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一夜明けても♡
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しおりを挟む食事が終わり、百合の間の入口。
「今夜、部屋に行っていい?」
「!!」
「来てもらってもいいけど?………侍女達は、早めに下がらせてくれる?…………明け方迄には開放するから………ね?」
小声で、甘く耳元に囁くルカスの言葉に、マシュリーの背筋がゾクリとする。昨夜の感覚を覚えている身体。気持ち良さと痛みが思い出す。
「ま…………まだ………痛く………て………」
「ん~?ソレは無さそうだったよね?後ろから挿入った時は……」
「…………っ!」
「クククッ………嫌だったら日を跨ぐ前迄に、俺とマシュリーの間の扉を3回ノックして……ノックが無いなら、俺部屋行っちゃうから」
「……………わ、分かりました………」
部屋に入り、マシュリーは落ち着かない。悩んでいた。婚約したからルカスは抱いたのは感心しないし、勘弁して欲しかった。だが、いざルカスの温もりを知り、気持ち良さを知って、幸せを感じた以上、身体がソレを覚えている。ギリギリ迄悩んで決めようと、マシュリーは落ち着かないかった。
入浴し、夜着を着ると侍女達はマシュリーの事を緊急時でなければ何もする事は無く、部屋を退室する。
「姫様……それではおやすみなさいませ」
「……………おやすみなさい……また明日宜しくね」
「「「失礼します」」」
だが、カレンは1人残っている。
「カレン?」
「薔薇の間との扉の前に、何か重たい家具でも置いておく許可を頂ければ、と思いまして」
「…………ルカス様予防策?」
「勿論でございます………結婚前にご懐妊されては………と」
「その点は大丈夫よ………エリスに避妊薬を貰ったの…………彼女のお父様はお医者様で、分けて貰ったのだけど、閨の事は2人の事だから、ルカス様とお話して決めたいわ……夜這いとか、同意が無い閨でなければ、隔たりは要らないと思うの………物で壁を作っては、距離も縮める事も出来なくなってしまうんじゃないか……て」
ジェルバ国は、壁を作り逃げてきた。恐怖だけで何も進まない事をマシュリーは知っている。
「…………分かりました……ですが、お気を付け下さいね、マシュリー様………ルカス様の性欲に、長続きしてお付き合いした令嬢等居りませんので、マシュリー様が結婚を嫌がられるんじゃないか、と心配しております」
「………性格や価値観の違いではなく?」
「ほぼ房事でございます………なので、一夜限り限定で、ルカス様との恋を、という令嬢が後を絶ちませんでしたから」
「……………よく話合いますわ」
カレンも百合の間を出て行くと、思い切って薔薇の間との扉を2回ノックする。
『…………マシュリー?』
「わたくしですわ………お話がありますの」
カチャ。
ルカスの方から扉が開く。
「3回のノックの拒否じゃない、よな?………話?」
「はい、閨に関する事ですわ」
「入ったら?それとも、そっちに行こうか?」
「いえ、ここで………お話次第で、拒否するか決めたくて」
扉の敷居から動こうとしないマシュリーに、怪訝そうなルカス。
「…………何………かな?」
「ルカス様は、わたくしとの閨を毎日したいのですか?」
「したい」
「……………回数や時間等はどの様に考えていらっしゃるのですか?」
「最低でも3発抜きたいな、時間が許す限り治まらないだけ」
「…………では、毎日で最低3か、3日に1度欲のままにか、何方が良いですか?」
「毎日、欲のままに」
「…………わたくし……まだよく理解出来て無いのですが、ルカス様はその欲のまま、という房事は、昨夜より………その………止めに入らなかったら、まだ続けていた………と?」
「勿論…………全く足りてない……1発だったし」
照れて言葉に詰まってでも、確認しようとするマシュリーに対して、即答するルカスは当然の様に言う。
「………あ、あの………わたくし……ルカス様をご満足させられなかった…………ですか?」
「まだ、その域じゃないよ、マシュリーは」
「………そ、その域?」
「昨日のは、まだまだ俺はマシュリーの身体を知り尽くしてないからね……」
「で、でも一夜限りの恋を令嬢方と楽しんでいらっしゃった、と…………わたくしとの昨夜は一夜ではない、と言う事ですか?」
「マシュリーが一夜限りになる訳がないよ………俺は遊びを目的とした女達に本気になって抱く事はなかった」
「…………わたくしは?」
「ん?」
「…………わたくしは………遊びですか?……それとも………本気………?」
「……………おいで」
「!!」
ルカスは、急に不機嫌になり、マシュリーの腕を引っ張り、百合の間の中へ入る。
「ルカス様!?」
「……………」
「きゃ!」
マシュリーをベッドの端へ押し倒す。
「…………俺は、マシュリーを妻にする、と言ったよな?…………分からせてやるよ……俺の本気」
ルカスはバスローブ。そのバスローブの紐を解くと、素っ裸だった。
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