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警報

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数回目かの確認と休憩……。

「このシーン凄いですよね、色っぽいし、奪い合い!て感じ。」
「…………ネックレス切れなくて良かったわ。」
 「確かにそうですね……。」

 はしゃぎ過ぎたと気が付いたのと、翡翠が嫉妬丸出しだったのが分かったから、小林はテンションを下げる。
 知らぬはモデル達。

『まだやるの?何なら私達のどっちかに乗り換えない?』
『そうよ、可愛げない女なんて捨てちゃえば?』
『そんな事言ったら、NEO EARTHから仕事貰えなくなるよ?君達。いいの?綺麗だよな、その新作。強請ったら貰えたりするかもよ?』
『…………うっ!』
『俺達、本業モデルじゃないから、業界の常識分かんないけど、スポンサーや撮影の媒体、て大事じゃない?因みに、俺達が着けてるもの、全て俺達が貰う事決まってるんだよね。ギャラの一部。でも君達のはどうかなぁ……。』

 ノエルは、翡翠へ攻撃する相手にはとことん冷たい。

(翡翠と話したいなぁ………。)

 話せる状況ならね……。
 と、翡翠の機嫌の悪さを感じ取った人ならば、そう思うであろう。


 撮影も無事終わり、ノエルとデニス、女性モデル達のジュエリーを小林に回収された。
 クリーニングするから、との事らしい。
 女性モデル達はネックレスが欲しいと、小林に強請ったが、商品なので、と案の定断られた。
 翡翠はまだカメラマンや酒井と話ている。
 メイクを落としたノエル達はボディーガードも兼ねている為、翡翠を待っていた。
 すると、小林から、まだこの後掲載する写真を選ぶから解散、と言われたのだ。

(失敗したかな……。)
『どうする?マンション帰って飲むか?』
 『デニスは先、帰っててくれ。』

 小林に終わる迄待つと伝え、半ば強引に翡翠に付いていた。
 だが、視線に入っては邪魔になると思ったノエルは外で待つ。
 いくら、逆ナンされようが、それに応える事なく待ち続けたノエル。


 翡翠の仕事が終わり、ノエルが声を掛ける。
『はい、翡翠。』

 日本語ではない、英語だ。

『………………帰っていい、て言わなかった?』

 英語で返す翡翠。

『待ってたよ。………待っててほしくなかったんだろ?でも待ちたかったんだ。で帰れ、て言われてても、翡翠と居たい。』

 ポロポロと涙を流し始めた翡翠。

『……………ノエル………。』

 自分の手で涙を、拭う翡翠。

『…………ん?』
『…………ノエル……。』
『おいで、翡翠。』

 両手を広げて待ち構えるノエル。

『………ノエル………。』

 トボトボと、ノエルに歩み寄る翡翠はノエルに抱き着いた。

『…………ノエルが好きなの。他の女に靡かないで……。』
『……………うん、俺は翡翠の側に居るよ?』

 ノエルが初めて聞く翡翠からの告白。
 ずっと聞きたかった。
 翡翠と一緒に居た小林は、邪魔しないよう、そそくさと離れて行った。
 

 直ぐに抱き合いたかった2人は、タクシーを拾い、翡翠の住むビルに。
 社長室に入った、階段からは防犯カメラは付けていない。
 それからは、ノエルの思うがままだ。
 しかし…………翡翠は拒む。

「他の女のニオイ落として!」

 そりゃそうだ。

 「一緒に入ろうか?」
「嫌!」

 即答。

(…………つ、冷たい。)
「入ってきて!」

 バスルームに押し込まれたノエル。

(しっかり落とすか……。)

 暫くすると、脱衣場から翡翠の声。

「私も入りたいから、洗ったら出てね。」

 と、バタンとドアを締められた。

「?」

 バスタオル1枚だけ腰に巻き、出て来たノエル。

「ハイ、俺のお姫様。出て来たよ?」

 と、キッチンで水を飲んでいた翡翠に後ろから声を掛けた。

「………………こっちに来てくれる?」
「?」

 着いて行ったのはベットルーム。

(翡翠も、シャワー浴びる、て言ってたよな?)
「………ノエル、手を出して?」
「手?」

 素直に差し出すノエル。
 すると、

「ベットで待っててくれる?」

 両手をバスローブの紐でキツく結ばれ、ベットの柵に括り付けたのだ。

「………………!!!翡翠~!!!」
「………私だってお仕置きしたいもん。」

 翡翠なりのお預け。
 ポツン、とバスタオル1枚腰に巻いた情けないなりの、金髪碧眼のイケメンのノエルと、 バスタオルからそそり立つイケメンが寂しく待つのであった。

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