【完結】竿師、娼婦に堕ちる月の夜

Lynx🐈‍⬛

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月夜の苦悩

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 三日月と満月は下がり、蝶子の部屋には月夜と新月、光月が残った。

「蝶子………もう、満月は下がらせた」
「………私を逃してくれませんか?」
「…………それは出来ない……」
「!!………何故ですか!?あの人に雇われているからですか!?」

 月夜は、蝶子の傍に座り、肩に手を置く。

「!!」

 ビクっと蝶子の肩が震え、益々怯える。

「…………お前の父上は、警察に捕まっているんだ……横領、収賄の罪で」
「!!………な、何故!!お父様が罪を犯したんですか!?」
「……………それを今、鬼龍院家で調べている……聞いた話では、権藤が警察と癒着し、冤罪で捕まっている様だが、お前の叔父上、吉鷹氏が権藤と繋がっているからか、証拠がまだ見つからない」
「…………」

 蝶子には状況が分からない。父の仕事の事はよく分かっていないのだ。罪を犯したのが本当か嘘かも分からないから、何も言えない。

「………逃げ出せた所で、警察に保護を求めても、吉鷹氏に捕まってここに戻されるかもしれない…………それとも、に泣きつくか?………調べていると聞いたが、単なるかもしれない」
「…………………っ!………は、隼人様に……ご迷惑………お掛けしたくありません……」
「…………そういう事だ………今日から調教再開するんだからな………新月、光月……服の上からしてやれ……満月の言った言葉の詫びだ」

 新月と光月は、顔を見合わせる。月夜の顔が見られていないのだ。蝶子とも新月、光月に顔が見られない位置に顔を背けていたからだ。

「………いいのか?」
「月夜………」
「構わん…………やれ」

 ギシッ、ギシッ、とベッドが軋む。新月と光月の気配が蝶子の近くにあり、月夜はベッドには居ない。

「い、嫌っ!………今日は許して……」
「悪いな……蝶子………月夜の命令には背けない」
「ごめんね……手加減す………」
「手加減はするな」
「「「!!」」」

 冷たい月夜の声で、蝶子や新月、光月は凍る。まるで、権藤が部屋に来た時の空気感だ。だが、新月と光月は気を取り直し、蝶子に触れてくる。

「ひやぁ!」
「……………耳、弱くなったな……」
「服の上からでも勃ってるの分かるようになったね、乳首」
「んふっっ!!」

 新月に耳朶を甘噛みされ、片耳は指で捏ねられて、光月に服の上から胸の蕾を引っ張られると、久々だからか直ぐにゾクゾクと身体を震わせる蝶子。

「はぁっ…………やぁ……」

 今の言葉を聞いて、何故その気になるのか、とは思っていた蝶子だが、気持ち良くさせられたツボを押された後では、気持ちと裏腹で、身体は正直になってしまう。足を磨り合わせ、下腹部の疼きを如何すればいいか分からない。じわっと、身体の中で尿意に近い様な感覚が来る。

「駄目っ………ち、手水……へ…………お願いです!!」
「…………そうか……そのまましたらどうだ?蝶子」
「……………」

 新月は、蝶子の愛撫をしながら、月夜を見る。蝶子の足元にいる月夜は、止めさせるつもりもないらしい。それよりも、スカートを捲ると足を閉じさせないように、膝を掴む月夜。

「やぁ…………月夜………さ……んっ!」

 ぷしゃっ、と蝶子の蜜口から潮が飛んだ。涙を流す蝶子。恥ずかしそうに顔を赤らめている。

「…………噴いた様だな……今日は終わりにしよう………蝶子を風呂に連れて行く……敷布を頼んだぞ」
「……………あぁ」

 鎖を外し、放心状態の蝶子を抱き上げた月夜だが、蝶子は暴れた。

「は、離して下さい!!貴方なんて嫌い!!」
「っ!!」
「嫌ぁ!!」

 バタン。

「…………やり過ぎだっての」
「……ねぇ、新之助さん……隼人様……大丈夫なのかな……」
「辛すぎて見てられねぇ……光は自分の仕事をしておけばいいんだよ」

 一方、蝶子と月夜。湯船の縁に座らせた月夜に、蝶子の溢した蜜を舐められていた。腰を支えられ、足は閉じられず貪られる。

「止めて下さい!!………嫌ぁ!!助けてっ!隼人様っ!!」
「っ!!…………なら、俺をだと思えばいい!!」
「………くっ……そんな…………無理な……事……出来ませ………んっ!」

 じゅるじゅる、と音を鳴らせ、濡れた場所を舐めとると、月夜は離れた。見られない月夜の顔は高揚感に満ちてはいるが、これ以上蝶子に手を出せず、濡れた口元を腕で拭う。蝶子の顔の前には苦しく膨らんだ月夜の杭だ。褌でギッチリと結ばれて、表に晒す事を許していない。

「身体洗うぞ」
「…………石鹸を渡して下さい……自分で洗います………きゃっ!」
「……………嫌だよな……こんな事……」

 月夜に抱き締められ、直ぐに蝶子椅子に座らせると、石鹸を泡立てて蝶子に渡す。嫌がる蝶子を見たくなかった月夜。自身も身体を洗い、蝶子を湯船に入れたら、月夜は蝶子が温まる迄、風呂場に戻って来なかった。

「……………ありがとうございます」

 蝶子が湯船から出ると、浴衣を肩から掛ける月夜。

「自分で着れるよな?」
「…………はい……」
「………慣れてくれ………お前のためだ」
「……………っ……」

 何があの行為がになるのか、蝶子に分かる筈はない。部屋のベッドに戻る、蝶子と月夜。

「髪を乾かすから座れ」
「自分で出来ます」 

 蝶子はすっかり月夜に壁を作ってしまった。

 
 
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