41 / 53
部屋に帰る前に♡
40
しおりを挟む「う~ぅ………気持ち悪い……」
「はははっ………でも裏生地だけで済んで良かったじゃないか」
物置き小屋で1回済ました後、衣服を整えて、部屋へと戻っているミレーユとアスラン。新たに着いたうっ血痕が真新しく火照った身体を彩っていたミレーユは、普段はメイクでドレスからはみ出る痕だけは隠していた。だが、今はメイク等出来ず、隠す事は出来ない。
「あ!陛下!此方に居られましたか!至急ご確認頂きたい案件が!」
「…………何だ?」
「………陛下、私は先に部屋へ下がっておりますわ」
「すまないな、妃」
侍従の前でいつもの様に会話は出来ず、王族仕様に瞬時に戻る。そして、執務室に戻るアスランを見送ると、ミレーユは1人部屋へと向かった。
「リタ」
「!!」
そう呼ぶのはアスラン以外ライオネル、ヴァルム家の両親だけ。だが、呼ぶ声はライオネル。
「…………ライオネル様……如何されました?」
「…………随分と扇情的な痕だな……」
ライオネルが待ち伏せしていたのか、用意されていた客間とは離れた所から顔を覗かれる。そして、近付いて来る。
「何の事でしょうか?」
「先程はこの痕は無かった……夫婦となる寝室以外で房事をするとは、乱れた性生活なのだな」
「……………ライオネル様には関係無い事でございます……これ以上、お近付きになられぬ様、お願いしたいですわ」
ミレーユは、手を前に翳し牽制するが、ライオネルの方が手が長く、腰を抱き寄せられた。
「!!お止め下さい!!」
「…………お前に聞く……お前はアルジャーノンの者か?」
「………関係無い事でございます」
「お前の言葉の訛りがアルジャーノンだ……それぐらい分からないと思ったか?隠しきれていなかったな」
「だから?………グレイシャーランドとアルジャーノン、隣接する国同士………お互いの国民の行き来がございましょう?多少の訛りや発音は影響されますわ………私の出身地等、グレイシャーランドの王妃になる上で、支障があるとは思いません………むしろ、指摘して頂きましてありがとうございます……今後、気を付けて参りますわ」
「っ!」
ライオネルの手の甲を抓り、腕から逃れると、一目散で遠ざかるミレーユ。
「ミレーユ!!」
「……………私は貴方様の知るミレーユとは違いますし、人妻なので貴方様に靡く事はありません!!」
ライオネルから咄嗟に出たミレーユという名。思わず返事をしかかるミレーユだった。
だが、直ぐに制御すると、振り向きざまにミレーユが声を張り上げると、兵士達が駆け寄って来る。
「妃殿下!如何されました!!」
「アルジャーノン国王陛下がお部屋を迷われました…………ご案内して下さい」
「は、はい!」
ライオネルに睨みつけられる視線を背中で感じつつ、ミレーユは後ろを振り向く事は一切しなかった。
部屋に戻ると、直ぐに風呂場へと直行する。ドレスの上からであろうとも、ライオネルに触られた場所が気持ち悪くて仕方ないミレーユは、全身隈なく洗った。
「リタ………ごめん、急用で離れて………リタ……何かあったか?」
風呂場から大きなタオル1枚だけ、身体に巻き、疲れた顔で出てくると、その表情でアスランが察知する。
「…………アッシュ……続き……して?」
「………それはいいが…………続きは軽めでな………明日は疲れるだろうし」
「………うん……それでもいい………」
「分かった………魅惑的な姿のリタを断る俺ではないからな………」
ミレーユの表情が気にもなるが、アスランはミレーユの腕を取り、ベッドに押し倒す。
「タオルはそのままな………どうせまだ濡れる」
「…………っ!」
ゾクゾクする。
ミレーユが何かを隠しているのは気が付いた筈なのに、聞こうとして来ないアスランは、先程と同じ姿のまま、ミレーユの足を開き秘唇に顔を埋めた。撫でる様な舌で、秘唇を割り入れうねる様に蜜壺に入って来る。
「うあっ……また……急に……ソコから………?」
「疲れさせたくない」
結婚式から晩餐会と控え、その間は目まぐるしくなるだろう。それが分かるから控え目かつ手短に、という事は分かっていた。それでも、3回は付き合うのだが。
「あっ………んふっ……んんんっ!」
「イッたな………まだ前菜だ………次はスープあたり………かな………」
「…………はぁ……入れ……な………いの?」
「あぁ、まだ」
アスランは服を脱ぎ、ミレーユをくの字にさせると、杭を秘唇に当て、蕾に向かって擦り始めた。
「ひゃっ!」
「…………蜜がヌルヌルで………よく滑る……タオルあって良かったろ?溢れる蜜がミレーユに飛び散って掛かるし……」
タオルを巻いた状態のままの意味が分かった。蕾に当たる杭も気持ちいいのか、先走る汁もミレーユに垂れて来る。
「やぁっ………中………にぃ……」
「欲しい?」
蕾を擦られ過ぎて、頭かおかしくなりぐらいに下腹部が疼くミレーユは、アスランにお強請りしてしまった。
「欲しいっ………の………」
「……………愛い奴……」
「ぁ………入って………入って来るぅ………」
「乱れるリタは……本当に可愛いな………」
「気持ち……いぃ…………もっと……アッシュ……」
「あぁ、強請るだけ入っててやる………」
グスグスに溶かされ、甘い前夜の房事に、ミレーユはライオネルからされた事の上書きをアスランにしてもらい、幸せを噛み締めた。
「…………ところで……何があった?俺と別れた後に」
房事の後に、ミレーユが落ち着いた様子だったからか、アスランはやっともう1度、表情の変化の意味を聞いた。
