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三
しおりを挟む「れ、麗華………ちゃん……?」
「…………ふふふ……」
麗華だけではない。もう三人、見知らぬ男。
「藤原様………如何です?」
「美しいな、麗華嬢の姉だって言うだけ頷ける」
「嫌ですわ、藤原様………姉なんて一寸も思っていない卑しい女の娘なので………ふふふ……」
一人の男の背に隠れて現れた麗華は、沙弥を虐める時の顔そのもので、沙弥を見下していた。
「れ、麗華ちゃん!幾ら何でもこんな仕打ちは無いわ!今迄黙って貴女達の事を我慢していたけど、家の外でこんな事…………きゃぁぁぁぁっ!」
沙弥が麗華に話している内に、藤原という男は、二人の男に目配せさせ、沙弥の腕を取った。そして寝台の背凭れの柵に手首を紐で括らせたのだ。
「お姉様、安心して?………何も、孕ませようなんて思ってはいないから。藤原様も妻子ある身だし、愛人が孕んでは、体裁が悪いでしょう?藤原様はね、風祭家より爵位が上の侯爵家の方でね、私………藤原様のご子息と近々、婚約するの…………どう?お姉様………私は次期侯爵夫人、お姉様は私の未来の義父の愛人………妾腹のお姉様にはお似合いだと思わない?」
「わ、私は嫌!」
沙弥は抵抗を見せるが、もう柵に縛られている沙弥が紐を千切れる力を出せる姿勢にはなってはいなかった。
仰向けで、両手はしっかり柵に縛られ、着物を着ている沙弥は暴れれば乱れる足元や帯を気にするぐらいしか出来なかった。乱れたら乱れたで恥ずべき場所が見られてしまうからだ。
「嫌が…………良い、てなるわ、その内ね……藤原様、種は膣には入れないで下さいね?妊娠されては、困るそうですから……そう、母が申してましたので」
「それが楽しみだったのだがな………」
藤原という男も寝台に近付き、ズボンを足首迄下ろすと、褌姿で寝台に乗った。
麗華に至っては、沙弥が仰向けになる頭の傍で寝台に腰掛けている。
「麗華ちゃん!止めて貰って!」
「何を言ってるの?お姉様………伯爵家の私が上位の侯爵様にお願い出来る訳ないじゃない」
「っ!」
沙弥は藤原に足を取られ、着物の裾を広げられた。
「お、お止め下さい!…………い、嫌ぁ!」
長襦袢迄広げられ、膝から滑り込められた藤原の手がゾワゾワと気持ち悪く感じる沙弥。
「藤原様、種は注がないで下さいね?孕ませたくないのですから」
「分かっている………」
「っ!……………やぁぁぁぁぁっ!」
長襦袢の中に手を入れられると、直ぐに沙弥の秘めた場所に藤原の手が触れた。
「ほぉ…………生娘か………」
「当然でしょう?貴族の娘として扱われたお姉様ですし………」
風祭家の長女として籍はあっても、貴族の娘として扱われた事等はない沙弥。
「そうだな…………生娘でなければ名家の家には嫁げぬ……嫁になる麗華ちゃんには、息子の為に残さねばならぬしな…………」
「お姉様、そういう事なの………藤原様の家に私が嫁ぐ為の人身御供になってくれるわよね?」
要するに、藤原が麗華を気に入ってしまい、息子の嫁にするのは惜しくなり、それならば異母姉で手を打たないか、とでも麗華が言ったのだろう。
沙弥はその会話で察してしまった。
「麗華ちゃん!そんな事迄して、この方の息子さんと婚姻を結ぶと言うの!」
「そうよ………て聞きたい?でもね、お姉様………それ以上に、私………お姉様が嫌いで嫌いで仕方ないの………それでも、身近に居て欲しくて、藤原様にお願いしてあげたわ………お姉様を私の身近に置く為に、虐め尽くす為に、藤原様………義理のお父様になる方の妾にして貰えませんか?てね………どう?良い案だと思わない?」
「っ!」
沙弥は麗華が狂っている様に見えた。
そこ迄して、沙弥を風祭家の家に縛り付けて、麗華に縛り付けて、逃がす気が無いのだと伝わる。そんなに、麗華に恨まれなければならない沙弥は、どんなに苦しめられなければならないのだろう。
「良い案ではないわ!私はいつだって、風祭の家から出たって良いと思ってるのよ!麗華ちゃんやお義母様に邪魔な存在になるなら、家を捨てたって良いと思ってるの!だけど、お金が私には無いから………」
「お金?…………お姉様にびた一文渡せるとでも?………妾腹の癖に?養われている癖に?タダ働きでも烏滸がましいのよ!一生、私やお母様がコキ使っても足りないわ!………藤原様……お願いしますわ、こんな卑しいお姉様を、正しく導いて下さいませ」
話が通じない麗華に、ただその言い合う姿を眺めた藤原に、沙弥は逃げる為の抵抗も虚しく感じる。
何を言っても、解放はされないだろう。
「勿論だ………姉妹喧嘩も見物であったが、楽しむとするか………閉じきったこの襞を抉じ開け、捩じ込むとするか………」
「っ!…………い、嫌ぁぁぁぁっ!」
藤原の褌がズラされ、竿を沙弥は見てしまう。
どす黒く、使い込んだ竿なのだが、生娘の沙弥に分かる筈もなく、閉じ切った沙弥の秘めた場所に竿が当てられた。
濡れてもいない場所。
前戯もされなかった場所にいきなり入る事は、正しい事なのかも知らないのだ。沙弥にとっての異物がギチギチと広げられていく様を、麗華は沙弥の顔の傍で、面白い物を見ているかの様に、沙弥を蔑む顔と同じ顔をして、沙弥の秘めた場所を麗華に見つめられていた。
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