気がして、躊躇もしましたわ………」
「………馬鹿だな………俺は諦めが悪い……あれしきの事でマシュリーを諦めるつもりは無かったさ」
「…………でも、受け取っては下さらないような素振りで………」
「あぁ、あの時返されたら、本気で窓から捨ててたな………で、次の策を考えてたろう」
マシュリーはルカスの胸に顔を埋め、背中に腕を回す。
「………わたくし……ルカス様に捕まりましたわね………」
「俺はマシュリーに捕まってるけどな……」
「お慕いしております……ルカス様」
「……………あぁ………なんかやっと俺の物て実感する」
ルカスはマシュリーのドレスを脱がせに掛かるが、マシュリーはルカスの腕を止める。
「マシュリー?」
「…………自分で脱ぎますわ………ルカス様、先程………仰いました………でしょう?」
「…………じゃあ、俺は見物……」
ルカスは1人離れ、ベッドの端に座ると足を組み、嬉しそうにマシュリーを眺める。その目線はマシュリーの動作1つ1つにルカスは見つめ、マシュリーを目線で犯した。
「………あ、あまり………見つめ……ない……で………く……」
「何故?………愛でてるんだ……その恥じらいも俺には媚薬なんだから………」
最後の1枚の下着さえ脱ぎ終えると、胸や下半身を隠す様に立つマシュリー。
「…………本当に芸術的な美しさだな……」
ルカスはベッドから立つと、姿見の前に立つ。
「おいで」
「…………そ、そこは………嫌です……」
「これはお仕置きなんだけど?」
「……………っ……さ、先程……出て行ったからですか?」
「…………そう……予想外の展開だったが、結果良しにはなったんで、ご褒美も兼ねてるけどね」
何故、ご褒美とお仕置きがかねているのかさっぱり分からないマシュリーは、ルカスに聞いてしまった。
「お仕置きとご褒美は違いますよね!?」
「…………お仕置きは、俺を心配させ、嫉妬させた事…………ご褒美は、アガルタの使者達を捕まえられた事……別だな」
「…………か、鏡の前に行くのは?」
「………う~ん………マシュリーの様子から見たら、お仕置き…………だからお仕置きさせなさい……来るんだ……ここに……」
ピクッ、とマシュリーの身体が跳ね上がり、恐る恐る姿見の前に立った。
「ちょっとここで待ってろ」
何故か命令口調のルカスにピクッピクッと動いてしまう。目の前の姿見に映るマシュリーは、ルカスに既に酔っていり様な顔をしていた。
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