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追求
しおりを挟むリュカリオンとナターシャが皇太子宮に戻って来た翌日。
レングストン公爵の配備した皇女宮から撤退した。
ラメイラは如何してそうなったのか分からない。
ただ、息苦しさが無くなっただけホッとした。
「ロレイラを返す。だから皇女宮の衛兵を退けるように。」
と、皇帝とリュカリオンがレングストン公爵に命令したからだ。
「当然の事ですな。ロレイラは何も悪くないのですから。」
「……………レングストン公爵。」
「何でございますか?皇太子殿下。」
「ロレイラは何故毎日登城する?」
「それは、娘は殿下に会いに来ておる筈ですが。」
「私は会っていない。会いに来ても、ロレイラとは話もしないが?………宰相、タイタスとロレイラが会っている、と聞いてるが本当なのだろうな。」
「はい、目撃者も多数居ります。」
謁見の間で、皇帝、リュカリオン、トーマス、ウィンストン公爵、セシル、カイルが居る前で、レングストン公爵は何を語るのか。
「タイタス殿下ですか?皇太子殿下ではなく?」
「明らかに、待ち合わせをして会っていますよ、兄上。ナターシャ妃とラメイラ公女が見ていますので。」
「…………。」
トーマスが『ナターシャ妃』と言うと、レングストン公爵の眉がピクッと上がるのを、見逃す皇帝達では無かった。
「レングストン公爵、抱き合っていたという証言もあるのだが、ロレイラはタイタスを拐かすつもりではないのか?」
「とんでもない……娘は皇子妃になるべくして産まれた娘です。」
「皇太子妃はナターシャ以外居らぬし、トーマス、タイタス、コリンの誰かを、と思われても仕方ないのだが、何故ロレイラは私に会いに登城する、と父に言うのだ?」
「…………娘はロレイラは皇太子殿下の許嫁です。私共は納得していない!ロレイラは純真に皇太子殿下を愛しております!」
「愛しているなら、何故タイタス殿下に抱かれているんだ?………カイル、裏付けを取ったのだろう?」
ウィンストン公爵がカイルに聞く。
「娘が皇太子殿下でなく、タイタス殿下にですと!!そんな馬鹿な!!あの子はまだ乙女な筈!!」
「レングストン公爵……知らないようなので、お教え致します。ロレイラ嬢の取り巻きにブホ子爵令嬢、レーチェがタイタス殿下とロレイラ嬢が関係を持っていると私に話ましたよ。」
「では、ロレイラをタイタス殿下に嫁がせます!!」
「拒否する。」
「!!」
黙って聞いていた皇帝が遮った。
「な、何故ですか!!タイタス殿下に嫁がせなければ娘は傷物になるではありませんか!!」
「傷物?………では皇太子を傷物にしていたロレイラは何なのだ?」
「は?」
「お主は、皇太子の許嫁であったロレイラが何故皇太子妃候補から外された原因を考えた事は無いのか?お主は不服申立てを散々したが、その原因を言わなかったのは、皇太子の名誉と、今後のロレイラの将来を案じての事だ。何故、その原因を考えぬ?」
「………な、何が………原因なのですか?」
「………皇太子、話て良いか?」
「はい、こうなったら全て話て、今後一切ロレイラを登城させぬようにしてもらえれば、私もナターシャも安心して暮らせるかと。」
「……………ロレイラ……何を……。」
レングストン公爵は肩を落とす。
皇帝の話を聞いたレングストン公爵は大層落ち込んだ。
望まれてリュカリオンの許嫁となった娘を誇らしく思い、破談になっても娘以上の令嬢は居ないと自負し、破談になっても娘は会いに言っているのを知っていたレングストン公爵には、リュカリオンがウィンストン公爵家の娘と婚約をした事が許せず、ロレイラに吐露をした。
それがロレイラを動かしていたのを知ったのだ。
「ロレイラの取り巻きのレーチェが、ナターシャ妃のウェディングドレスを引き裂いたのだが、それは知らぬだろう?」
「ま、まさかロレイラがやらせたと!!」
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「数日中に、レングストン公爵家に調べに聞き取りに行く予定です。」
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「その為に調べるのだ。ロレイラは帰したのだろう?」
「はい。」
「もし、また登城したら、今度は無条件で監視下に置いて調べさせてもらう、良いなレングストン公爵。」
「…………御意……。」
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