16 / 29
15 ♡
しおりを挟むリアナがグリードに揺さぶられながら、この激しさを阻止しようと、リアナはグリードの手を掴む。
「奥っ………もう……無理ぃっ!」
「まだだ………っ!」
最奥に到達している筈だった。
だが、グリードはリアナの子宮口を抉る様にガツガツと向かって、腰を持っている。
夢の中なのに、やけに現実的な快感に、実際に現実でまぐわっているのではないか、とさえリアナは思えて仕方ない。
「リリ………しっかり……腹に注ぐ為だ………覚えろ……」
「ゔっあぁぁぁっ………ひっぅ、んっあぁ……」
グリードの雄を必死に受け取るのにも限界に近いリアナは、目から涙を溢し、だらしなく口を開いて喘ぐだけ。
掴んでいた腕も、力無く落ちる迄、大した時間は掛からなかった。
「膣内に射精すぞ!」
「ッっ………んっ………ふっ……っ!……ぁ……あぁぁぁっ!」
ドクッ、と熱を感じた瞬間、リアナはグリードの杭を締め付けてしまったが、それは無意識だ。
全身に包み込まれた感覚を、リアナは受け取っていく。
「リリ………リリッ……愛い………私の番い……」
背中に回された逞しい腕がリアナを抱き、リップ音と柔らかい唇が、リアナの唇を塞いだ。
「んっ………ん……」
「愛しきリリ………」
「…………グ……リード……」
力を振り絞り、リアナはグリードに手を伸ばし、疲れた顔で何とか笑みを見せると、グリードはリアナの手の甲にもキスを仕掛けた。
ねっとりとした舌が這うが、その顔は色気を出し、リアナはビクン、と下腹部が疼く。
「っ!………まだ欲しいか?」
「…………っ……そ、そんな………わ、分からない……」
「無意識に煽るのは、罪だと知れ、リリ………10年会えなかった募ったこの想いは、到底消えぬ熱なんだ…………現実世界で、抱けぬこの熱を治める為に、私も現実では自分で慰めるぐらいなんだぞ?」
「そ、そんな事言われても………」
「リリも、朝起きたら思い知るんだ………脳内で充実した時間で幸せかもしれんが、身体は疼くままな事をな………ククッ……」
グリードにそう言われても、実感が沸かないリアナ。
今夢の中で幸せを感じるだけで、精一杯何とか理性を保とうとしているのに、想像させられる現実が来るというのも俄に信じ難い。
「い、いつまでこんな事が続くの?」
「……………リリが、私に会いたい、と思う迄………」
「現実で?」
「そうだ…………だから、それ迄毎夜夢で封印解呪の準備に勤しもう………」
「ッあっ………ま、ま………」
「欲しくなったのであろう?…………まだ夢から覚めるのは早いぞ」
また、先程の様な激しく求められそうな律動が再開する。
夢だから痛みは無いにしても、疲労感は起きたらありそうで、今迄の比では無い気がしてならない。
「ひぃうっ!あ……あっ、あんっ………」
「愛い声だ………早く現実で聞きたいものだな………」
✦ ✦ ✦
「……………う、動けない……」
翌朝、夢で幸せな時間の代償が身体に来たリアナ。
それがまた愛撫だけの夢の中とは違い、充実感に満ちた朝だった。
「夢だからって、ヤリ過ぎじゃ………き、筋肉痛が…………ゔっ……薬飲もうかしら………」
やっとの所で、身体を起こし、ベッドから出ると案の定、足から崩れて床に座り込んだ。
「っ!…………う、恨むっ!今日も隣街に行かなきゃならないのに!」
でも、心はほわほわと温かさに包まれている。
下腹部の疼きとは真逆で。
「……………言っていた事が分かったわ……疼きは続くのね………」
朝からボヤキ、愚痴り、恨み、でも心は充実感に溢れてリアナの感情は忙しかった。
冷静さを保とうと、身を引き締めて家を出たが、ふと気を抜くとほわほわとした思いに耽ってしまい、勘が鈍ってしまう。
乗り合い馬車の場所に着く迄、何度も男達には声を掛けられて、その都度断りの言葉を返すものの、いつものリアナでは考えられない回数だった。
「カーターさん、今日もお願いします」
「やぁ、おはようリアナ」
行商人のカーターに声を掛け、リアナは荷馬車に乗り込む。
この日は利用する者が多い様で、詰めて座ってやっと全員が座れる程だ。
薬が潰れない様に、リアナは胸に抱え座り、ふぅ、と深い深呼吸をすると、リアナの近くに陣取った男達がざわめいた。
男達の傍に座りたくなかったリアナだが、乗り合い馬車は、文句が言えないのでいつも我慢しているリアナなのだが、男達の色めき立つこのざわつきに、リアナは降りようかと悩んだ。
---また魔法が出たら、如何しよう………降りようかしら……身体はキツイけど仕方ないよね………
「リ、リアナ………あ、あのさ………今日、何かいつもと違う………よな?」
「…………違わない……けど………」
「ち、違うよ!何が違うか、て説明出来ないけど………」
「そ、そうだよな………いつもと違う……」
「何が違うのか説明してよ」
「説明出来ないんだって!」
「そうそう………何か……なぁ………」
「なぁ……」
歯切れの悪い男達は暫くすると、カーターに降ろしてくれ、と頼み、独身男達は全員降りてしまった。
おかげで座る範囲に余裕は出来たが、不思議そうに残った者達が、降りた男達を見ていた。
トボトボと歩き出した男達は、どういう事か沈んだ表情で、村へ帰って行く。
「あいつ等、街に用事があって乗ったんじゃないんかな?」
「リアナ目当てじゃないのかい?乗る前はリアナの周りに座りたいって、言い争ってたじゃないか」
「何にしても、快適に座れるんだ、感謝だな」
「俺も、金は貰ったままで得したよ」
それぞれの言い分は分からないでもないが、降りた事が不思議だったリアナは、ただ男達に目線を外せなかった。
15
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません

皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる