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結婚
しおりを挟む雫が開花して半年、皇家当主利勝と、妻のエレナとも話し合いを続けた結果、弥の籍に入る事になった雫。そして日本で弥と結婚式を挙げた後、新婚旅行先で尊と結婚式を極秘で挙げる予定になった。利勝もエレナも妻を共有する事に反対は全くなく、むしろ3人の子供達に異能が宿る可能性がある事に喜びを表したので、雫も驚いた。
「弥から聞いたんだが、ノエルと会ったんだって?エレナの甥と」
「はい」
「エレナの甥のノエルの父親も異能者だったからね、ノエルに引き継がれた事に嫉妬さえ覚えた程だ………だが、皇家は天使家あっての異能だと言ってしまえばそうなんだろう、とね……だから、天使家に娘が産まれた、と聞いた時、即婚約を、男を近付かせるな、と天使家にお願いしていたのは私なのだよ……雷蔵氏へ不満はあったろうがね……すまなかったね」
「父さんが、ノエルの親父さんに嫉妬していたのは知ってたけど……」
「羨ましかったからな……異能の種類は違うが、更にノエルには異能の妻が居るとなると、躍起になってしまうではないか!」
弥と尊は呆れ顔だ。
「翡翠さんもかわいそうに………こんなおっさんに嫉妬されて」
「まぁ、ここだけの話だ……翡翠さんの爺さんに怒られたくないからな」
「なんだ、知り合いなのか?」
「まぁな………政財界のドンと言われた男だ。引退はしてるがな……まさかその繋がりがあるとは知らなかったが」
利勝の話は面白く、ついついこういった脱線話がありつつ、来賓者の相談や引き出物の相談等、毎週末弥と尊と一緒に皇家へ来ている雫。義理母になるエレナは基本的にイギリスに居る為、頻繁には会えなかったが、エレナは日本式の結婚式の事はよく分からない、と言って、口出しはする事はなかった。ただ一点だけ除けば。
「雫のドレスも何とか間に合いそうだな」
「うん、何とか………お義母様の好み入れてだったし」
「母さんが結婚する訳じゃないのにな」
「ありゃ、もう一回結婚式挙げたいんじゃないか?」
「………阿呆、何度もせがまれて、何年か一度は2人だけの式は挙げてる」
「………マジか……」
「新鮮味があるから、やめられないんだそうだ」
別居をしているので不仲だと勝手に思っていた雫。話をしていて直ぐにそうではなかったと知り安心したのは、雫が結婚を決意してからだった。
「ま、何はともあれ、明日はお前達の門出だ、雫さん弥と尊の2人の相手は大変だろうが宜しく頼むよ」
「…………はい」
弥との結婚式は盛大に行われ、雫のウエディングドレスに、腰の痣を想像させるかの様な、桜の刺繍を淡いピンクの糸で施されていた。そのドレスには目を奪われた女は多かった。
「疲れたぁ……」
「ご苦労さん」
「今日、このホテルに泊まるんだっけ?」
「あぁ……雫、尊もそろそろ来る筈だ」
「やっぱり、今日もまた3人なんだ……」
「嫌か?」
「拒否するなんて、私がする訳ないじゃない…………弥と尊が居るのが当たり前なのに」
雫は弥に抱き着く。半年間、2人が雫の中に居なかった日等、数えるぐらいしかない。アブノーマルなセックス以外、もう雫には物足りないと感じる程だ。だからといって、縄や目隠し、バイブ程度の淫具。弥や尊は雫を飽きさせる事も絶対に嫌だ、という事はしなかった。する時は常に一緒だし、1人が相手の時は、後日時間を作り、出来なかった方を相手をした雫。
「尊が来たらまた聞くだろうが、今日は如何したい?如月には運ばせておいたが」
「………今日は先に旦那様になった弥から欲しいかな……それ以外は弥と尊に任せる。」
「雫はいつもそれだな……先に入る方を決めたら、お任せ、て………我儘になっていいんだぞ?」
「え?私我儘じゃない?だって2人旦那様が居るのに」
「ねだられた事、あんまりないがな……」
「…………じゃ、尊が来たらまた考える……シャワー浴びてきていい?メイクも落としたいし」
「その我儘は聞かない」
「何で?」
「尊もだろうが、3人で風呂入りたい。隅々迄雫を洗ってやりたい」
「ゆ、揺るがないね、それは……」
「当然だ」
ピンポーン。
部屋のインターフォンが鳴る。尊が来たようで、弥が雫から離れ、扉を開けに行った。
「だぁ!女に捕まった!」
「ははは、仕方ない、籍の上ではお前は独身だ」
「何がいいかねぇ、籍に拘って……お、花嫁さん」
「尊!!」
「あぁ………この花嫁が一番いいわ」
「酔ってんな、お前」
「飲まされたんだよ!」
尊はソファに座り、テーブルに足を投げ出すと、ネクタイを緩めセットした髪を崩した。
「弥は、どうせテーブルの下にバケツ置いてもってたんだろ?飲まされるのがオチだしな」
「まぁな」
「盛大に結婚式させられる方も嫌だな、仕方ないが」
「形式だけさ…………俺達は変わらん……風呂入ろうぜ……雫が入りたい、てよ」
弥の言葉で、ソファから腰を上げた。
「…………おぉ、入る入る……俺達の花嫁をデザートに戴かなきゃな」
「…………ちょっと、私をデザート扱いしないでよ」
「いいじゃねぇか、皮肉ぐらい言わせろよ、俺と雫の式はまだ暫く先なんだから」
「来週じゃないの、それぐらい我慢して」
新婚旅行兼ねて、尊と結婚式を挙げる予定で、旅行に関しては全て尊の妻として予約をしている雫。そして、弥は付き添いという立場だ。
「ま、俺達は変わらないがな」
「本当に馬鹿ね」
雫は両手いっぱいに広げると弥と尊の胸に飛び込む。
「お風呂入ろ、ね」
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