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おまけ♡
しおりを挟むおまけ1
社長室で翡翠がXmasに出す新作のデザインを考えている。
「ねぇ、ノエルの初恋、ていつ?」
何かヒントとなるようなエピソードが欲しい翡翠。
バーカウンターで、ミネラルウォーターを飲んでいたノエルに聞いていた。
「…………7歳。」
「……………じゃ、ファーストキスは?」
「7歳。」
「…………どんな子だった?」
「…………鈍くて、天然で、泣き虫、今は大人になったから付け加えて、笑うと可愛くて、フェロモンだだ漏れセクシーボディ、あとエロい。」
「…………今も会ってるの?」
「うん。」
仕事の用事で社長室に来ていた、秘書の秋田は……。
(…………社長しか思いつかないんだけど……。)
チラッと翡翠を見ると、ムカムカと嫉妬に駆られたような顔をしていた……。
おまけ2
翡翠が社長室で、デザインを書いている。
※おまけ1の時のデザインの物
X'masの新作指輪だ。
X'masの為に、特別な物にしたいから力が入る。
(そう言えば、黒いドレス着て接待に言った時、誰かが、黒い蝶だ、て言ってたなぁ………
。)
ササッと、蝶の絵を描くと、どんどんイメージが湧いてくる翡翠。
(羽の柄は色入れずに穴を空けて………何処かは石入れたいなぁ……目にしちゃうと小さくなるし……。)
急に翡翠が静かになったので、ノエルが近くに来て、デザインを見ている。
「羽の1カ所に石入れたら?人差し指用?中指にしたら?もう少し大きくして、さ。………て、デザインなんてよく分からない俺が言うのも何なんだが。」
「………………あっ、それ良いかも。」
再び、デザインを描く翡翠。
そして、もう一つ指輪のデザイン。
そっちは蜘蛛の巣の様な柄で、蝶の指輪とチェーンで繋ぐ。
中指と薬指用の指輪。
蜘蛛の巣に捕まった蝶のようだった。
「ありがとう、ノエル。いい物作れそう。」
「………何で蜘蛛?」
「…………言わない。」
「何で?」
「…………恥ずかしいし、ノエル怒るから、多分。」
「言わない方が怒ると思うが?」
「……………蝶が私。蜘蛛は………………ノエル。」
蜘蛛に囚われた蝶なのか、蝶に魅了された蜘蛛なのか………。
それは翡翠のみが知る……。
照れながら、ノエルに背を向けた翡翠。
(……………お、押し倒したい!!)
夜まで我慢です!!
おまけ3
その日の業務が終わり、ノエルと夕飯の準備していた翡翠。
業務中の嫉妬はどこへ………?
「なぁ、俺だけ初恋の話聞くのズルくない?」
「え?別に大した初恋じゃなかったし、私のはいいじゃない?」
「……………じゃ、初恋は?」
「小3かなぁ、クラスメイトの子。」
ムカ!
「……………ファーストキス。」
「高1。」
ムカムカ!
「……………初体験。」
「……………高2だったかなぁ、ファーストキスの相手。」
ムカムカムカ!
(覚えてないのがムカつく!!!)
ズカズカとキッチンに立つ翡翠を抱き上げ、ベッドに直行したノエルでした。
おまけ4
店舗に居たノエルの首筋にキスマークらしき痕を見たスタッフ。
(……………社長、ラブラブですね、ノエルさんと。)
スタッフにキスマーク付いてますよ、とスタッフは自分の首筋にチョンチョン、とヒントを出す。
ノエルをチラチラ……。
「私……………付けてない……………。何あれ!!!」
店舗に翡翠の姿を見たノエルはウィンクの合図。
無視した翡翠。
(あれ?どした?)
横には青褪めたスタッフが、ノエルの首筋のキスマークが付いてますよ、のジェスチャー。
「!!!」
化粧室に駆け込み確認したノエル。
(昨日、デニスと酒飲んで雑魚寝した!!!デニス~~~!!!どうしてくれる!!!)
