情事の風景

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
上 下
1 / 31

とある朝の風景

しおりを挟む
 
 朝、ベッドの中で抱き合いながら、息遣いが近くに感じた女。
 頬、額、唇、と唇の感触を感じ、眠りを妨げられ、薄っすらと目を細めた。

「………おはよ……」
「………朝からエロい顔してる……」
「キス………するからじゃん……」
「エロい顔してるからだろ……」
「んっ……は……んっ……」

 もそもそと、男が身体を女に重ね、裸のままの肌を擦って来た。キスと共に。
 深く、もっと深く、と舌を割り入れられ、女を逃す事無く、男の腕が女の背に回され、足を絡めて来る。

「………な……いいだろ?」
「………もうちょ……と……寝た……」
「駄目……もうその気……」

 朝の起床アラームが鳴る前で、まだ女は寝たかったのだが、男によって阻止されようとしていた。それは、首筋に新たなうっ血痕を残し、胸の谷間に顔を埋めた男の愛撫で、女をその気にさせたからだ。
 男は更に下へと目線を確認し、2人に掛かる布団を履ぐ。
 昨夜どれだけ睦み合ったかは、女の肌に残るうっ血痕と濡れそぼる下半身の残骸で、一度や二度では無い様に見えた。

「…………エロ……」
「っ!」
「グチョグチョ……」

 男の指は3本、女の下腹部に差し込まれ、足を男に持ち上げられていた。
 朝日が差し込む部屋に、女が身体を隠す術は無く、その男にだけ卑猥な姿を見せつけている。

「んあぁっ、ぁっ、あ……」
「待ってろ……ゴム着ける……」
「………早……く……」
「寝たかったんじゃねぇのか?」
「っ!」

 スキンを出し、装着しながら不敵な笑みを浮かべてはいても、見下す女に向けた目線は愛おしそうに向けている。

「お待たせっ!」
「あぁっ、はぁっ、あぁ、あぁぁ……」
「ナカ、凄ぇよ……朝から……」

 ぐちゅぐちゅと、音も止まらない睦み合い。この音と、組み敷く女の表情と声に、男も声が漏れていた。
 はぁ、はぁ、と漏れた低い声と、女の喘ぐ高い声で激しい腰使いが益々昂ぶらせて行く事が分かる。

射精る!」
「あぁぁ………来て……もっと……」
「………お前……に………やるよ……奥に……」
「ああぁあぁぁぁ……」
「くっ!………はぁっ………はぁっ………」

 男は女に覆い被さり、耳元で息荒く囁く。

「…………まだだ……足りない……」
「………え………まだ?」
「もっと、寄越せ………」

 乱暴に、スキンを剥がし捨て、新たなスキンを着け変えると、女をうつ伏せにさせ、背にねっとりと流れ染み付いた残骸の痕と、また違ううっ血痕に、男は満足そうに舌なめずりをし、腰を抱え突き刺した。

「し、仕事………」
「サボれ、そんなん……」
「だ、駄目だって……」
「コレで終わってやるから」
「………っとに……今日はコレでお終いに……」
「夜食わせてくれたらな」
「っ!」
「………フッ……で宜しい……」

 これが終わる迄、女は男から開放される事は無かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...