上 下
56 / 74

発表決めました

しおりを挟む

 ロベルト王の執務室に来た、ジュリアナとキール。

「キール迄一緒に来たのか。」

 ロベルト王が驚いている。

「キールにも聞いてもらおうと思って。」
「如何したんだ?ジュリアナ。」

 ジュリアナはアレクセイの問い掛けに、深呼吸してから答える。

「………お父様、私決心しました。シヴァ様との結婚。」
「…………アレクセイ、本当に良いんだな?覚悟は出来たか?」
「私の覚悟等、大した事ありませんよ。」
「………ジュリアナ、良いんだな?婚約を世間に 発表するぞ?」
「私は構いません。シヴァ様さえ良ければ、お話を進めて頂いて大丈夫です。」
「アレクセイ、シヴァ王子とカムラ国に報告を。」
「分かりました…………ジュリアナ、国民のほぼ全員が、先見の眼はジュリアナが持っていると信じている。その信用も無くなるだろう、そういう時は魔が入りやすい。ジュリアナも負の感情が湧く、その覚悟をしてもらいたい。」
「………僕は反対です、結婚なんて!姉様はあれだけ泣いて父上に縋ってたじゃないですか!何故心境が変わったんですか!」

 ロベルト王やアレクセイが了解を得る中、キールが知らなかったとはいえ、感情あらわにし怒る。

「キール、ありがとう、覚えてたのね。……でも変わったの、姉様が。………お兄様大丈夫です、私にはシヴァが居るから………。」

 手を組み祈るように胸の前に俯くジュリアナ。
 少女の顔ではもうない………1人の女性の顔。

「………アレクセイ……いつからジュリアナはこんな顔が出来るようになった?」
「………シヴァに聞いて貰えます?」
「キールも異論ないな?」
「姉様が幸せになるなら……。」
「では、カムラとシヴァにこの事を伝えます。」
「頼む。………ジュリアナ、今は魔が蔓延っている。決して1人で行動するなよ?」
「…………はい。お父様もお兄様も、キールもお気を付けて。」

 アレクセイは、ロベルト王の執務室を出ていった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

魔法使いと栗色の小鳥

宵川三澄
恋愛
セヴァレト王国の特別な人々、通称〝魔法使い〟。彼らはたいてい軍に所属し時に人の心を操り、そして、時に死に至らしめる――。人の心を垣間見ることが出来るほどの魔力を持った セヴァレト最高の〝魔法使い〟キースはいつも、とても、平凡な幸福を望んでいる。そんな彼がある日自分と同じくらいの魔力を持つ少女を拾う。

猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました

あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。 どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。

放浪の花嫁【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
ボルゾイ国は遊牧民族の集まった、砂漠とオアシスの国。 王都ボルテスには、自由を好む姫が居た。 赤茶の色の長いストレートの髪と深い緑の瞳で、ボルゾイの放浪の美姫と言われたアニース。 踊り子の母を持ち、第三王女として産まれたアニースは、自由を求め、王都を飛び出し旅に出る事が好きだった。 所在不明になるアニースは、旅をしては帰る為、いつしか『放浪姫』と言われるようになる。 だが、その理由は旅が好きだった訳ではなかった………。 ※【私は5歳で4人の許婚になりました】 【私が欲しいのはこの皇子!】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 のシリーズです。 ※一応、この話が最後ですが、話の流れ上【誰が叔父様の側室になるもんか!】より先に85話で終わります。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

婚約拒否のために私は引きこもりになる!

たろ
恋愛
『私の何がいけなかったのですか。』 シルヴィアは未来の夫に殺された。 …目を覚ますとシルヴィアは子供に戻っていて、将来自分は婚約者に殺される運命だと気づく。 自分が殺されるのもごめんだし、彼が罪びととなることにも耐えられない!!! …ならばまず婚約なんてしなければいいのでは???そう考えたシルヴィアは手段として引きこもり姫になることを選ぶ。 さて、上手くいくのだろうか。

【完結】魔女にされた女は復讐を誓う

Lynx🐈‍⬛
恋愛
街外れに薬師の女、フィーナがひっそりと住んでいた。フィーナの恋人、騎士団に所属する青年コーウェンとは結婚を誓い、平穏な生活をしていた時、突如フィーナを魔女扱いにする街の住民達。国に従わない魔女は『厄災を呼び、人々を呪い、人の命を無下にする者』とされ、忌み嫌われる。フィーナは只、日々街人達の薬を作り、治療し生活をしていただけだった。 魔女と恐れられてしまったフィーナは、街の広場で処刑されてしまう。 「コーウェン、私を愛してると言って!でないと私は街人達を怨んでしまう!お願い!」 だが、コーウェンが「愛してる」と言う事が出来ずフィーナは事切れた。 そして、それから3年の月日が流れ……………。 ✱♡はHシーンです

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

異世界で王城生活~陛下の隣で~

恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。  グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます! ※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。 ※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。

処理中です...