デニスが寝ぼけて、フィアンセのジェニーとの夢を見ていたらしい。
その後、翡翠の前でデニスに平謝りさせたノエルでした。
おまけ5
ノエルとデニスは酒をマンションで飲んでいた。
『ジェニーはホント可愛いんだよぉ……。』
『翡翠も可愛いぞ。』
彼女自慢ですね。
『お前はいいよな、彼女が今側に居るし、ボディガードだし。俺は今遠く離れたイギリスと日本!』
『……………俺はお前のが羨ましいが……。』
『何でだよ。』
『日本人の奥ゆかしさ?て言うのか、素直じゃないんだよ、身体に聞くと素直でエロくて可愛いんだが、口に出して言わないんだよな、ねだりたいけど照れが入って、嫌々、て言うんだよ、それをねだらせる時の苦労ったら……。』
『…………………楽しんでるよな、お前。』
『……………確かに…………こんなに楽しんでSEXするの久々かも……。』
『ジェニー!!!会いたいよ~!!!』
そして、おまけ4になる。
おまけ6
ウェディングドレスの試着に来ていたノエルと翡翠。
「翡翠には、ボディライン強調して、フェロモン増しまし、背中が開いてて、胸のラインが美しく見えて、Aラインの裾のドレスがいい!」
「……………ノエル、スタッフさんが困ってる。」
照れた顔で困惑したスタッフ一同。
試着したら試着したで、あれもこれも、と着せ替え人形の翡翠。
やっと終わったと思い、次はノエルのタキシードに、翡翠が注文。
「ノエルの金髪碧眼の瞳に合うような、モデルも逃げ出すぐらいのイケメンに!」
「翡翠、困ってる困ってる……。」
結果、バランスの良いので手を打ちました。
おまけ7
翡翠4歳、ノエル7歳。
ノエルの母ステラが、翡翠の可愛さを気に入ったのと、紫の美人な顔立ちに、ノエルの嫁を目論む。
『ねぇ、紫。翡翠をノエルのお嫁さんにしない?』
『ステラ、まだそんな気が早いわよ!』
『だって、将来美人になる要素あるんだもん、ノエルと翡翠の子なら、可愛いと思わない?』
『うっ!!………それは思うかも………。』
『…………ダメ!翡翠は翡翠が好きになった相手にしかあげない。』
『琥珀!!……………ノエル、翡翠がノエルを好きになるように頑張って!!』
そんな大人達の横で、楽しそうだな、としか見ていなかった翡翠は、ノエルと目が合い、ニッコリ笑った。
(…………可愛い……。)
ノエルはその瞬間、翡翠にキスをして、大人達の度肝を抜いたのであった。
おまけ8♡
結婚式を終え、軽井沢のホテルでブュッフェスタイルで披露宴をした、翡翠とノエル。
イギリスでも式を挙げる事になっている為、着ているドレスとタキシードは汚す訳にはいかなかった。
そう、汚せない………。
無事に披露宴が済、泊まる部屋に戻った翡翠とノエル……。
ノエルはかなり我慢しておりました。
「……………ひ~す~い♡」
ビクッ
「……………な、何?わ、私シャワー浴びたいなぁ…………。」
「後でな。」
ノエルは翡翠の方に振り向く。
注:部屋に入って直ぐです。
「……………ん♡………ノ、ノエル…………待って!」
「…………待てる訳ないだろっ!!…………我慢の限界!!」
ノエルは翡翠の口の中の性感帯を一つ一つ確かめるように、ゆっくりとねっとりと甘くキスをする。
時には激しく、舌を吸い、唾液を絡めてくるノエル。
「はぁ♡…………ん、ノエルっ!」
「…………もう、エロいって!」
翡翠をエロくしているのはノエルだと、分って欲しい翡翠。
(…………これ以上、開発しないで欲しい。)
「ひ………すい……ドレス………はぁ………裾持って。」
ノエルの息遣いも荒くなる。
「…………す………そ?………ん…はぁん。」
ドレスの裾を持たされた翡翠は、
「……………もう………こうだから………。」
下着も濡れた状態に。
裾を捲った翡翠を見ようと、ノエルは跪いていた。
「………ふっ……………ホント、エロい。」
ストッキングを脱がせ、下着も脱がせるかと思った翡翠にノエルは下着の上から触れる。
「!!んっ…………はぁん………ノエルっ!」
「………ココも硬い……舐めて欲しい?翡翠。」
コリコリと下着の上から弄るノエルに、翡翠は………。
「……………な、舐めて…………くれるの?」
舐めて欲しいのに、そんな男心を擽るような台詞。
「!!!………………も~~っ!!反則!!」
翡翠はこうなる事を見越していたのか、履いていた下着は紐のタイプ。
それを見たノエルには、余計に脱がせる意欲が沸くようで、口で紐を解く。
「…………期待してたんだ、翡翠。」
「!!!……………うん。」
(……………やべっ!エロくし過ぎた、俺!!)
