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 夢心地の様な時間だった森の中で起きた事を反芻しながら、リアナは眠る為にベッドへと入った。

 ---目の前で消えた人……夢で会いに行く、てどうやって?

 理解に苦しむ程の事が起きたのだから、森での事が夢だったのか現実なのかさえ、リアナには分からない事となっている。
 うつらうつらと、疲れた身体を休める為、目を瞑り、深い眠りに着こうと、普段の眠る姿勢になり、寝息を掻き始めた時だった。
 
「っ!」

 ふと、気が付くと視界は遮られ、手首は縛られた状態で、背中は何かに凭れ掛かっているのに違和感しか無かった。

「…………やぁ……リリアーナ………あ……リアナだったな………」

 背後から耳元に息が掛かり、身体が震えたリアナ。

「だ、誰っ!施錠はしていたわ!」
「昼間、会ったのに忘れたのか?リアナ」
「っ!…………あ、貴方は………グリード!」
「正解…………封印を解く為の準備をしに来たよ、リアナ」
「い、嫌っ!私に触れないで!」

 しかし、リアナを背中から抱き締める様に、抱えられた身体は何故か自由というものを拒まれた様だったのだ。
 身体に触れる空気は澄んでいて、澱み無い心地良さのある空間に思えた。
 何処か懐かしい様な気もしたリアナだったが、足は何かに掛けられていて、開いていたのに気付いてしまった。

 ---背中からの声と、硬い何かに足が掛けられてて…………こ、腰にはまた硬い何か…………

「触れないで、と言われてもコレは夢だし、傍に居なければ準備は出来ないんでね………了承したのはリアナ本人なんだ………今更拒絶は許せないんだが?」

 だが、触れる事は許可した覚えはないリアナ。
 抵抗しようとした瞬間、グリードの手がリアナの下腹部に移動した。

「っ!………い、嫌っ!」
「準備する、と了承したのはリアナだ…………そのまま、私に委ねておけば良い………無理強いはしないし、これは夢だ」

 夢だと聞かされていても、触れられた感触は現実味を帯びていて、抱き締められているのだと分かるのだ。

「ほ、本当に夢だという証拠は!」
「証拠?…………起きたら分かる………現実にリアナが居る場所はリアナの家でリアナのベッドの上、そして今リアナが見ている夢だ………だが、私の見る世界は、私の空間で、私とリアナの思い出の場所」
「わ、訳が分からないわ!」
「夜が明けたら、納得する………起きたら、私はリアナの傍には居らず、1人で家に居るという現実が待っている………さぁ、お喋りは準備をしながらしよう………」

 グリードがそう述べると、視界が遮られたリアナに、下腹部を疼かせるかの如く、秘部に気配を感じた。

「っ!…………な、何!」
とは…………即ち、事さ………了承を得たのだから、遠慮はしない………夢の中で、私に存分に抱かれていれば良い…………現実は、まだで居るのだから安心していい」
「っ!」

 グリードが何を言っているのか理解出来ない。
 それなのに、割られた秘部に太く逞しい指がなぞられる。

「や…………やぁっ………止め………」
「了承した言音は取ってある………今更拒絶は許さない………………挿入りはしない…………」

 挿入らない、と言われても、リアナが全裸だったのも今知ったのだ。
 研ぎ澄まされた空気の中で、肌に触れるグリードの腕は素肌であり、背中に当たる感触は、逞しい胸板だ。
 例え、軽装な布らしき触れる感触があっても、リアナは異性とここ迄近くになった事は無かった。
 にゅる、にゅる、といつしか水音と共に、感覚は敏感になり、未経験なリアナには例え様にない程に悦楽の波に誘われられた。
 今更ながら、了承した事に後悔し、抵抗しようとしても、全身の力が入らず、脱力したままだった。

「今夜は陰核だけで気持ち良くなればいい………そのまま私に委ねていろ………」
「あ…………あっ……や、止め………」

 何故準備の為に、まぐわう事が必要なのかの説明もされぬまま、溢れ出てしまうリアナの蜜は、グリードの指を濡らし、誘いたくない場所にさえ、ヒクヒクと疼かせていた。

「本能のまま、任せていれば良い…………痛みは無い筈だ…………頭の中で悦びを覚えたら、身体も悦びを覚えていく…………さぁ………其方の果てて行く姿を見せてくれ………」
「じゅ、準備がこんな事だと分かっていたら………了承なんて…………しなかった!」
「フッ…………現実でまぐわう事が出来る迄の事だ…………それ迄は夢の中で我慢すると約束をしよう…………夢の中で例え、私が其方の中に挿入ろうとも、処女は処女のままだ。安心すると良い………リアナの許可無しに、現実でまぐわう事は無い、と約束する」

 そうだと、約束を結んだとしても、リアナには夢の中だと思えないぐらい感覚があるのだ。
 信用出来る筈もない。
 信用出来ないのに、身体は正直に悦楽に溺れて行ってしまう。

 ---わ、私の身体が………私の身体じゃないみたいに変えられて行く………

 拒み方も思い付かず、グリードの思いのまま、解された小さな陰核は、ピクピクと悶え、ジワジワと身体の奥から溢れた蜜を擦り付けられてしまった。

「コレだけでは、達しはしないだろうな………経験の無いリアナでは…………性感帯を夢の中で、昂ぶらせておけば、現実でのまぐわいは、本能のみで、私に縋るだろう…………思う存分、啼けば良いのだ………夢の中では邪魔する者も居ない」
「っ!…………ひぃっう………っ!」

 そう、言い残したグリードにより、割れ目から差し込まれて行く指で、陰核を外と中で刺激を残させられた。
 1度喘いだ声を止める術はリアナには無く、只管喘ぐしか出来ない。

「外と中…………挟まれては、果てやすくなるだろう?…………おかしくなるなら、それをそのまま受け入れていれば良い…………さぁ、リリアーナ………私の番いらしく、私の前で絶頂した姿を見せておくれ………」

 ふと、口ずさむグリードの言葉を、リアナは問い正す事も出来ず、ぐちゅぐちゅと鳴る秘めた場所から止められない声と共に果てるのは早かった。
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