上 下
17 / 37

数歩の距離なのに♡

しおりを挟む

 ピンポ―ン。

 彬良の住むマンションに着いた茉穂。先に会社を出た彬良はもう帰っているだろう、と料理が出来ない彬良の為に、夕飯を作るつもりで時々材料を買って来ていた。

「遅かったな」
「ご飯食べようと思って、材料買って来た」
「………飯より、こっち」
「ちょっ!」

 エコバッグに入った材料を奪い、玄関に置く彬良に、玄関のドアに茉穂は押し付けられる。

「何だよ、ストッキング破ったろ?昼に」
「履き替えたわよ!伝線しちゃったし!」
「脱がすぞ」
「え!ご飯は!」
「後!」

 スカートを捲り上げられ、ストッキング毎下着も下ろされてしまう茉穂。晒された直後、もう彬良は秘唇を開き、愛撫を始める。

「彬良っ!待ってっ!」
「やだね」

 上半身迄脱がしに掛かりながら、茉穂の反応を見ている彬良。直ぐに秘部の愛撫だけで、喘ぎ始める茉穂の赤く染まる顔になっていくのを観察している。

「イキたかったろ?直ぐにイカせてやるから」
「あぁっっ待っ………て……話し………」
「後だって言ってるだろ?」

 職場でシない事を約束させたいのに、話をしてから、と思って食事で釣るつもりであった茉穂だが、もう無理だった。
 上半身もはだけ、胸の頂きも固くなった頃、彬良はコンドームの袋を咥えて歯で開ける。

「っ!」
「待たせたよな?」

 色っぽくて、彬良の仕草にゾクゾクする。装着も手早くすると、茉穂を持ち上げる様に杭を突き刺した。

「ああッあぁあっ……深……ぃっ!」
「ベッド行こうぜ」
「っ…………やぁ……駄目っ……イッちゃ……」

 1歩歩くと、そのズンっと奥に衝動が走り、彬良に懇願する。只でさえサイズが大きい彬良の杭だ。軽々と持ち上げられて、体力のある彬良の思うがままに揺さぶられては歩かれると、正常位でのセックスをするより、深く突かれてしまう。

「じゃ、このままイケよ……落ちるなよ?しがみついてろ………その間、お前のおっぱいも堪能しててやる」

 ゆさゆさと、彬良は下から突き上げ、茉穂を休ませない。自由に動けない茉穂の態勢は、彬良の頭を抱え込むしかなかった。その間、茉穂の胸の谷間は何度も痛みが贈られる。

「んふっっ……あぁっ………らめっ!も……イキっぱ……だか……」
「エロくて止めれん!」

 結局、彬良が1回終わる迄、ずっと同じ体位で、まだベッドには下ろされる事なく、手前のバスルームのドアの前に下ろされた茉穂。玄関から2歩ぐらいしか進めていない。

「はぁ………はぁ……」

 横たわる茉穂を見下ろして、彬良はコンドームを新たに着け変えた。

「え………せめて……ベッド……」
「次、こっちな」
「ち、ちょっと?」

 茉穂が1回のセックスで疲れが出て、四つん這いにされるのは簡単だった。

「好きだろ?尻と挟まれんの………」
「ま、待って!それはせめてシャワー………っああぁっ!」

 後ろから挿入された後、彬良の指が茉穂の尻孔を解し入って来る。
 以前、合コン後の夜にバイブが入ったと同時にアナルビーズや指を入れられた事があったが、彬良の杭がある状態での尻の愛撫は初めてだ。大きくて、密着されている隘路に押し広げられた、尻孔は狭いだろうと思われ、強い刺激が茉穂に続く。
 苦しみや痛みは無いのに、いつしか涙も溢しながら、気持ち良さが続いた悦楽に酔い痴れ、自然に茉穂も腰を動かし、彬良の律動に合わせていた。

「もっと欲しいようだな」
「あ……ひっ………あぁあっ……もっとぉ……」
「イカせてやるよ」

 彬良が2回目に爆ぜた時、強請る茉穂に満足した彬良は、やっと茉穂とのセックスを終わらせた。

「シャワー浴びてこいよ………材料は冷蔵庫に入れておく」
「う、うん……」
「立てるか?」
「…………話を先にしたかったのに……」
「まぁまぁ……ちゃんと飯の時に聞いてやるから」

 茉穂はふらふらとバスルームに入ると、余韻が冷めぬまま、身体を洗って出て来る。空腹過ぎて、お腹が鳴ったのだ。

 ―――の後、てお腹空くけど、セックスも同じよね……刺し身買ってきたけど、大丈夫かな……悪くなってなきゃいいけど

「早かったな」
「………お腹空いちゃって……」
「俺もだし、腹減ってるから助かる」
「………だから、先にご飯にしようと思ってたのに……」
「嫉妬心のが勝ってな」

 材料を冷蔵庫にしまってもらってばかりの食材を確認して、茉穂は調理を開始する。
 彬良は夜に炭水化物は取らない。酒とつまみになる物があればいい。茉穂は品数を少量ずつ小分けして彬良にテーブルに運んで貰う。

