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部屋に帰る前に♡

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「う~ぅ………気持ち悪い……」
「はははっ………でも裏生地だけで済んで良かったじゃないか」

 物置き小屋で1回済ました後、衣服を整えて、部屋へと戻っているミレーユとアスラン。新たに着いたうっ血痕が真新しく火照った身体を彩っていたミレーユは、普段はメイクでドレスからはみ出る痕だけは隠していた。だが、今はメイク等出来ず、隠す事は出来ない。

「あ!陛下!此方に居られましたか!至急ご確認頂きたい案件が!」
「…………何だ?」
「………陛下、私は先に部屋へ下がっておりますわ」
「すまないな、妃」

 侍従の前でいつもの様に会話は出来ず、に瞬時に戻る。そして、執務室に戻るアスランを見送ると、ミレーユは1人部屋へと向かった。

「リタ」
「!!」

 呼ぶのはアスラン以外ライオネル、ヴァルム家の両親だけ。だが、呼ぶ声はライオネル。

「…………ライオネル様……如何されました?」
「…………随分と扇情的な痕だな……」

 ライオネルが待ち伏せしていたのか、用意されていた客間とは離れた所から顔を覗かれる。そして、近付いて来る。

「何の事でしょうか?」
「先程はこの痕は無かった……夫婦となる寝室以外で房事をするとは、乱れた性生活なのだな」
「……………ライオネル様には関係無い事でございます……これ以上、お近付きになられぬ様、お願いしたいですわ」

 ミレーユは、手を前に翳し牽制するが、ライオネルの方が手が長く、腰を抱き寄せられた。

「!!お止め下さい!!」
「…………お前に聞く……お前はアルジャーノンの者か?」
「………関係無い事でございます」
「お前の言葉の訛りがアルジャーノンだ……それぐらい分からないと思ったか?隠しきれていなかったな」
「だから?………グレイシャーランドとアルジャーノン、隣接する国同士………お互いの国民の行き来がございましょう?多少の訛りや発音は影響されますわ………私の出身地等、グレイシャーランドの王妃になる上で、支障があるとは思いません………むしろ、指摘して頂きましてありがとうございます……今後、気を付けて参りますわ」
「っ!」

 ライオネルの手の甲を抓り、腕から逃れると、一目散で遠ざかるミレーユ。

!!」
「……………私は貴方様の知るミレーユとは違いますし、人妻なので貴方様に靡く事はありません!!」

 ライオネルから咄嗟に出たという名。思わず返事をしかかるミレーユだった。
 だが、直ぐに制御すると、振り向きざまにミレーユが声を張り上げると、兵士達が駆け寄って来る。

「妃殿下!如何されました!!」
「アルジャーノン国王陛下がお部屋を迷われました…………ご案内して下さい」
「は、はい!」

 ライオネルに睨みつけられる視線を背中で感じつつ、ミレーユは後ろを振り向く事は一切しなかった。
 部屋に戻ると、直ぐに風呂場へと直行する。ドレスの上からであろうとも、ライオネルに触られた場所が気持ち悪くて仕方ないミレーユは、全身隈なく洗った。

「リタ………ごめん、急用で離れて………リタ……何かあったか?」

 風呂場から大きなタオル1枚だけ、身体に巻き、疲れた顔で出てくると、その表情でアスランが察知する。

「…………アッシュ……続き……して?」
「………それはいいが…………続きは軽めでな………明日は疲れるだろうし」
「………うん……それでもいい………」
「分かった………魅惑的な姿のリタを断る俺ではないからな………」

 ミレーユの表情が気にもなるが、アスランはミレーユの腕を取り、ベッドに押し倒す。

「タオルはそのままな………どうせ濡れる」
「…………っ!」

 ゾクゾクする。
 ミレーユがを隠しているのは気が付いた筈なのに、聞こうとして来ないアスランは、先程と同じ姿のまま、ミレーユの足を開き秘唇に顔を埋めた。撫でる様な舌で、秘唇を割り入れうねる様に蜜壺に入って来る。

「うあっ……また……急に……から………?」
「疲れさせたくない」

 結婚式から晩餐会と控え、その間は目まぐるしくなるだろう。それが分かるから控え目かつ手短に、という事は分かっていた。それでも、3回は付き合うのだが。

「あっ………んふっ……んんんっ!」
「イッたな………まだ前菜だ………次はスープあたり………かな………」
「…………はぁ……入れ……な………いの?」
「あぁ、

 アスランは服を脱ぎ、ミレーユをくの字にさせると、杭を秘唇に当て、蕾に向かって擦り始めた。

「ひゃっ!」
「…………蜜がヌルヌルで………よく滑る……タオルあって良かったろ?溢れる蜜がミレーユに飛び散って掛かるし……」

 タオルを巻いた状態のままの意味が分かった。蕾に当たる杭も気持ちいいのか、先走る汁もミレーユに垂れて来る。

「やぁっ………中………にぃ……」
「欲しい?」

 蕾を擦られ過ぎて、頭かおかしくなりぐらいに下腹部が疼くミレーユは、アスランにお強請りしてしまった。

「欲しいっ………の………」
「……………愛い奴……」
「ぁ………入って………入って来るぅ………」
「乱れるリタは……本当に可愛いな………」
「気持ち……いぃ…………もっと……アッシュ……」
「あぁ、強請るだけ入っててやる………」

 グスグスに溶かされ、甘い前夜の房事に、ミレーユはライオネルからされた事の上書きをアスランにしてもらい、幸せを噛み締めた。

「…………ところで……何があった?俺と別れた後に」

 房事の後に、ミレーユが落ち着いた様子だったからか、アスランはやっともう1度、表情の変化の意味を聞いた。

「………ライオネル様から口説かれて………抱き締められそうに……腰と首筋触られたの……気持ち悪くて、声を張り上げたら兵士が来てくれて何とか逃げてこれたんだけど……」
「……………たく……懲りない奴だな………あいつは明後日に帰るが、なるべく1人になるなよ?」
「えぇ、分かってる………」
「……眠そうだな…………風呂に入って来るから、先に寝てろ」

 夢の中に入って行くミレーユの髪を撫でて、アスランはベッドから出て行く。お休みのキスを落として。

 
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