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【あらすじ 紗耶香&裕司視点】Mにされた女はドS上司に翻弄される
見合い相手に相手にされず
しおりを挟む毎日、祖父に急かされては、律也と会う様にしなければならなかった紗耶香。
それがとても嫌だった。人を見抜く目を持っている律也を祖父は気に入っていた様で、どんな手を使っても紗耶香と律也の子を産ませて、自社を大きくさせたい、と野心を見せていたのだ。
正攻法でしている今の行為が、もし駄目であったなら如何するのだろう、と思うが、そんな意見等言える立場ではないのだ。
「紗耶香!乗り込むぞ!儂も行ってやる!」
「…………はい」
なかなか会ってくれない律也に痺れを切らした紗耶香ではあるが、祖父も一緒に行って会えなければ仕方ない、と思い、祖父と共に速水物産へと向かう。
すると、速水物産のビルの前で、女2人が揉めている様な会話が聞こえた。
―――何事?
気にする物では無いと、思った瞬間、怒号が聞こえ、その2人の女の間に入っていく。男は1人の女を守る様に達、もう1人の女を怒っていた。
「何してる!その手を離せ!」
「律也!」
「…………何で此処に居る?」
「会いに来たよ!律也!」
男は律也だった。
律也に抱き着こうとする女の頭を抑え阻止する律也。
「別れた筈だ」
「だから、それは一時の気の迷いなんだってば!やっぱり律也がいいのよ、私」
「………もう、忘れろよ……先に裏切ったのはそっちだろ」
「ごめんってば!」
「今は、本気に付き合ってる女が居るんだよ……名古屋に帰れ」
―――あの女使えるわ
律也が連れて行こうとする女ではない。元カノらしき女の方だ。会社のまえで、律也がキスを仕掛けた女は邪魔な者、と一瞬の判断で計画を練った。
紗耶香はその女の方へ歩いて行く。
「紗耶香、如何した?」
「お祖父様、今日は無理ですわ………律也さん、帰られてしまいました」
「………また逃げおったか、あの小僧……」
「私、ちょっと野暮用が出来ましたから、お祖父様は先にお帰り下さい」
「紗耶香?」
紗耶香は、律也の彼女だと言い張るが、律也の眼中は全くないだろう。所沢 泉と名乗った女から、情報を聞き出した紗耶香だが、既に調べていた事ばかりだ。
―――使えないじゃないの……何、この女……愛人にさせる訳ないでしょ……私があの男と結婚して、愛人に君臨させたら、お祖父様に何言われるか………ううん、何されるか……
泉には利用価値が無かったが、もう1人の女は邪魔な者だが利用価値はあった。
「割烹料亭おさない、ね………取引全部切りなさい」
部下に紗耶香は命令する。
「割烹料亭おさない?」
お目付け役でもある裕司は紗耶香に付き添っていた。
「裕司、知ってるの?」
「…………いや、知らね」
裕司はポーカーフェイスだった。何も知らなさそうであった為、紗耶香は裕司に頼む。
「この小山内 羽美、て女………襲わせてもいいかもね」
「…………止めておけよ、紗耶香………あの律也、て男にバレたら、結婚危ういんじゃね?」
羽美の身辺調査書を裕司は読んだ。
「………ストーカー被害?……この羽美、て女のストーカーを使うか?」
―――航が居て何でこうなる!
心配で仕方なかった裕司だが、紗耶香に今知られる訳にはいかない、と裕司は考えた。
「一緒じゃないの、襲わせるのと」
「違ぇよ………俺達が関与してねぇ様にするのさ……人使って襲ってみろ……直ぐにバレるぞ……その点、コイツなら、羽美………って女の元カレだからな……久々に近付かせてやりゃ、律也って男は助けようとする筈だ………その間、店の取引や妨害して、2方面から攻める……余裕無くなるんじゃね?………控えめな女っぽいし、ストーカーの事は絶対に言えねぇだろ……出てきそうなのは、こっち……兄貴の方。コイツがどう動くか、だな………」
紗耶香は羽美の身辺調査で、兄である航を注視していなかった。
―――羽美を危ねぇ事に巻き込みたくねぇ……航が気付けば……羽美を守る筈……
裕司は紗耶香の横で、お目付け役に徹しながら、羽美と航の心配をしていた。何故なら、裕司は航の親友だった男だからだ。妹の羽美もよく知っている。守る為に、裕司は闇に堕ちたのだ。堕ちたとしても、守りたい存在だった。
だが、裕司は航と羽美をよく知っていても、律也を知らない。羽美の彼氏である律也を航が気に入るとは裕司は思っておらず、今度も航が別れさせる筈だと思っていたからだ。
この件で、航は羽美を再びストーカーから守りに入るだろう。それにより律也の存在を航が知ったら、絶対に妨害すると見ている。
―――羽美がこの男と別れさせられれば、紗耶香はこの男と結婚………か……いいのか?俺は………だが、紗耶香とは……
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「分かったわ………ストーカー使いましょ……裕司、ストーカー被害って取下げ出来るのかしら」
「知らね……俺に聞くなよ………本人以外無理じゃね?」
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「あ?………それぐらい行ってやるよ」
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