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恋愛開始
スィートルームの逢瀬♡
しおりを挟む「………紗耶香?何で窓際に居るんだ?」
「っ!……………夜景が綺麗だな、て」
裕司がタオルで髪を拭きながらベッドルームに入って来ると、ベッド脇に座る。
「都会のネオンなんて綺麗だとは思えねぇな」
「そう?」
「欲の塊によって出来た景色じゃねぇか……あの中で楽しんでる奴より泣いてる奴のが多いんだぞ」
「…………ネオン街はそうだろうけど………」
「…………紗耶香……こっち来いよ」
肩にバスタオルを掛けたまま、裕司は両手を広げ、紗耶香を迎え入れようとする。
「……………うん……」
「………紗耶香………」
「…………っ!」
裕司の目の前に立つと、紗耶香は腰を抱き寄せられ、裕司の顔が紗耶香の胸の下に埋まる。
その紗耶香は裕司の頭を抱えた。
「好きだ………紗耶香」
「…………裕司………私も好きよ……ずっと………初めて会ったあの日から………」
「……………俺は………ジジィから俺を守ろうとしたあの日からだな………弱そうなのに、虚勢張った仔犬がキャンキャン喚いててよ………」
「こ、仔犬なの?私!」
「仔犬だろ………俺が女とイチャついてる横でもキャンキャン吠えてよ………」
「…………ゔっ……」
「可愛いな……て思ってたさ………ずっと………」
「………裕司…………」
「………………だから………食ってやる」
「きゃっ!」
裕司により反転させられた紗耶香。いきなりだったからか、驚いて悲鳴を挙げてしまう。
紗耶香が見上げると、獲物を狙う野獣の目をした裕司が、紗耶香を見下ろしていた。バスローブ1枚隔てた中は、紗耶香は素肌になっていたが、それを裕司は知っているか分からない。だが、紗耶香はバスルームの脱衣場に全て衣類は置いていた。それを裕司が見ていたら、分かっているだろう。
紗耶香が着るバスローブの腰紐を裕司は掴む。
「っ!」
「脱がさねぇよ…………解くだけだ」
「……………」
紗耶香は返事無く頷くと、裕司はバスローブの腰紐を解き、前を開ける。
「こりゃ、またエロくて唆る姿で………」
「ど………如何したらいいか分からなかった……から………ホテルでスるの初めてなんだもの………」
「俺的には正解」
「んっ………」
裕司はそのまま身体を倒して、紗耶香の唇を貪る。キスだけは毎日時間を掛けて、紗耶香に教えてきた裕司。教えられたキスを紗耶香は裕司に返すのが必死ではあったが、応えられるようになっていた。
紗耶香も裕司の背中に腕を回し、抱き寄せて裕司を離さない。ただ無心になって目の前の野獣に食べられるのを望んだ。
「んっ…………ふ……っ………」
キスだけに終わる事はお互いに考えてはいない。裕司に晒した紗耶香の裸体は触ってくれ、と言っていて、裕司の手はもう紗耶香の胸を揉んでいた。
裕司の大きな手に包み込まれた胸は形が変わる程、強めに蕾を尖らせ、絞り出されるのではないかと思われる程、力を入れてくる裕司。それは、裕司も余裕がないのだと、物語った。
「紗耶香っ………」
「っ!」
熱を帯びた目が、獲物を捉え、唇が離れると、その手は直ぐに下半身を狙う。
「っあっんっ!」
「やべぇ………もう挿入てぇ……」
「………まだ………無理じゃ………」
「分かってるよ!足もっと開け!」
ベッドは広いのに、ベッド脇の片隅で、裕司は屈み、紗耶香の足の間に潜り、紗耶香の膝を持ち上げた。
常夜灯の灯りのみの暗いベッドルームでも、暗さに慣れていれば、紗耶香の秘部は暗くても見えてしまう近さだ。
「な………舐めちゃ………」
「あ?…………紗耶香のなら舐めれるぞ?」
ローション等はホテルにはない。
今迄は、紗耶香がシャワーも浴びずにセックスしようとする裕司に舐められるのを拒み、ローションや指だけで濡らしてきた経緯があったのだ。だからこの日も紗耶香は拒もうとするが、もう出来なかった。
「ひゃっ………あぁっあ……」
裕司の頭を退かそうと試みた紗耶香だが、先に裕司の舌が紗耶香の秘蕾を啄んだからだ。
喘ぎ始めてしまえば、もう裕司は止める事はない。裕司により作り変えられた紗耶香の蜜壺に、指を入れて更なる高みに誘うだけだった。
ジュルジュルと、裕司が紗耶香の秘蕾を吸い扱き、紗耶香が弱い場所を指で擦れば、抵抗等出来る筈もなく、紗耶香が裕司の頭を退かそうとする手は、力なく緩まり、寧ろ押さえつけていた。
「あはっ………ん……気持ち………い………」
「……………」
「っ!………やぁっ……ソコ………イっちゃ………イっ…………あぁあっああぁ……」
中と外で、弱い場所を同時に攻められた紗耶香は簡単にイってしまう。
「紗耶香………もっとイカせてやるよ」
「…………はぁ………はぁ………」
裕司は離れて、ベッドの片隅に置いておいたコンドームを取り出す。まだ裕司はバスローブを脱いでいないが、脱がなくても分かるぐらい、裕司の杭は準備が出来ていた。杭だけ晒し、コンドームを自分で装着すると、紗耶香をベッド中央迄運ぶ。
「紗耶香………」
「…………え!………やだっ!」
裕司が紗耶香のバスローブを脱がせた。背中を見られたくないから、裕司の前で全裸になりたくない紗耶香なのに、バスローブは裕司によりベッド下に投げ捨てられたのだった。
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