【完結】プラトニックの恋が突然実ったら

Lynx🐈‍⬛

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後ろからでも気遣う野獣♡

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「やだっ!裕司!」

 更に、裕司は紗耶香を軽々とうつ伏せにすると、紗耶香の背にバスタオルが掛けられた。
 
「………え?」

 バスタオルは裕司が肩に掛けていたものだ。
 服を着ていない紗耶香とのセックスで、丈の長いバスローブ姿のままで邪魔になると思っていたのかもしれない。

「背中を見せたくないのは分かってる……それでも俺は全裸で抱き合いたいからな………寧ろコレも邪魔だが、乱れた紗耶香をもっと見たい」

 腰を支えられた紗耶香が、裕司に振り向けば背中のバスタオルは落ちてしまう。それを見越した裕司の思う壺だった。
 秘唇に杭があてがわれると、迷う事なく裕司が紗耶香の隘路に挿入って来る。

「あゝっ!あぁっ……はっ……」
「…………くっ………やっぱり………バックからのが………紗耶香の弱い場所にピンポイントで当たるな………」
「あは……んっ…………駄目っ………また直ぐ………イっちゃ………」
「イケよ………何回でもよ………」

 付き合い始めて数える程しかセックスしていない2人だが、裕司にはそれだけでも紗耶香の弱い場所を気付いてしまう程場数は踏んでいるのだ。後位からの攻めを何度も試みたかった裕司は、紗耶香のバスローブ姿と、バスルームに脱いでいた下着を見て、実行しようとバスタオルを持ち込んでいたのだ。

「ひっうっ………イクっ!イっちゃ……」
「もっと突いてやる」

 バスタオルが落ち掛かる背中。直してやりたくても、裕司は律動を止めない。

 ―――タオル落ちそ……だが……イカせてぇっ!

「ああっああぁあっあゝ」
「俺もイクっ!」

 バスタオルが落ちる寸前に、背中を見ない様に覆い被さった裕司。潰されそうなのしかかる体重を感じながら、紗耶香は裕司から熱を貰った。

「重い………ってば………」
「分かってるよ……タオル落ちたからな……」
「……………ごめんね……気を遣わせて……」

 裕司が身体を起こしながら、タオルを再び紗耶香の背中に掛ける。

「別に、俺は紗耶香の背中見たって、引かねぇけどな」
「…………え?」
「今更だし、俺は紗耶香本人に惚れてんだ……その背中もだろ」

 裕司はコンドームを着け変えている。まだ終わる気は無い様だ。

「見ても嫌いにならない?」
「あ?何でそう思うよ………ひっくるめてお前だろうが………寧ろ労ってやりたいけど?…………頑張ったな、て」
「……………ゔっ……」
「っ!………また泣く………本当、泣き虫だな紗耶香は」

 ティッシュが見当たらず、裕司は指で紗耶香の涙を拭き取るが、紗耶香は裕司から顔を逸らす。見せ慣れた泣き顔ではあるが、泣く女が嫌いだと聞いた紗耶香はあまり裕司に見せたくないのだろう。

「………何だよ……素直じゃねぇな……なら、身体で労ってやるよ」
「なっ!」

 裕司は紗耶香の横に寝そべると、背中を裕司に向けさせ、紗耶香の足を自分に掛けた。

「背中みせたくないんだろ?まだ………これなら俺は見れねぇし、素直じゃねぇ紗耶香を素直にさせてやれるよな?」
「や、やだ……恥ずかしい格好なんだけど!」
「セックスで恥ずかしくない体位なんてねぇよ………しかも、また紗耶香が好きなバックで労ってやれる」
「あぁっああっん!」

 今度は密着する背中。裕司の息遣いや声も、紗耶香の耳元で聞こえ、先程とは違う感覚がまた紗耶香を酔わせた。

「クリも勃って触ってくれ、て言ってるな……紗耶香」
「っ!」
「乱れた紗耶香をもっと見せろよ……俺の前で遠慮は要らねぇんだから」

 律動は激しいものではないが、代わりに秘蕾に触れる指が激しく、紗耶香は何度もイカされる。

「……………も……休……憩……」
「俺はまだイケてねぇ………ほら、もっと乱れろよ」
「む、無理ぃ………」
「…………じゃ、騎乗位な」
「ひゃっ!」

 挿入されたまま、紗耶香は持ち上げられ、紗耶香の視界には裕司の足元が見える。背中にはバスタオル等は掛けられてはいない。

「綺麗だぜ、紗耶香の背中」
「っ!」
「自信持てよ………俺は気にしねぇ………何度でも言ってやる………その代わり、俺にしか見せるな」
「っ!…………う、うん……」

 嬉しくて、涙が溢れる紗耶香。コンプレックスだった背中の傷跡も、裕司の前ではコンプレックスに感じなくなった瞬間だった。

「…………ほら、乱れろ!」
「っあっあぁ………激し………」
「俺をイカせろよ、紗耶香」

 必死に裕司の律動に耐えて応える紗耶香の背を見つめる裕司が紗耶香の中で爆ぜたのは、紗耶香が数回イカされた後だった。

        ☆☆☆☆☆

「…………起きたか」
「………っ!」

 ベッドの中で抱き締められて眠っていた紗耶香。寝顔を見られたのも初めてで、紗耶香は裕司の胸元に顔を埋めた。

「…………お、おはよ……裕司……」
「んな可愛い事されたら、朝から襲うぞ、紗耶香」
「可愛いと思ってるの?私の事」
「当然だろ?………でなきゃ付き合ってもいねぇし、傍に居ねぇよ」
「…………泣き虫な女なのに?」
「紗耶香は別」
「だから、いつも黙ってハンカチ出してくれてたの?」
「……………あ、あの頃は…………お前………俺が泣く女が嫌いって羽美に教えてもらってから、昨夜の態度取ったんだろ!」
「うん」
「…………羽美め……余計な事チクりやがって……」
「嬉しかったよ、私」

 紗耶香も裕司を抱き締める腕に力が入る。

「っ!………ちょ………お前……くっつき過ぎ……」
「何で?」
「朝立ちしてんだ!またシたくなるだろ!」
「っ!」
「お前を帰らせなきゃならねぇんだから、朝からガッツかせるな!」
「…………い、今何時?」
「6時過ぎた所………流石に帰らねぇと………朝には送り届けるって伝えて、謝るつもりなんだから………シャワー浴びてこいよ」
「…………う、うん」

 ベッドの足元に落とされたバスローブを拾う紗耶香は、裕司に背中を見せても平気になっていた。

 ―――やべぇ……押し倒すとこだった……

 ベッドルームからバスルームに行く紗耶香を見送る裕司がそんな事を思っていたとは紗耶香には思ってもいないのだった。 
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