クチュクチュと音を立て、指は奥に一気に3本挿れたノエル。
舐めながら、
「今日は加減しないからな。」
「……………はぁぁぁぁっ!!……………も、好きにして…………くれて………いい…………からっ。」
プツン
理性切れました。
「翡翠、後ろむいて。」
「………後ろ?…………………あっああああ!!」
一気に最奥に侵るノエル。
「ドレス汚すなよ、またイギリスで着るんだから。」
腰を激しく動かし、翡翠の一番気持ちよくなる所を攻めてくるノエル。
「あっ、ダメ!ドレス脱ぐからっ……………イクッ!!………………んんんっ!!」
「………ひぃちゃん♡出すよ。」
「ああああああああっっ!!!」
翡翠の中でビクつきながら流れる、ノエルの熱。
「…………可愛い、翡翠。………1回抜くよ。このまま抱き上げてベッドに連れて行くと、ドレス汚しそうだから、自分のペースでベッド迄おいで。俺は先に待ってるから。……いい?ドレスは脱がずにベッドに来るんだよ?ここで脱いだら汚しそうだしね、翡翠から出たよだれで……。」
翡翠の、耳元で囁く意地悪な声。
まだ翡翠の体内に、ノエルからの熱がそのまま残っていて、動いたら垂れそう………。
「……………そんな!意地悪っ!!」
「待ってるよ♡」
ノエルは翡翠から出ると、サッサとベッドへ行ってしまった。
翡翠がその後ろ姿を睨み付けたのは言うまでもない。
何とか、ドレスの裾を持ち上げながら、ベッドに来れた翡翠。
その間も、秘所から漏れる体液に何度も悩まされた。
「…………脱いでいい?」
「いいけど、俺の上で脱いで。」
ノエルはベッドの上で、裸になりそそり立つモノと待っていた。
「……………ノエル、そんな意地悪だったっけ?」
「……………翡翠が可愛すぎるからいけない。」
「…………う~~~、可愛くないもん、私。」
ベッドの足元で、裾を持ち上げ、股からエロいニオイとエロい液を漏らして、ノエルを受け入れてる女が、可愛くない訳がない。
「…………いいからおいで。俺には可愛くて仕方ないんだから。」
照れながらおずおずと、翡翠はベッドに上がり、ノエルの足元に。
「…………いっぱい漏らしてる。…………俺のも出ちゃったね、翡翠。もっと見せて。」
「………………。」
恥ずかしそうに、ノエルの腰の辺りに来る翡翠。
翡翠の太ももの内側に伝う液を掬うノエル。
「エロい………そのままここに咥えてよ。俺のを。」
「…………ヤダ、恥ずかしいのに………。」
「前、やってくれたじゃん。上で上手にイケるでしょ?挿れたらここでドレス脱いでいいからさ。」
ノエルはどこまでも意地悪く、色っぽく翡翠に囁く。
「挿れてる時、何もしないでよ?脱げなくなるから。」
「……………脱いでるとこ見たいだけなんだけどな。」
「!!!…………んくっ!!」
下から、突き入るノエル。
逃げられないように、腰を支えられて翡翠の奥に。
「………さぁ、脱いで、翡翠。ドレス汚しちゃうよ?」
「……………………あぁぁぁぁぁぁっ!!」
一気に挿入った為に直ぐ絶頂に達してしまった翡翠。
「翡翠、イッちゃった?…………ほら、頑張って。」
ノエルは、翡翠の尖った秘所を撫で始める。
「!!!だめ!今……………イッて……………ん~~~~!!!」
「…………可愛いなぁ、翡翠、愛し過ぎて壊しそうだ……。」
「お願い!脱ぐからっ!!……………そ…………したら………好きにして…………いいからっ!!」
ドクン。
「あっあん!!」
「あ、出ちゃった。」
「……………………。」
