上 下
46 / 126
一夜明けても♡

45

しおりを挟む

 食事が終わり、百合の間の入口。

「今夜、部屋に行っていい?」
「!!」
「来てもらってもいいけど?………侍女達は、早めに下がらせてくれる?…………明け方迄には開放するから………ね?」

 小声で、甘く耳元に囁くルカスの言葉に、マシュリーの背筋がゾクリとする。昨夜の感覚を覚えている身体。気持ち良さと痛みが思い出す。

「ま…………まだ………痛く………て………」
「ん~?ソレは無さそうだったよね?後ろから挿入った時は……」
「…………っ!」
「クククッ………嫌だったら日を跨ぐ前迄に、俺とマシュリーの間の扉を3回ノックして……ノックが無いなら、俺部屋行っちゃうから」
「……………わ、分かりました………」

 部屋に入り、マシュリーは落ち着かない。悩んでいた。婚約したからルカスは抱いたのは感心しないし、勘弁して欲しかった。だが、いざルカスの温もりを知り、気持ち良さを知って、幸せを感じた以上、身体がを覚えている。ギリギリ迄悩んで決めようと、マシュリーは落ち着かないかった。
 入浴し、夜着を着ると侍女達はマシュリーの事を緊急時でなければ何もする事は無く、部屋を退室する。

「姫様……それではおやすみなさいませ」
「……………おやすみなさい……また明日宜しくね」
「「「失礼します」」」

 だが、カレンは1人残っている。

「カレン?」
「薔薇の間との扉の前に、何か重たい家具でも置いておく許可を頂ければ、と思いまして」
「…………ルカス様予防策?」
「勿論でございます………結婚前にご懐妊されては………と」
「その点は大丈夫よ………エリスに避妊薬を貰ったの…………彼女のお父様はお医者様で、分けて貰ったのだけど、閨の事は2人の事だから、ルカス様とお話して決めたいわ……夜這いとか、同意が無い閨でなければ、隔たりは要らないと思うの………物で壁を作っては、距離も縮める事も出来なくなってしまうんじゃないか……て」

 ジェルバ国は、壁を作り逃げてきた。恐怖だけで何も進まない事をマシュリーは知っている。

「…………分かりました……ですが、お気を付け下さいね、マシュリー様………ルカス様の性欲に、長続きしてお付き合いした令嬢等居りませんので、マシュリー様が結婚を嫌がられるんじゃないか、と心配しております」
「………性格や価値観の違いではなく?」
房事でございます………なので、限定で、ルカス様との恋を、という令嬢が後を絶ちませんでしたから」
「……………よく話合いますわ」

 カレンも百合の間を出て行くと、思い切って薔薇の間との扉を2回ノックする。

『…………マシュリー?』
「わたくしですわ………お話がありますの」

 カチャ。

 ルカスの方から扉が開く。

「3回のノックの拒否じゃない、よな?………話?」
「はい、閨に関する事ですわ」
「入ったら?それとも、そっちに行こうか?」
「いえ、………お話次第で、拒否するか決めたくて」

 扉の敷居から動こうとしないマシュリーに、怪訝そうなルカス。

「…………何………かな?」
「ルカス様は、わたくしとの閨を毎日したいのですか?」
「したい」
「……………回数や時間等はどの様に考えていらっしゃるのですか?」
「最低でも3発抜きたいな、時間が許す限り治まらないだけ」
「…………では、3か、31か、何方が良いですか?」
「毎日、欲のままに」
「…………わたくし……まだよく理解出来て無いのですが、ルカス様はその欲のまま、という房事は、昨夜より………その………止めに入らなかったら、まだ続けていた………と?」
「勿論…………全く足りてない……1発だったし」

 照れて言葉に詰まってでも、確認しようとするマシュリーに対して、即答するルカスは当然の様に言う。

「………あ、あの………わたくし……ルカス様をご満足させられなかった…………ですか?」
「まだ、じゃないよ、マシュリーは」
「………そ、?」
「昨日のは、まだまだ俺はマシュリーの身体を知り尽くしてないからね……」
「で、でもを令嬢方と楽しんでいらっしゃった、と…………わたくしとの昨夜はではない、と言う事ですか?」
「マシュリーがになる訳がないよ………俺は遊びを目的とした女達に本気になって抱く事はなかった」
「…………わたくしは?」
「ん?」
「…………わたくしは………遊びですか?……それとも………本気………?」
「……………おいで」
「!!」

