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疑惑♡
しおりを挟む「おかしくないですか?たかが首輪ですわよね?」
「だろ?………それでまた詳しく調べていたら、首輪に致死率の高い爆薬や毒針が付いていた」
「……………え!」
獣人を捕まえさえすれば、いつでも殺せる、という首輪だという。獣人も馬鹿ではない。自然の摂理や地の利を利用し、逃げる事も抵抗も出来る筈だ。
「獣人の方が力がありますわよね?束になり抵抗して逃げる事も可能では………」
「本来、種族別で群れで行動する獣人達は、仲間意識が強い………仲間が捕まれば、その者を助ける為に、群れの一部は助けに入る場合もある。種族維持の為に、一部が生き延びればそれで良し、と考えている種族は少なくない………その獣人達を種族毎に管理し、交配させて来た国もあり、産まれた子は獣人としての威厳も尊厳も無く、首輪を付けられたまま奴隷として生涯を終える者も居るらしい」
「……………酷い……でも、ヒューマ様は何故鎖国のオルタナ国でその様な知識があるのですか?」
「……………過去、何度もこの国も攻め込まれている……捕虜となった獣人から聞いてきた、過去の記録を調べただけだ」
「…………本当に酷い話ですわ………」
「この国は共存の道を取り、獣人にも人間の知能や知識を持つ者も産まれ、人間も獣人の様に力ある者も居る。混血ではあるが、獣化出来るか出来ないかだけで、独自の進化を重ねて来たオルタナ国だからこそ、純血種の獣人より優れた所もあり、また衰えた所もあるだろう」
「ラノック公爵様はその首輪を集めてらっしゃる、と?………他国と貿易していないこの国で?」
「作っている可能性も無い訳では無い」
「…………だから、あの地図の島をお調べに?」
「そういう事だ」
話が深刻で、食事もなかなか進まない。メイリーンに至っては、空腹なのに食べる気分ではなかった。
「おかしいではありませんか」
「何がだ?」
「例え作っているとして、ラノック公爵様は獣人に付けるつもり…………まさか、人間に付ける?」
「……………ラノックは共存する国は嫌だと言っていたからな………その線だろうな」
「…………共存が当たり前のこの国でそんな事をされては………」
「何としても阻止してみせるさ……メイリーン、この話は一旦終わろう……メイリーンが出来る事は無いし、軍を率いる俺やジャイロ、バルサムの仕事だからな」
「……………確かにわたくしでは、お手伝い等出来そうにもありませんが……知ってしまった以上、何かわたくしに出来る事はありませんの?」
「…………君に出来る事…………そうだな………ラビアン伯爵夫人になる為に、家の事を任せようか」
「……………え……ま、まだ結婚もしていないのに?」
「いい機会だ………手伝いたいのだろう?……クロード」
「はい」
「明日の午後から、教えられそうな所から教えてやってくれ………未来の俺の番いだからな」
「畏まりました」
「か、勝手に決められても!………わたくしの両親は、わたくしがラビアン伯爵家に嫁ぐのを了承したのですか!?」
「結婚前提で預かっている、と伝わってるのだから、明日からでも結婚式の準備に取り掛かってもいいがな」
―――わ、わたくしの意思は何処に………
深刻な話から、急にすり替えられた様な気がするメイリーンだが、ラノック公爵に関する話はヒューマから聞ける様な雰囲気でも無くなった為、メイリーンはどう対応していいか分からない。
「嫌か?」
「…………い、嫌では………」
「では、クロードに結婚式準備も手配させるぞ」
「ヒューマ様はわたくしで良いのですか?」
「君がいい」
「っ!」
「理由等、俺の本能で君を求めている………君が俺を諦めなければ、俺は逃がさない」
「……………ヒューマ様……」
煽情的な目線をヒューマに贈られ、メイリーンの身体が火照る。