ビクビクとノエルの上で軽く痙攣している翡翠は、力尽きてノエルの胸に倒れた。
「…………翡翠が可愛すぎるんだよっ!」
「……………ノエルのばかぁ………。脱ぐって言ったのに…………。」
はい、いつまでも仲良くね♡
おまけ9
結婚式後、イギリスに行く為、暫く来れないから、と奥多摩の家に来た2人。
翡翠が挨拶したいと言うので、やって来た。
翡翠が、岩に手を添える。
『まぁ、可愛い!!初めまして、翡翠。』
「……………。」
金髪のお姫様のような母と親しい女性、ステラに声を掛けられ、恥ずかしいからか、紫の後に隠れる翡翠。
その女性の横には、同じ金髪の男の子。
父親に連れて来られたのだろう、父親達は何やら話こんでいる。
「やぁ、ボク、ノエルだよ。」
「……………。」
「ごめんね、ノエル君、この子恥ずかしがりやさんで。」
「ううん、日本の女の子は恥ずかしがりやさん、てお父さん言ってたから。」
『ノエル、それお母さんに対する嫌味?』
ステラは聞き取りは出来るが、日本語を話すのは苦手らしい。
しかし、紫は英語も出来る為、ステラには英語で会話をし、母親同士意気投合していた。
『ねぇ、紫。ウチのノエルのお嫁に、翡翠くれない?貴女の娘だもん、絶対に美人になるわ!』
『ステラ、気が早いわよ~。』
『ノエル!翡翠を誘惑しなさい!』
『翡翠がノエル君を好きにならなきゃ、琥珀が許さないわよ。』
綺麗な翡翠の瞳のノエルを見ていた翡翠は、ニコニコと微笑んでいた。
(綺麗な目。)
(………か、可愛い。)
ノエルがそう思った時、父親達が紫達の所へ来た瞬間、ノエルは行動を起こす。
ノエルは翡翠の頭を鷲掴みし、キスをしたのだった。
「………………何、これ。」
岩から離れた翡翠。
ノエルが後ろから見守る。
振り向いた翡翠が言う。
「どうした?」
「…………香港で、お母さんが言ってたのホントだったんだ………。」
「何が?」
「小さい頃ノエルが私にキスしたの……。」
「!!!……………見たのか!」
急に顔を赤らめるノエル。
翡翠は肩を震わせて、クスクスと笑い始める。
「ははははははっ!!ノ、ノエル!可愛い!!」
「笑うな!!」
「………言ってくれたら良かったのに……ぷっ!……………ははは!」
笑いが堪えられない翡翠。
「………言える訳がないだろ、俺を忘れてたんだから。」
「…………ごめんね、覚えてなくて。」
翡翠は、ノエルに近付いて、頬に手を当てる。
「………翡翠が覚えてたら、どんな付き合い方してたのかな?」
ノエルは翡翠の腰に手を回す。
その時、翡翠は何やら思いつくのだが、ノエルに悟られないようにする。
「…………私、覚えてたら、付き合ってなかったかも。」
「え!!」
「…………ノエルと再会する迄に付き合ってきた人、自分が好きにならないと始まらない恋だったから、ぐいぐい来られたノエルにはなびかなかったかなぁ……。記憶に残ってたら、アレがトラウマになって好きにならなかったかも。」
「…………じゃ、俺を好きになったのいつ?」
「…………作業室でノエルがうたた寝してた日。寝顔が可愛くて…………はっ!」
それ迄、翡翠はノエルの事を何とも思ってなかった、という事。
ノエルは、翡翠への気持ちが盛り上がっていたのだが………。
「…………可愛い?………俺が?」
「………今はかっこいいと思ってるよ?でも好きになった顔は可愛いかったの。」
「ちょっと待て、あの日、て初めてSEXした日………。もし、あの直前に翡翠が自覚しなかったら……。」
「多分、拒んでたかも………………あはっ。」