 ルカスは、急に不機嫌になり、マシュリーの腕を引っ張り、百合の間の中へ入る。

「ルカス様!?」
「……………」
「きゃ!」

 マシュリーをベッドの端へ押し倒す。

「…………俺は、マシュリーを妻にする、と言ったよな?…………分からせてやるよ……俺の

 ルカスはバスローブ。そのバスローブの紐を解くと、素っ裸だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族(ハーレム)を増やす〜

北条氏成
ファンタジー
一度目の世界を救って、二度目の異世界にやってきた主人公は全能力を引き継いで吸血鬼へと転生した。 この物語は魔王によって人間との混血のハーフと呼ばれる者達が能力を失った世界で、最強種の吸血鬼が眷族を増やす少しエッチな小説です。 ※物語上、日常で消費する魔力の補給が必要になる為、『魔力の補給(少しエッチな)』話を挟みます。嫌な方は飛ばしても問題はないかと思いますので更新をお待ち下さい。※    カクヨムで3日で修正という無理難題を突き付けられたので、今後は切り替えてこちらで投稿していきます!カクヨムで読んで頂いてくれていた読者の方々には大変申し訳ありません!! *毎日投稿実施中!投稿時間は夜11時~12時頃です。* ※本作は眷族の儀式と魔力の補給というストーリー上で不可欠な要素が発生します。性描写が苦手な方は注意(魔力の補給が含まれます)を読まないで下さい。また、ギリギリを攻めている為、BAN対策で必然的に同じ描写が多くなります。描写が単調だよ? 足りないよ?という場合は想像力で補って下さい。できる限り毎日更新する為、話数を切って千文字程度で更新します。※ 表紙はAIで作成しました。ヒロインのリアラのイメージです。ちょっと過激な感じなので、運営から言われたら消します!

虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる

黒ハット
ファンタジー
 【完結しました】以前の小説をリメイクして新しい小説として投稿しています。  名前も付けられずに公爵家の屋敷の埃の被った図書室の中で育った元聖国の王女は虐待で傷だらけで魔物の居る森に捨てられ、王太子に拾われて宰相の養女となり、王国の聖女と呼ばれ、波乱万丈の人生をおくるが王太子妃になり幸せになる。

オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】

ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。 ※ムーンライトノベルにも掲載しています。

【R18】国王陛下に婚活を命じられたら、宰相閣下の様子がおかしくなった

ほづみ
恋愛
国王から「平和になったので婚活しておいで」と言われた月の女神シアに仕える女神官ロイシュネリア。彼女の持つ未来を視る力は、処女喪失とともに失われる。先視の力をほかの人間に利用されることを恐れた国王からの命令だった。好きな人がいるけどその人には好かれていないし、命令だからしかたがないね、と婚活を始めるロイシュネリアと、彼女のことをひそかに想っていた宰相リフェウスとのあれこれ。両片思いがこじらせています。 あいかわらずゆるふわです。雰囲気重視。 細かいことは気にしないでください! 他サイトにも掲載しています。 注意 ヒロインが腕を切る描写が出てきます。苦手な方はご自衛をお願いします。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R-18】逃げた転生ヒロインは辺境伯に溺愛される

吉川一巳
恋愛
気が付いたら男性向けエロゲ『王宮淫虐物語~鬼畜王子の後宮ハーレム~』のヒロインに転生していた。このままでは山賊に輪姦された後に、主人公のハーレム皇太子の寵姫にされてしまう。自分に散々な未来が待っていることを知った男爵令嬢レスリーは、どうにかシナリオから逃げ出すことに成功する。しかし、逃げ出した先で次期辺境伯のお兄さんに捕まってしまい……、というお話。ヒーローは白い結婚ですがお話の中で一度別の女性と結婚しますのでご注意下さい。

宮廷魔導士は鎖で繋がれ溺愛される

こいなだ陽日
恋愛
宮廷魔導士のシュタルは、師匠であり副筆頭魔導士のレッドバーンに想いを寄せていた。とあることから二人は一線を越え、シュタルは求婚される。しかし、ある朝目覚めるとシュタルは鎖で繋がれており、自室に監禁されてしまい……!? ※本作はR18となっております。18歳未満のかたの閲覧はご遠慮ください ※ムーンライトノベルズ様に重複投稿しております

処理中です...