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「ッあ……あっ、あぁ、や………やぁ……」

 リアナが家に帰り、就寝した直後。知らない部屋、知らないベッドの上、そしてグリードがリアナが横たわる隣に座り、胸の愛撫を始めていた。
 リアナは、夢にまたグリードが来たら、絶対に言おうと決めていたのに、リアナが夢の世界に来るなり、全裸で手首はベッドに固定され縛られていたのだ。
 昨夜もいきなり全裸で始まって、今日もいきなり全裸という辱めで始まってしまった。

「今日は胸で果てるのを見させて貰うよ、リアナ」
「い、一体………貴方は…………誰なの!」
「覚えが悪い女じゃなかった筈だが?」
「つ、番いって………本気で………」
「……………情報を教えるのは簡単なんだ………捻じ曲げて言われるより、自分の目で確かめるのが、其方の性格だったじゃないか」
「っ!」

 リアナは昔から自分の目で確かめないと、信用しない性格だ。
 グリードが幼少期のリアナを知っているならば、グリードの視点で言われるより、封印を解かれて思い出した方が良い、とリアナも分かっている。
 それでも、この行為は許せないのだ。
 例え必要だ、と言われても。

「こ、こんな行為で………記憶戻る訳無いっ!」
「じゃあ、手っ取り早く現実で、私と会い封印を解いたって良いんだ………まぐわう事は決まっているけどね」
「…………し、しないと……本当に……封印が解けないの?」
「そう言っている………そして、リアナの魔力も解放され、本来の魔力を使えるよ………不便無く生活出来ている様だが、持て余す魔力を私と共に有意義に使える場所で発揮出来る様になる」

 グリードに両胸を真面目な顔して揉みしだかれて、リアナの甘い声が部屋中に熱気と共に木霊する。

「その………場所って………」
「それも封印が解けたら分かるさ………ところで………其方は随分と男達の目を引くのだな……」
「…………え?」

 グリードに言われた言葉の意味が分からないリアナ。
 リアナの日常をグリードが見ていた訳でもないし、グリードと現実世界で会ったのは昨日の昼間だ。

「不思議そうな顔をしているな………何故、其方の身体に封印を施されているのかを説明しよう」

 そう、グリードは言うと、リアナの胸から手を放し、何かの道具を取り出した。
 棒の様だが、歪な形をした道具だ。

「…………私の魔力は増大でね……幼い時に、同等の魔力を持つ者か、治癒能力に長けた者を番いにする事に決まっていた……そこで白羽の矢が当たったのはリリアーナ……其方だ………私の番いになった其方は、教育を受け、時期を見て記憶を封印したのだ………其方の人生は私と共にあり、其方もそれを了承した………例え、記憶を封印している間、私は其方と会えなくとも、封印を解呪した後を考えれば我慢が出来た」
「…………そ、それが10年……?」
「そうだ…………その時期がもう来る………私の魔力の暴走を抑える為の10年だった……やっと迎えに来れたのだ」

 グリードがリアナに語る目は優しい眼差しだ。
 その瞳の中は熱の篭った、灰色に近い青さで、吸い込まれそうだった。
 それが何故か懐かしい。

「っ!」
「其方の身体には私の魔力が込められている。その魔力を其方の魔力が暴走を抑えてくれているのだ…………だから、リリアーナの魔力はそれに集中し、魔法は使えないと思うのだが?」
「あ………」
「少しずつ解放し、封印を解かねば、魔力が暴走してしまうのだ………番いの役割りは幼き時から決まっている」
「……………な、何を………」
「最終的に、現実世界で契りを交わさねばならない………契りとはまぐわい………私の精液を其方に流し、封印を解呪して、私の魔力は完成系になる」

 グリードが持つ歪な棒が、リアナの秘唇を割る。

「昨夜、指を挿入ても痛みは無かった筈。少し太くなるが、直ぐに悦び悶える筈だ」

 ぐぷぷ、と差し込まれた道具。
 リアナの秘部は、昨夜一晩で濡れやすくなってしまったのだろうか。
 まだ胸しか触られていなかった筈で、昨夜の一晩中、只管グリードは陰核だけを触っていただけだ。
 それでも朝の気怠さはしっかり感じていたので、夢とは俄に信じる事は出来なかったが、これも夢だから、もう濡れてしまっているのだろうか。

「っあぁぁぁっ!………な、何!これっ………や、やだぁ!抜いて!」
「今夜はこの魔具で、酔えば良い………陰核も吸われて気持ちが良いだろう?」

 道具が魔力を帯び、振動がする。
 グリードの指とは違う動きで、リアナは思わず腰をガクガクと揺れるのも我慢が出来なくなっていく。

「この乱れっぷりを早く現実で見たいものだな………そして、私を味わって欲しい」
「っあぁ、あっ、んふっ………ゔっぁ、あ……」

 聞きたい事が山程ある。1日に聞き出せる事が少な過ぎて、効率悪い方法でしか、リアナは自分の事やグリードの事を知れないのだろうか。
 夢の中で何度も絶頂を迎え、朝起きると疲労感しか無いのなら、現実でまぐあわなくても良い、と思えてしまう。

「こうしなければ、リアナが1人の時、守る物が無い………私以外の男が、其方に触れるのは許せぬ………リリアーナ………其方は私の番いなのだから……」

 夢なのに、意識が遠退く。
 耳元で優しく、しかし自分以外の男を牽制する様な言葉が、リアナの脳内に響いた時、リアナは朝を迎えた。
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