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アリシアとの勉強開始
しおりを挟むラメイラはリュカリオンとの勉強前から図書館に来ていた。
(………やっぱり……閨と関係あったんだ。)
それらしき本を見つけては漁るように見るラメイラ。
(…………こんな事……自分でするの?)
寂しく疼く身体を治めるのに、男も女も関係がないのだと知ったラメイラ。
「ん?ラメイラそんな所で何してる?今日は早いな。」
「…………リュカ………。」
「…………この本棚………て……。」
「!!………ち、違う!!興味があった訳ではなくて、だな!」
「プッ…………ははははっ!」
「リュカ!!笑うな!!」
「興味ありありじゃないか…………いい傾向だと思うがな、俺は。」
「そ、そうなのか?」
「ナターシャも俺を慰める為に、閨の指南書読み漁ってたな………しかも、トーマスに薦められた指南書を……プッ。」
「ト、トーマス、て本当にそういう事好きなんだな……。」
「男も女も言わないだけで好きだと思うがな、こと愛する相手になら。」
「変な事じゃないと思うのか?リュカは。」
照れながらラメイラは聞く。
そして、リュカリオンも照れながら答える。
「俺は、咥えてもらうのが嫌いだったんだ。」
「く、咥……!!」
「ナターシャだったら平気だった……。好きだから、キスするし、身体に触れるし、キスされたら嬉しいし、触れられると嬉しい。」
「………そういえば、ナターシャもそう言っていた………。」
「ナターシャも?………そうか…………子が産まれたらめいっぱい…………。」
ニタニタとリュカリオンが嬉しそうに何かを企む。
意味が何となく分かるラメイラは話を逸らす。
「もうすぐなんだな、ナターシャの出産。」
「あぁ、楽しみで仕方ない。」
「どっちかな………。」
「どっちでも母子共に健康ならそれでいい。」
ナターシャの妊娠が分かり、約9ヶ月。
またレングストンに嬉しいニュースが流れる事だろう。
国民が待ち望む王家の世継ぎ誕生を。
「ここですよ……ね?ラメイラお姉様も皇太子殿下もまだお見えではないのかしら?」
「アリシア王女?すまない、ラメイラと話をしていたんだ。」
アリシアの声が聞こえ、ラメイラは持っていた本を直ぐ様戻す。
「アリシア、探させてしまったみたいでごめん。」
「ラメイラお姉様!」
アリシアが嬉しそうに顔を輝かせた。
そして、その後ろにロバートが睨みを利かす。
「さぁ、今日からアリシア王女も一緒だ。ラメイラ、遅れを取るなよ?」
「わ、分かってるよ!」
「あの、私もご一緒して宜しいでしょうか。レングストンがどの様に勉学するのか知りたいのです。」
「私は構わないが、アリシア王女は一緒で構わないかな?」
アリシアは嫌そうな顔をする。
(………嫌です!絶対に!)
「では、少し離れた所で聞いてもらおうか?彼も国交に興味があるようだし、知っておいても損は無い。将来、アードラの役に立つなら、アリシア王女も安心するんじゃないかな?」
「……………皇太子殿下………。」
アリシアは嫌々な顔をしつつ、母国アードラの役に、と迄言われたら、嫌とも言えなくなった。
「アードラの役に立つ…………なら………。」
「じゃぁ、今日はアードラとレングストンの国交の話をしよう。」
ロバートは、リュカリオンの席から1つ空け座る。
勉強が始まると、ロバートは熱心に聞いていて、質問も飛び交う。
「ほほぅ………皇太子殿下、とても勉強になります!知らなかった事が沢山ありました!」
「ラメイラ、アリシア王女、君達が質問せず、ロバートが質問ばかりするのはちょっとよくないなぁ……仮にも留学という名目で、妃候補の君達が質問する事が分からない、となると困るのは、伴侶になる弟達だぞ?」
「…………ぐっ……。」
「返す言葉もありません……。」
「まぁ、ロバートが指摘をしてくれたおかげで、問題点も分かったから、その点は父上と宰相に相談してみるかな。」
「私の指摘で問題点、ですか?」
「そう、アードラの名産茶葉の生産量からの取引倍率と輸入量と単価が気になった。」
「……………おぉ……。見直して頂けるのは光栄です!」
「それなりの単価を支払う立場にあるのだから、それは致し方ない。アードラの茶葉は妃もお気に入りだしな。コリンに薦められて気に入って毎日愛飲している。」
「あの茶葉は、妊娠されている女性には良いと言われておりますから。」
「そうなのか!それは知らなかった。教えておくよ。」
リュカリオンとロバートは会話が弾む。
ラメイラは悔しかった。
知らない事が多過ぎる、と……。
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