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いざ出陣
しおりを挟むラメイラは兄、エドワードから手紙を奪う。
「あ!こら!奪うな!」
「私に来たんだろ!なら見ていい筈だ!」
「あんまり、いい感じな内容ではないんだがなぁ………。」
ガサツなラメイラが、手紙の封書をビリビリと破る。
「あ、おい!こら!切った端を捨てるな!」
「自然に還る。」
レングストンから来た内容は、皇太子リュカリオンの婚約が決まり、トーマス、タイタス、コリンの何れかの妃を選ぶ為、妃に必要な勉強を王宮でしてもらい、妃候補と皇子双方が求め合う場合のみ、婚約とする。
レングストンの妃に求める内容が、また問題で、ラメイラが苦手とする物ばかり。
勉強の教師になるのは4人の皇子と、ラメイラと同じ歳の皇太子妃ナターシャ、他の教師数名で行う、という。
「妃になる勉強!?嫌だよ、こんなん!しかもリュカの妃が教師?婚約したばっかじゃん!そんなに優秀なのか?」
「見てみたいねぇ、婚約したばかりで妃扱いの女なら。」
「兄上は妻が3人居るじゃないか。」
「仕方なかろう、俺に惚れてる女だからな。」
トリスタン公国は一夫多妻制。
そのせいもあり、ラメイラはトリスタンの男には嫁ぎたくないのだ。
「まぁ、いい……タイタスに会えるならどんな条件でも行ってやる。」
「いいのか?」
「うん、行く。」
レングストンへ行く準備は整ったラメイラ。
トリスタンの衛兵や侍女達も連れて行く事になり、大所帯だ。
リュカリオンの結婚式には間に合いそうで、トリスタン公国の名代として来賓で招かれており、それ迄はトリスタンの衛兵達はレングストンに滞在する。
ラメイラがレングストン滞在期間は約2年。
それ迄になんとかしなければならない。
「それでは行ってまいります、父上、兄上、レックス。」
「レングストンはトリスタンとは違う、その辺りはしっかり守るように。」
「分かってますよ。」
「ラメイラ、いい女が居たら連れて帰って来いよ。」
「連れて帰ってきても、兄上の好みじゃなかったら困るじゃないか、相手の女も兄上を好きにならなきゃ意味がない。」
「そんなものは、身体で言う事聞かせるんだよ、なぁ、レックス。」
「女は強い男が好きだからね、姉上も好きなら身体で迫ったら?」
「レックス、その台詞まだ5年は早いよ。」
国も変われば環境も違うのだ、トリスタンの女の口説き方とレングストンとは違う。
ラメイラは気を引き締め、レングストンへ旅立った。
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