情事の風景

Lynx🐈‍⬛

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初めて会ったのに②

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「きゃっ!」
「ボサッとするんじゃないよ」

 部屋の前に来ると、男に背中を押され、女はバランスを崩し、着物の裾を踏んでよろめいた。

「脱がせって?ベッドあっちなのに」

 転んでしまった女を労う事はなく、男は帯紐に手を掛け、解き始める。

「ちっ!着物って面倒くさいんだよな……着崩すと唆るのに………」

 中途半端に帯を緩めると、裾や胸元を開けさせた男。

「あ、あの………私、初めてなので………」
「そうだってな………お前の親から聞いてる。男を近付かせ無い様に自尊心を尽く打ち砕いて、消極的に育てられたって?全く俺のタイプじゃないけど、利害一致での政略結婚なんだから、子供さえ出来りゃ、何でもいいのさ」
「っ!」

 胸を露わにされ、着物用の下着だからか、透けていた胸の頂。

「へぇ、結構あるじゃん………潰して着てたか」
「ま、待って下さい……今日、いきなりは……心の準備………」
「今ヤったって、夜ヤったって、明日ヤったって一緒だっての………こっちは?」
「きゃぁぁぁぁぁっ!」

 足を持ち上げられ、開かされた女。

「色気ねぇ下着だな……濡れてもいないな、処女だし仕方ないか」
「っ!」

 男は自分の指を唾で濡らし、女の胸を揉みしだく。

「っ………止め……て……」
「柔らか………後で挟ませろ」
「は、挟………え?」
「ち○ぽだよ………こんだけデカいなら、挟めるだろ」

 中途半端に脱がされたままされる愛撫。このままでは、着物が汚れ、皺が付いてしまう。脱げるなら脱ぎたい気もするが、そうなれば着る物も無く、止めて欲しいからか避けたい女。
 一方で、下着の上から濡らした自身の指を押し付け、このままではぎ取ろうとする男。足や腰を動かしては抵抗しているが、男も女を組み敷く気でいるので、足を動かされない様にしていた。

「抵抗しても無駄だって、分かんないかな……まぁ、いいけどね………よがれば諦め付くだろうし」
「っ!…………ひぃぃぃっ!」

 下着の中に手を入れられ、秘唇を割り開かれると、直ぐに指を差し込んできた。

「狭いな………俺の太いけど、シない選択肢無いから我慢しな」
「痛いっ!………抜いて!止めてぇぇぇ!」

 1本、2本、と入る指が増えて行くと、水音が大きくなっていく。その水音が何なのか等、分からない訳ではない。

「振り袖なんて、結婚したら着ないから、着物に血が付いてもいいよな?」
「っ!だ、駄目ぇ!」

 男の指に、付いていた女の血。その血を男は女の着物で拭き取っているのを、女は見てしまった。そして、いつの間に出していたのであろう、男の肉の塊も見たのである。

「気持ち良くしてやるよ………俺のでさ」
「あぁぁぁぁぁっ………」
「ほら、もっと腰振れ!悦ばせろ!俺を!」

 男により摘まれた女。この男に気に入られなければ、また自分は実家の両親の様に冷遇される運命になるのだ、と男にも何度も言われていく。
 ここでもまた、自尊心を傷付けられていた女だった。

 
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