嬉しいような悲しいような感覚のノエル。
「でもね、ノエル。好きだ、て気持ちが嬉しかったの。ぐいぐい来られる恋愛がずっと苦手だったのは、ノエルみたいに気持ちが私に伝わって来なかったからなんだな、て。今迄、好きになって告白した恋が多かったけど、それ以上積極的になれなかったから、結果的に振られてお終いだったんだ。………あ、でも、付き合う前に教えられてても、好きになったかどうか……。アレ見ちゃったら毛嫌いしたかも!」
「……………….。」
ショックを隠せないノエル。
言い過ぎたかな、と思った翡翠は薄情する。
「………嘘よ。ごめん、意地悪言っちゃった。好きになったのはあの日だけど、どんな形であれ、ノエルの事好きになるのは時間掛からなったと思う。私が覚えてたとしても………。」
「え?」
「ノエルも私を覚えててくれてありがとう、大好きよ、愛してるわノエル。」
翡翠が背伸びをして、自分からキスをした。
「昨日の意地悪のお返し。」
キスは何度と数えられないぐらいしてきたが、翡翠からしてきた事はほぼ無い。
呆然とするノエル。
「私、ノエルの外見のその瞳の色も好きだけど、包み込んでくれる包容力も、頭の回転の良さも、私に無い所を持っているノエルを尊敬してるの。どんな出会いだったとしても、恋をしたと思う。……でも、別れが来るのが一番怖かったから、面倒くさい事になった事もあったけど、それを私が諦める事をさせないで支えてくれてた事感謝してます。…………これからは、私がノエルを支えます、こんな私だけど、末永く宜しくお願いします。」
翡翠なりの愛の告白だった。
ノエルは、翡翠の前で涙を零す。
「…………あ、あれ。」
「…………はい。」
ハンカチを渡されたノエル。
「………もう、愛し過ぎて………。翡翠を啼かせるのは俺の特権なのに……。意外な所で男前なんだから、翡翠は………。」
「………お母さんがアレだしね。」
「確かに。………翡翠、抱き締めさせて。」
ノエルは両手を広げ待ち構える。
翡翠も応じ、ノエルの胸に委ねた。
「琥珀さん、翡翠を必ず幸せにします。大人になった俺達を見て欲しかった。貴方が望んだ結果じゃなかったかもしれない。貴方の弟がやって来た事は今でも許せないが、翡翠を守ってくれて、俺と再会させてくれてありがとうございます。これからは俺が翡翠を守ってみせます。」
「…………ノエル………ありがとう。」
おまけ10
イギリスに2人が住むようになって1年。
イギリスのNEO EARTHの店舗も起動に乗り、翡翠も毎日忙しくしていた。
ノエルもイギリスだけでなく、世界中飛び回る日々だった。
しかし、この日はイギリスに居たノエル。
『はぁはぁ……………。つ、着いた。』
走ったのか息切れをしているノエル。
息を整え、ノエルはとある建物の前に。
建物の中に入り、デニスの妻のジェニーに会ったノエル。
『ジェニー、連絡くれてありがとう、翡翠は?』
ジェニーは、デニスからプロポーズをOKしてから、NEO EARTHのファン熱が冷めやまず、ノエルと、NEO EARTHのオーナーの翡翠が結婚し、イギリスで店舗を出すと聞いた途端、勤めていた会社を辞め、翡翠の仕事を手伝うようになった。今はイギリスの店舗の店長になっている。
『ノエル、今翡翠は分娩室に入ったわ。』
『そうか、後ははいいよ、店で仕事あるだろ?』
『えぇ、仕事は残ってるけど、翡翠が心配だから、後でまた連絡してね、きっとよ。』
『分かったよ。』
ノエルが病室で待っていると、ステラもやって来た。