「………ライオネル様から口説かれて………抱き締められそうに……腰と首筋触られたの……気持ち悪くて、声を張り上げたら兵士が来てくれて何とか逃げてこれたんだけど……」
「……………たく……懲りない奴だな………あいつは明後日に帰るが、なるべく1人になるなよ?」
「えぇ、分かってる………」
「……眠そうだな…………風呂に入って来るから、先に寝てろ」
夢の中に入って行くミレーユの髪を撫でて、アスランはベッドから出て行く。お休みのキスを落として。
0
お気に入りに追加
242
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性欲の強すぎるヤクザに捕まった話
古亜
恋愛
中堅企業の普通のOL、沢木梢(さわきこずえ)はある日突然現れたチンピラ3人に、兄貴と呼ばれる人物のもとへ拉致されてしまう。
どうやら商売女と間違えられたらしく、人違いだと主張するも、兄貴とか呼ばれた男は聞く耳を持たない。
「美味しいピザをすぐデリバリーできるのに、わざわざコンビニのピザ風の惣菜パンを食べる人います?」
「たまには惣菜パンも悪くねぇ」
……嘘でしょ。
2019/11/4 33話+2話で本編完結
2021/1/15 書籍出版されました
2021/1/22 続き頑張ります
半分くらいR18な話なので予告はしません。
強引な描写含むので苦手な方はブラウザバックしてください。だいたいタイトル通りな感じなので、少しでも思ってたのと違う、地雷と思ったら即回れ右でお願いします。
誤字脱字、文章わかりにくい等の指摘は有り難く受け取り修正しますが、思った通りじゃない生理的に無理といった内容については自衛に留め批判否定はご遠慮ください。泣きます。
当然の事ながら、この話はフィクションです。
【完結】Mにされた女はドS上司セックスに翻弄される
Lynx🐈⬛
恋愛
OLの小山内羽美は26歳の平凡な女だった。恋愛も多くはないが人並に経験を重ね、そろそろ落ち着きたいと思い始めた頃、支社から異動して来た森本律也と出会った。
律也は、支社での営業成績が良く、本社勤務に抜擢され係長として赴任して来た期待された逸材だった。そんな将来性のある律也を狙うOLは後を絶たない。羽美もその律也へ思いを寄せていたのだが………。
✱♡はHシーンです。
✱続編とは違いますが(主人公変わるので)、次回作にこの話のキャラ達を出す予定です。
✱これはシリーズ化してますが、他を読んでなくても分かる様には書いてあると思います。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R18】絶倫にイかされ逝きました
桜 ちひろ
恋愛
性欲と金銭的に満たされるからという理由で風俗店で働いていた。
いつもと変わらず仕事をこなすだけ。と思っていたが
巨根、絶倫、執着攻め気味なお客さんとのプレイに夢中になり、ぐずぐずにされてしまう。
隣の部屋にいるキャストにも聞こえるくらい喘ぎ、仕事を忘れてイきまくる。
1日貸切でプレイしたのにも関わらず、勤務外にも続きを求めてアフターまでセックスしまくるお話です。
巨根、絶倫、連続絶頂、潮吹き、カーセックス、中出しあり。
【R18】やがて犯される病
開き茄子(あきなす)
恋愛
『凌辱モノ』をテーマにした短編連作の男性向け18禁小説です。
女の子が男にレイプされたり凌辱されたりして可哀そうな目にあいます。
女の子側に救いのない話がメインとなるので、とにかく可哀そうでエロい話が好きな人向けです。
※ノクターンノベルスとpixivにも掲載しております。
内容に違いはありませんので、お好きなサイトでご覧下さい。
また、新シリーズとしてファンタジーものの長編小説(エロ)を企画中です。
更新準備が整いましたらこちらとTwitterでご報告させていただきます。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?
すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。
病院で診てくれた医師は幼馴染みだった!
「こんなにかわいくなって・・・。」
10年ぶりに再会した私たち。
お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。
かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」
幼馴染『千秋』。
通称『ちーちゃん』。
きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。
千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」
自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。
ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」
かざねは悩む。
かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?)
※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。
想像の中だけでお楽しみください。
※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。
すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる