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嫉妬

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 パーティー会場のホテルに着くと、一際目線が、雫や弥、尊に注がれる。左側に弥、右に尊というイケメンセレブを従える様に、モデル並みの雫が、ホテルのロビーを歩くのだ、目立たない方がおかしかった。

「モデル?」
「かっこいい……」

 そんな声が耳に届く。馬鹿らしい、阿呆らしいと、雫だけではなく弥や尊さえ思う程の周囲の目。3人はそれぞれ自分を磨く事には怠る事を知らない。雫には祖父からの命令で、常に美しくあるように、と言われてきた令嬢であり、皇家の2人は帝王でなければならない、と言われ続けた家柄なのだ、付け入る隙等あってはならない、と、公の場ではそう有り続ける事を義務付けられた共通点があったのだ。
 如月がホテルの一室のルームキーを弥に手渡す。

「まだ時間はあります。パーティー開催迄こちらでごゆっくり………」
「乱れたら、直せる奴は来るようになってるか?」
「勿論です………あと、弥様、ご用意した物がこちらに……」
「……………何かあれば、呼ぶ」

 如月が弥に手渡した物が気にはなった雫だが、弥と尊に挟まれ、エスコートされた部屋へ行くしか出来なかった雫。
 エレベーターに乗り、スィートルームだろう部屋のロックを解錠した弥は、先に雫を入れた。

「まだ、少し時間あるからな………雫………腰迄、裾を上げ………そうだな……窓際に立ってもらおうか」
「…………な、何を……?」
「はいはい、雫………言う事聞かないと、後からお仕置きするよ?」

 尊に、引っ張られ窓際に押し付けられた雫。裾を腰迄上げられると、紐でかろうじて止めてある拙い下着の紐を解かれる。

「嫌っ!何するの!」
「何って?……そりゃあ、雫を更に色っぽくする為の協力さ」

 弥は如月から渡されたバッグを開け、1つは自分に、1つは尊に渡すと、花芽に振動を当て、尊は雫の口に入れて、振動を起こす。昨日とは違う形ソレは、卵型の淫具だと分かる雫。

「やぁ!お願い!止めて!」
「直ぐに気持ち良くさせてやるさ」

 とろとろと、蜜が雫から出ると、奥に押し込まれ、尊も後ろの孔にソレを埋め込む。ピンクローター等知らない雫は、淫具等の種類等知る由もない。

「あと、10分で開場だな………それ迄雫に楽しませてもらおうか」
「嫌ぁ!離して下さい!尊さん!」
「そのお願いは聞けないな」

 弥が時間を確認し、それ迄は乱れる雫を堪能しようというのだろう。すんなり受け入れてしまった程、相手が弥と尊の手になれば、雫は懐柔されてしまうように、一晩でされてしまったようだ。
 太腿には、雫から溢れ出る蜜が、ストッキング迄濡らし、ドレスを汚すと思うと、更に溢れ出してしまう蜜の雫の秘所。
 振動も強弱を弥と尊はズラしなかなかイク機会さえも与えない、もどかしさだけを残し、2人が振動を止めた。

「時間だ、タオルを持って来るから、尊……雫を離すなよ」
「あぁ」
「な…………で………こんな……事……」
「言ったろ?楽しむ為だ、て」

 バスルームからタオルを持って来た弥によって、溢れ出した蜜を拭き取られ、下着を履かせ直させられた雫。

「俺達のでスイッチ入れるからな………せいぜい、不快な気分にさせるなよ、雫」
「不快な気分……だけですよね?」
「「…………さぁな」」

 2人同時に発した言葉は、雫に悪寒を走らせた。
 宴会会場に、雫を挟み、弥と尊のエスコートで到着すると、受付を済まし会場入口入るとざわめきが起きる。皇家の次期当主が連れている女は誰か、と端々から聞こえ、女達から、雫目掛けて嫉妬の雨が降り注ぐ。

「皇家の………本日は、女性同伴とは珍しいですな」
「…………えぇ、やっと口説き落とした令嬢でしてね……」

 弥と尊は、腕に絡まれた雫の手の甲にキスを同時に落とした。弥や尊はこういう社交的な場は慣れているだろうが、雫はそうではない。祖父に友人から招待でない限り、パーティーへの参加は許されていなかった。

「お見掛けした事のない令嬢ですが、どちらの方で?」
「……使ですよ………」

 これ以上、詮索するな、と言わんばかりに、相手を睨む弥と尊。使と紹介された人物や、それを聞いた財閥の招待客は、一層ザワ付いた。

「こ、これはこれは………皇家も次期当主の時代は安泰ですな!」
「天使家の令嬢………」
「何?誰なの?」

 知っている者は知る天使家。皇家に伝わる言い伝えで、天使家から嫁を取れば繁栄を齎す、と言われており、古くからある財閥は、天使家の意味を知るのだが、1代、2代で築いたばかりの金持ちに天使家の意味合いを知る者等居なかった。特に、皇家への確約が欲しくて下心丸出しの、若輩企業の令嬢達には、その意味さえ分からない。

「天使家を知らない企業等、まだ居るのだな」
「天使家あっての皇家なのにな……」

 この日、雫が招待された、友人の藤宮多香子の家も、若輩企業である事を思い出す雫。雫の天使家は皇家とは格が違えど、同じぐらいの世代繁栄を続けてきた、由緒ある家柄だった。古くから、皇家では天使家の令嬢を妻に迎えると、皇家も更なる発展をした経緯があり、今でも娘が産まれれば必ず娶る風習があった。雫の父は、女の姉や妹が居らず、先代は皇家からは嫁げてはいない。そして、天使家は皇家の恩恵を受け、また発展を続けてこれたのだ。それを知らない若い企業も増えてきたのは、先代と先々代が天使家に娘が産まれなかったからだという事だろう。
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