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口づけ(口移し)と混浴風呂
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しおりを挟む5人から開放された蝶子。首輪はそのまま鎖で繋がり、ベッドから降りれても部屋の中で動ける長さだと知ったのは、終わってからベッドシーツを変えた時だった。だが動いていいのはかろうじて動けるのは手水迄。
「あ、あの…………ち、手水に行っても……」
「…………あぁ、手伝おう」
「え!ば、場所が分かれば自分で行けます!目隠しを外してもらえれば……」
「目隠しは外さないと言った筈」
そう言うのは月夜だ。月夜は部屋の片隅からベッドへ移動してくる。
「行くぞ」
「あ、あの………」
「漏れるぞ?行かないと」
「……………は、はい……」
流石に、用を足す時のタイミング等、男に知られたくないのに、月夜は構わないらしい。腕を取られ手水に連れて行かれると、場所を教えてくる。
「足を開け………もう少し前………腰を下ろせ」
「…………あ、あの………」
「何だ?」
「み、見ないで下さい………」
「確認しないとまたベッドに戻れないだろう?」
そこ迄管理されるのか、と蝶子は思った。見られていいものでも、見たいものでもない筈だ。
「み、見られたくないんです!」
「気にしなくていい……………俺達は仕事だからな」
「…………うっ………あっ……やだ………見ないで……」
手水内で響く水音。聞かれたくもなく、蝶子は出してしまう。音が止まると、月夜は聞いた。
「済んだか?」
「……………」
蝶子は頷くしか出来ない。
「立て………拭いてやる」
「!!………自分で出来ます!」
「だが、紙の場所は分からないだろ?」
「渡して下されば出来ます!!」
「…………あ、そうだな……」
月夜は天然なのだろうか、と一瞬思った蝶子。しっかりしてそうなのに、少し抜けている感じがした。
紙を手渡され拭き取ると、月夜によりまたベッドに戻された蝶子。
カチャ。
「月夜、食事持ってきた」
「…………あぁ……蝶子、食べようか」
「…………えっと………どうやって……見えないと……」
「食べさせる」
「……………そう………なりますね……」
新月だろう、ベッドに食事が置かれ、部屋から出て行った。身体を触るのは調教の時間だけなのだろうか、必要以上に触れてはこない。そう、思った直後だ。口の中に、柔らかな感触と共に食べ物が入れられる。
「んぐっ!!」
「………………よく噛め」
「ゴホッゴホッ!!」
「吐き出すんじゃない………また、敷布を変えなくてはいけなくなるだろう」
「く、口づけで………食べさせるなんて!」
「言っておけば良かったな………口移しで食べさせる」
いきなり口づけをされて驚いたのもだが、食べ物が入るというのは全く思っていなかった。
「………顎に触れたら口を開けろ……食べさせるから」
「口づけは止めて下さい!」
「駄目だ………これも夜伽の練習だ」
「…………は、隼人様とも……した事が無いのに…………」
「……………」
「!!………やっ……んぐっ!」
顎に触れられ、避けようとしたが、顔自体を月夜に掴まれ、無理矢理食べさせられた。食べ物だけではない、飲み物さえも。泣きながら咀嚼する蝶子。食べないと無理矢理押さえ込まれ、食べ物が口に無くなると、舌を絡ませてくる月夜。深い口づけをされたくなかった蝶子は素直に受け取って食べるしかなかった。やっと食べ物が無くなると、暴れて抵抗していたからか、身体中ベタベタになってしまった。
「ベタベタだな………風呂に入れてやる……来い」
「…………か、身体は自分で洗いますから!!」
「…………」
「月夜さん?」
「!!…………それも俺達の仕事だ……」
一瞬の間があった月夜。何故、間があったのかは蝶子には分からないが、ベッドから下ろされた蝶子は風呂場に連れて行かれる。この時は、鎖はベッドから外され、月夜は鎖と蝶子の手を取り、鎖は別の所に着ける音がした。
「足元注意しろ………少しここで待て……敷布を変える指示をしてくる」
蝶子の身体は温かい湯気で寒気を感じた全裸の肌は、温もりを感じてホッとした。尚且つ、月夜も他の男達も居ないのだ。それが一番心が休まった。
「…………くっ……隼人………様……初めての………口づけ………隼人様が良かった………ひっく………ひっく……」
カチャ。
「!!」
「……………何だ、また泣いてたか……」
「余計なお世話です!」
「……………身体を洗ってやる」
「じ、自分で洗いますから!!」
「石鹸が何処にあるかも分からんのにか?」
「わ、渡して頂ければ………」
「その手には乗らん………俺が洗う」
月夜に抱き上げられ、椅子に座らせられると、泡立てた石鹸が月夜の手と共に蝶子に触れた。首周りから泡が胸に落ちる。手つきは優しく、湯気の暖かさと、月夜に触れられた手の熱さが、蝶子の身体を火照らせた。
「足を開け…………ココも洗う」
「や、嫌です!!」
「洗うだけだ…………純血は奪わないと言ったろう………ココに入るのは主人が最初だ……触れはするがな……」
蝶子はふるふると首を横に振ると、月夜に足を開かされた。
「い、いやぁ!!」
「泡で見えん!」
「……………っ!」
確かに柔らかいきめ細やかな泡で洗ってくれているらしく、白い泡が隠していると願い、おずおずと足を開けた蝶子。
「…………いい子だ……」
触れるか触れないか、という泡が当てられるだけの手。直接指の感触はない。
「流すぞ」
「…………は、はい……」
お湯が掛けられ、頭も洗われると、湯船に入れられた。蝶子が湯船の中で温まっていると、湯船の横で水音がし始める。どうやら月夜も身体を洗っているらしい。その途端、極度の緊張が走った。
「……………少し前にズレてくれ」
「………え?」
「俺も入る」
「!!」
混浴なのも嫌なのに、狭い湯船に密着したくはない。なるべく離れようと、隅に蝶子は移動する。しかし、直ぐに月夜に引き戻された。
「何もしない、大人しくしていろ」
「!!」
膝上に乗せられ、月夜に密着してしまう。だが、湯船の中で気が付いた。月夜は全裸ではなかった事を。月夜の腰には布が巻かれ、足の付け根は硬い物が当たるが、ずらさなければ蝶子の蜜口に入らない様にしてあった。それが褌だったのは後に分かるのだが、月夜達は、仕事を全うしているだけだと知った。
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