「保存容器にも詰めてあるから、私が来ない日に食べてね」
「めっちゃ助かる……料理だけはマジで無理」
「しようとしなかった訳?」
「俺、刃物恐怖症」
「え?そうなの?」
「向けられると、反撃したくなるんだよな……自分で持つのも人を傷付けかねないから持たない」

 過去、何度も刃物を向けられたのだろう。額や腕にある傷痕は、刃物傷の様な痕だからだ。だから、茉穂が彬良のマンションに来る様になった頃、包丁が無かった。茉穂が料理をしている間、彬良は茉穂の傍には寄らないし、キッチンが片付く迄、キッチンに近寄りもしなかった。

「カッターとか鋏も刃物でしょ?」
「大人になって、あんまり自分では使わないな……封筒なんかの開封は破る」
「……まぁ……便利な文具だけど無くても生活出来るもんね……」

 ビールを冷蔵庫から出し、乾杯すると彬良は茉穂の料理をつまんでいく。

「うめっ」
「じゃ、ずっと外食だったんでしょ?」
「独り暮らししてからずっとな……メタボになりたくねぇし、ジム行って身体鍛えて、カロリー消費してるが、セックスでもカロリー消費するから、ジム行く暇も無くなりそうだな」
「ジムも行こうよ」
「何でだよ、2人の時間無くなるじゃねぇか」
「エッチが濃厚なんだもん……もうちょっと加減して欲しいかな……と」
「蛋白よりかいいじゃねぇか」
「…………そ、そうなんだけど……会社では止めてよね……今日のは嫌」

 茉穂は説得を重ね、彬良が会社でスキンシップをやらない事を約束させた。その代わり、彬良から茉穂に要望を言われたのだが、それはまた後日。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】プラトニックの恋が突然実ったら

Lynx🐈‍⬛
恋愛
白河 紗耶香は老舗酒造会社の跡取りとして、育てられた深層の令嬢だった。 だが、闇の中で育てられた、悲しく寂しい女。 跡取りとして、両親に育てられたのではなく、祖父に厳しく育てられ、両親からの愛情を感じた事がなかったのだ。 ある日突然、祖父が『ある男と結婚しろ』と言い出し、男を知らない紗耶香は戸惑いながら、近付く。 陰ながら、紗耶香の傍で紗耶香のお目付け役だった小松 裕司への思いを心の気持ちに鍵を厳重に締め、紗耶香は『ある男』森本 律也を好きな態度を取るのだが…… ※【Mにされた女はドS上司に翻弄される】 と、【惚れた男は陰気で根暗な同僚でした】のキャラが登場します。 少し話は重なる所がありますが、主人公が違うので視点も変わります。【Mにされた〜】の完結後がメインストーリーとなりまして、序盤が重なります。 ※ これはシリーズ化してますが、他を読んでなくても分かる様には書いてあると思います。 ※プラトニックの話なのでHシーンは少ないですが、♡がある話はHシーンです。

生贄

竹輪
恋愛
十年間王女の身代わりをしてきたリラに命令が下る。 曰く、自分の代わりに処女を散らして来いと……。 **ムーンライトノベルズにも掲載しています

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。

すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!? 「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」 (こんなの・・・初めてっ・・!) ぐずぐずに溶かされる夜。 焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。 「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」 「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」 何度登りつめても終わらない。 終わるのは・・・私が気を失う時だった。 ーーーーーーーーーー 「・・・赤ちゃん・・?」 「堕ろすよな?」 「私は産みたい。」 「医者として許可はできない・・!」 食い違う想い。    「でも・・・」 ※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。 ※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 それでは、お楽しみください。 【初回完結日2020.05.25】 【修正開始2023.05.08】

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

彼氏が完璧すぎるから別れたい

しおだだ
恋愛
月奈(ユエナ)は恋人と別れたいと思っている。 なぜなら彼はイケメンでやさしくて有能だから。そんな相手は荷が重い。

小野寺社長のお気に入り

茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。 悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。 ☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。

うちの弟がかわいすぎてヤバい無理!

はちみつ電車
恋愛
3歳の時、弟ができた。 大学生に成長した今も弟はめっちゃくちゃかわいい。 未だに思春期を引きずって対応は超塩。 それでも、弟が世界で一番かわいい。 彼氏より弟。 そんな私が会社の人気者の年上男性とわずかに接点を持ったのをきっかけに、どんどん惹かれてしまう。 けれど、彼はかわいがってくれる年下の先輩が好きな人。好きになってはいけない.......。

処理中です...