【完結】プラトニックの恋が突然実ったら

Lynx🐈‍⬛

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おまけ

おまけ②航、裕司、彬良高校編

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 航と裕司が高校入学したのは、進学校でもなく素行も悪いと言われた私立の高校だった。

「クラス別かぁ………つまんねぇな」
「いいじゃん、どうせお前授業サボるだろ」
「間違いねぇな!」
「邪魔なんだけど、退いてくれないか」
「うわっ!」
「でけっ!」

 航と裕司のクラスが分かれて、教室の入口で喋っていた。だが、邪魔なので他の生徒はもう一方の入口から避けて入っていたのだが、裕司の背後で一回り体格の大きな生徒が声を掛ける。

「悪かったな………身体鍛えるのが好きなんだ」

 その生徒は、額に傷があり航や裕司より威圧感があった。暴力団内で例えるなら、航や裕司がチンピラなら、その生徒は組員だろうと言っても過言では無い。

「………双子か?」
「いや………違うけど………」
「雰囲気似てるな、お前等」
「幼馴染だからな、俺達………俺、航」
「俺は裕司………隣のクラス」
「…………彬良だ……宜しく」

 図体がデカイし威圧感ある彬良ではあるが、航や裕司に萎縮もせず、話し掛ける辺り、航や裕司には好感が持てた。
 中学3年間、素行が悪くなっていく2人に友人は避けて行き、話もしなくなっていったのだ。常に2人で居て、人気も二分していたのに、嫌悪も二分した異色の2人。それが彬良には気にも止めなかったのが、航と裕司が彬良を気に入った瞬間だった。

「なぁ、彬良………如何やって鍛えてんだ?」
「ジムに行ってる」
「金ねぇから行けねぇ!」
「俺も!」
「…………なら、俺が行くジム行ってみるか?金要らないし」
「「は?」」
「……………口止めしておいてやるよ」

 彬良に連れて来られたジムは、ホテルの中にあるジムだった。制服の彬良は平気な顔して入って行く。

「…………え?顔パス?」
「………俺の父さんが経営してるホテル………悪いがお前達をダチだと思っているから連れて来た……はお前達もだからな」
「「………お、おぉ……」」

 そこでは、彬良に格闘技も航と裕司も教わり、それがまた2人にはストレス発散になって行く。

「彬良、バイト代はいったから、ジム利用代渡しとく」
「俺も」
「…………あ、あぁ……」
「ダチだからって借り作ったままは嫌なんだよ!足りねぇだろうが、あとは出世払いな!」
「出世払いって、意味分かって言ってんのか?航!」
「知らん」
「航は料理人になるから、出世払いじゃねぇじゃん!料理人になって、彬良にタダ飯食わせとけ!」
「じゃ、そうする」

 決して、ジム利用料金がそれで足りるとは思わなかったが、その気持ちが嬉しい彬良は、益々航や裕司に信頼を置く。

「お兄ちゃん、居る?」
「お、羽美如何した?」

 航の家に居た3人。

「しつこい子が居て困ってるの」
「あぁ?何処に今居る!」
「店の前」
「お兄ちゃん、直ぐにいってやる!裕司!」
「おぅ!」

 羽美に言い寄る男も多く、航と裕司は羽美が困る、交際の申し込みは追い払っていた。

「は、はじめまして………お兄ちゃんの友達ですか?」
「…………あ、あぁ……彬良、て言うんだ」
「あぁ!お兄ちゃんがよく話してました!頼もしい友達が出来た、て!宜しくお願いします、妹の羽美です」

 密かに、彬良は羽美に好意を持ち、羽美も女遊びが激しい裕司なんかより、好感が持てる彬良に恋をしたのに時間は掛からなかった。
 それからというもの、彬良は航の家によく来る様になり、彬良が来る時は、羽美も会話に入る様になっていた。

「航……」
「何だ?」
「彬良、羽美とデキてんぞ」
「……………は?」
「初なお前にゃ分からんだろうが、彬良は羽美と付き合ってる、て言ってんだよ!」
「何だと!」
「……………早よ……」
「彬良~~~!お前、羽美と付き合ってる、て本当か!」
「…………な!……裕司!お前バラしたな!」
「知らね、俺」
「彬良!如何なんだ!」

 まだ彬良より身体が小柄な航が、彬良の制服の胸ぐらを掴んで揺らす。

「………いつか言おうとは思ってた………2ヶ月ぐらい前から付き合ってる……あ!でも手は出してねぇぞ!
…………羽美にもねぇ!俺が認めた男じゃねぇと、許さん!」
「な!お前、いつから羽美の父親になった!」
!………呼び捨てするなぁ!」
「裕司も呼び捨てしてんだろ!」
「…………あ!そうじゃん!裕司も呼び捨てするなぁ!」
「教えてやったのに、俺に八つ当たりするな!航!」

 そして、航により彬良は騙されて、浮気させられて、羽美は彬良をフッたのであった。

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