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しおりを挟む由真は桐生に、部屋の移動を言われ、住居の階下のスタジオだという部屋に入った。
「これに着替えてくれる?更衣室は無いから、そのパーテションに囲まれた場所で悪いけど」
「っ………は、はい………」
入ってきたのは、畳が敷き詰められ、布団も敷いてあるスタジオ。手渡されたのは長襦袢1枚だ。
「あ………顔出しはしないから、撮らせてくれる?」
「本当に顔出さないんですよね?」
「撮った写真は、確認して貰うから………それを取材ネタにすればいい」
「…………あ……いいですね……私がモデルなのはちょっと抵抗ありますが、顔が見られないならまだ………」
由真に渡された長襦袢は、鮮やかなピンク。その色は淫靡な色合いにする為に照明を桐生は調整していた。
「き、桐生さん………下着は………」
「ブラは取って………パンツは履いたままでいいよ」
「あ、あの………買って貰った下着ではないんですけど………」
「…………は?」
「え………」
せっかく買った下着を身に着けていない由真に、桐生は苛立ちを見せた。
「痕付いてんじゃない?ブラとパンツの」
「………あ………」
「………はぁ……まぁ、いいや………緊縛の縛り変えるから………コレに履き替えてくれる?」
「っ!………コレ、透けてますけど!」
「だから良いんだろ?チラ見せして撮る方法もあるから、とりあえず撮らせて」
一瞬の苛立ちではあるが、由真に対して怒りは続けてはぶつけられなかった。
由真は長襦袢を普通に着て、桐生の前に出て来ると、桐生は畳の上の布団に乗るように言う。
「自分で色っぽいと思うポーズ取って」
「は、はい………」
コンタクトではなく、まだ眼鏡の由真だが、桐生にはその事を言われない。
「…………え?それが色っぽい格好?」
「だ、駄目ですか?」
足を軽く折り、横座りして両手を床に付いて、身体を捻っていた由真。
「せっかく、デカイ胸あるんだから強調してくれよ………それだと胸隠れるだろ」
カメラの向きに反して座ったので、レンズ越しでは由真の胸を見られない。
「こ、こう………ですか?」
「………うん……少し胸元開ける………そのままに居て」
長襦袢の襟元をギリギリに開き、谷間が見える様にされた由真。そして、桐生はシャッターを何回も押しながら角度を付けて撮っていく。
「………どう?エロくない?」
「………こ、これ………私?」
「今撮っただろ」
客観的に見せられた写真は、卑猥な胸の谷間が見え、由真の顔は切れている。暈しや光を使った写真は、由真も桐生が今迄SNSで載せていた写真と何ら変わりなく見えた。
「今から縛るから………顔無しで肩から下と、部分写真ね」
ただ、緊縛だけで終わらないのが桐生の緊縛師の仕事。それを知る由真は写真を撮られる事も念頭に置いていた。1つのアートの様に見えるのが、桐生の人気でもあったからだ。
首に縄を掛けられ、長襦袢の袖も利用し、由真は縛られていくと、胸を強調する縛られ方と、以前に縛られた方法と違う結び方をされていく。
「っ………んっ……」
「2人しか居ない………喘いでも構わない」
少しずつ、桐生も低い声色に変化し、由真をゾクゾクと高揚させていこうとしていた。
「キツくないか?」
「だ………大丈夫……です……」
縛られていく面積が増えていく度に、感覚が研ぎ澄まされ、縄が触れる場所に神経が集中する由真。
胸が全部開けさせられた訳でもないのに、桐生の視線が痛く刺さる。
「っ………み……見ない……で………」
「見て欲しいの間違いだろ?…………乳首勃ってるの丸わかり……」
「っんっ!」
薄い長襦袢に突起物が突き出していると、桐生は縄でそれを弾く。
「もっとか?…………こう……とか……」
「あっ………ん……」
縛っている最中なのに、縄だけでの愛撫が始まると、フルフルと揺れる胸が、全部溢れてきそうになる。
「い………や……見えちゃ………」
「見せたくなったら見せろ………こっちも濡れてるんだろ?」
「っ!」
「はしたないな……触ってもいないのに………このままでいろよ………由真」
胸だけを縛って、桐生は離れていく。それが何故か寂しい由真。
「………あ……」
「………良い子で待ってろ………そうしたらご褒美やる」
由真の心の変化に、桐生は気が付いていても、由真に対する優しさはまだ見せてはくれない様だ。
由真にカメラが向けられ、胸を中心的にシャッターが押されていくと、それだけで桐生に弛緩されているのだと、音が鳴るだけで感じていた。
「もう………これだけでエロい顔してるの分かるか?由真」
「っ………」
「やらしいなぁ………突っ込んだらどんな顔見せるんだ?アンタ………」
「…………わ、分からな……」
「分からないじゃないだろ?今何を思ってる?俺に手足も縛られ、ま○こ晒して突っ込んで貰う事でも想像してるのか?」
「………っ!」
「………図星か………この淫乱……」
罵倒されているのに、桐生の言葉で犯されている様に感じ、由真の顔は益々やらしく淫靡な色気を出していった。それは、桐生が由真に対して悪意を感じないだからだろう。嫌われている様には見えない。
「………淫乱じゃ………」
「そうか…………なら身体に聞く………」
「っああぁぅ………」
由真の肌には触らない桐生は、カメラを置き長襦袢の上で縛っている縄を背中から太腿の間を通し、由真の下腹部へと持って来る。裾の長い長襦袢が縄と共に由真の肌を擦りつけ、グッっと引っ張られると、縄の感触が秘唇の入口に当たり、秘蕾を剥き出しにされた。その動きが激しくなると、由真の眼鏡が布団の上に落ち、更に隠さなくなった顔が色気を増している。
「…………これでも、淫乱じゃないって?由真………湿ってないか?」
「ああッ…………擦っちゃ………」
「答えろ、由真………自分は淫乱だ、と認めろ!」
「ッんぁ、ああっ………ご、ごめ……なさ……淫乱………で……す………」
「………くっ………」
由真が素直に謝ると、桐生は手を緩めてしまう。それは何故なのか、由真は分からなかった。
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