「…………旦那様……独身の若い侍従も居ります……フェロモンに当たられては仕事が……」
人間のクロードではない別の獣人の侍従が、ヒューマの発情に影響を及ぼし始めていた。
「………あぁ、すまない………メイリーン、食事が進んでないから食べよう」
「…………は、はい……」
甘い雰囲気を出さない様に、ヒューマはしてはいても当てられた側の熱はなかなか冷めない。メイリーンもヒューマの言葉が頭にこびり付いたまま、何とか食事を終わらせる。
「ごちそうさん」
「………今日も美味しかったですわ」
「メイリーン様、ありがとうございます」
メイリーンは料理は出来ないからこそ、作ってくれる料理人達に感謝を伝える。それは毎回なので、料理人達も嬉しそうだ。
「メイリーン」
「はい?…………きゃっ!」
ヒューマが席を立ち、メイリーンを抱き上げる。
「食器の片付けに邪魔になるからな………話の続きはベッドでしようか」
「ソ、ソファでもお話出来ますよ!」
「ベッドで話す」
「皆、まだ部屋に………」
「気にするな………空気読む者達だからな」
『さっさと片付けろ』と圧を掛け、テキパキと侍従達は食器を片付け始めると、メイリーンをうつ伏せにベッドに乗せたヒューマは、メイリーンが着るバスローブを捲り、栓をグリグリと弄ぶ。
「ひゃっ!」
「メイリーン、声は今は我慢しろ………男も居るからな」
「な、ならもう少しお待ちになれば宜しいのでは!」
「待てんな…………食事中も我慢した………メイリーンもそうだろう?………尻は溢れていないが、前の孔は濡れそぼってる………垂れてもう敷布に染み付いたぞ?」
「ひ、卑猥なお言葉言わないで下さい!」
「……………そうか?もっと卑猥な言葉なら、後で沢山聞かせてやれる………こんな言葉は序の口だと、君は知っている筈だ」
「っ!」
確かに2人きりの時にヒューマから掛かる言葉は、卑猥極まりない言葉ばかり。侍従達が居る中でこれ以上の言葉も聞いてきたメイリーン。
「旦那様、天蓋を掛けましょうか?」
「………気が利く……頼む」
「畏まりました」
クロードは平然とし過ぎる顔で、相変わらず淡々と作業を熟すのを見ると、余計にメイリーンは恥ずかしい。
天蓋で隠せてはいるが、気配はまだ消える事は無い。
「声は我慢な………」
「っんんっ!」
栓を抜かれ、ヒューマの巨根が尻孔にあてがわれ、一気に押し込まれた。
何故、秘唇ではないのかと思い、うつ伏せされた身体を起こし、ヒューマを見上げるメイリーン。
「…………何だ?期待してた場所じゃないから、睨むのか?」
「…………そ、そう………ですわ……」
「会話、聞かれるぞ?いいのか?」
「っ!」
ベッドの上で、睦み合う音は静かではない。結合された部分が擦れる音や、ヒューマの腰がメイリーンの尻に打ち付ける音が天蓋で隠していても聞こえる筈で、羞恥にメイリーンは必死に声を押し殺している。それがまたヒューマの独占欲と嗜虐性を昂ぶらせ、激しくメイリーンの中を貪っていた。
「そんなに締め付けて…………気に入ってくれて嬉しい限りだ………畝って痙攣した孔が前の孔だけじゃなく、こっちでも味わえる様になるとはな」
「っんんっ……」
敷布を握り締め、声を押し殺し腰を振ってヒューマの律動を助けてしまう程、メイリーンの身体はヒューマにのめり込んでしまっていた。
風呂場での房事で洗い流す事なく、栓をされ、ヒューマの白濁が残されたままの尻孔は、潤滑油になって残り、じゅぼじゅぼと滑りを良くされていて、ヒューマは舌なめずりしながら、メイリーンを弛緩し、体力が漲らせる自信は充分だった。
「…………あぁ……メイリーン……いいぞ……もっと強請れ………俺を………」
無我夢中で腰を振るヒューマに、遠慮がちにクロードが部屋を退室する、と声を掛けたのは、ヒューマがベッドの上で組み敷くメイリーンの中で爆ぜた後だった。
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