『翡翠は?まだ?』
『………連絡来て、俺が着いてから30分ぐらいかな。朝は陣痛来てなかったから、仕事行ったんだけど、そんなに急に来るものなのか?』
『人に寄るわよ。私がノエル妊娠してた時だって、翡翠の悪阻と違いもあったんだから。……日本に連絡した?』
『あ、まだだった。』
『…………抜けてるわね、忘れちゃ駄目じゃない、紫だって楽しみにしてるのよ?』
『予定日は伝えてあるし、こっちに来る予定は経ててる、て言ってたけど、急には変えて来れないよな、きっと。』
スマートフォンの電話帳を出したが、時差があるので、メールを入れるノエル。
『………そうね………。まぁ、とりあえず入院に、必要になるものだけは持ってきといたから、待ちましょ。』
2時間後、紫から連絡が入るノエル。
「もしもし、お義母さん?」
【メール見たわ、翡翠産気づいた、て?】
「えぇ、産まれたらまた連絡入れる予定でいましたが、まだ産まれてなくて。」
【ステラが居るし、心配してないけど、チケット取れ次第、イギリスに行くわね。………お父様達もイギリス行く、てウダウダ言ってたから、予定してた日に耀に付き添い頼んでおくわ、皆来ちゃうと騒がしくなっちゃうけど………。ひ孫に会いたくて仕方ないみたい。】
「翡翠も喜ぶと思いますよ。」
♫♫♫
病室の電話が鳴るので、ステラが出た。
『はい。』
【産まれました。分娩室で会われますか?】
「お義母さん、産まれたそうなんで、翡翠に会ってきます。」
電話先の紫に産まれた事を伝え、それを聞いていたステラは、
『はい、今行きます。』
代わりに答えた。
電話を切ったノエルは、勇み足で翡翠に会いに行く。
「………翡翠。」
「…………ノエル……仕事中なのに来てくれたんだ……。」
「当たり前だろ?…………お疲れ様、翡翠。」
ノエルは翡翠のおでこにキスをする。
『抱っこされます?可愛い女の子ですよ。』
『………はい………こ、怖っ!』
恐る恐る、新しい命を抱くノエル。
娘はノエルに似た髪色の金髪の子。
小さい手を握るノエルは、涙を零す。
『翡翠………ありがとう……。親バカになりそうだ。』
そのノエルの顔を見た翡翠もまた涙を零す。
『涙脆くなってない?ノエル。』
『…………う、うるさい。』
『ふふふ…………。頑張らないとね、パパ。』
ノエルは真っ赤になって照れていた。
ノエル達は娘にアレキサンドラと名付けた。
アレキサンドライトのような、瞳の色が光によって変わるのが分かり、瞳に因んだ名前にした。
『サンドラには、能力が宿るかな……。』
ベビーベットに寝ている娘の髪を撫でながら、翡翠は言う。
ノエルがベットを挟む位置に居て、翡翠に返す。
『宿ったとしても、俺達が守ればいい。踏み間違いのないように、真っ直ぐにこの子が行きたい道に誘導するんだ。翡翠が教えられたようにね。』
『そうね、宿ってなくても同じよね、私達の子だもの。』
『そうさ………後はサンドラに変な虫が付かないようにしなきゃ……。』
『…………私が、ノエルという蜘蛛に引っかかったように、この子が捕まらないように?…………もしかしたら逆かもよ?』
クスクスと笑いながら、翡翠は蝶と蜘蛛の指輪をノエルに見せた。
そう、翡翠がデザインした指輪だ。
『………俺が、蝶に魅了されたんだよ…………もう分かってるだろ?』
『うん。…………照れた顔、可愛い、ノエル。』
『…………。』
惚れた弱み、ですね。
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