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プロローグ
しおりを挟むジャラ…………。
「……………」
意識が急に飛び、気が付いたら柔らかいベッドの上に居て目隠しされており、何やら首がひんやりと重く鎖で繋がれていた女。目隠しは外せない様に、鍵が付けられている。何故それが分かったのかは、手は自由だからだ。
「は、裸?………わ、私の服……何処?」
「気が付いたか」
「!!………だ、誰ですか!?」
少し、この状況に把握すると、自分以外に人の気配がある事に気が付く。しかも1人ではない様だ。
「名乗る筋合い等はない。お前は元華族令嬢、高蔵寺 蝶子だな?」
「……………は、はい……」
「何故、ここに来た?」
「…………わ、私の名をご存知なら………分かるかと……お、お父様が事業に失敗し……私が働かねば………と……」
「では、働いて貰う…………その前に、確認せねばならん」
ギシッ。
「!!」
誰かが、ベッドの上に乗るのが、蝶子には分かった。そして、1人、また1人と5人が乗ったのが分かった。
「あ、あの………私のこの目隠しは取って頂けませんか?あと、何やら首も苦しくて……」
「クスクス…………それは出来ないねぇ」
「!!」
先程の男の声ではない、別の声の男。
「早く確認しようよ」
「!!」
そして、また違う男。
「まぁ、まて………女、お前は許婚が居た筈だが、身体を許したか?」
「!!…………な、何故その様な事を話さねばならないのです!!」
「大事な事だ」
「こ、婚姻もしていないのです!………まだその様な……はしたない事………」
「…………そうか……なら、その身体………我々の主人と…………接待客に捧げて貰おう…………お前の純血は、主人がご所望だ」
「!!…………い、嫌です!!私には許婚の方が!!」
「ねぇ、月夜………早くやろうよ」
少年の様な幼い声もするが、声から察するに10代から20代ぐらいの男達だと分かる。
月夜と呼ばれた男が、リーダー格なのか仕切っている様だった。
「まぁ、待て………先ずは奈落の底に堕としてからだ」
「そうそう、光月………待ちなさいよ」
「三日月はのんびりし過ぎだよ!」
「光月はせっかち過ぎる………月夜の指示に従う事になったろ?」
また違う男の声だ。
「新月は、月夜の肩持ち過ぎ」
「まぁまぁ、いいじゃないか………時間はあるんだろう?」
そして、また違う色っぽい口調だが、高い声の男。
「満月も気長過ぎだよ!」
「光月、お前が引き伸ばしてるのが分からないのか?説明が出来ない」
呆れ声で、月夜が光月を止める。
「ごめんなさい……月夜」
「………まぁいい……満月の言う様に、時間はある………俺達であれば納期は守れるからな」
『納期』が何かは分からないが、それに蝶子がどう関係しているのか分からなかった。
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