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 緊縛を仕上げられた由真。
 桐生はただ、ベッドの脇に座り、由真の足元で傍観していた。

「あっ………し、振動……」
「ローターは作動してないけど?」

 由真は、弛緩で犯されて疼くままだ。
 少しのお強請りで、ローターは動かしてくれるかもしれない桐生を由真は見る。目線がかち合い、ローターのリモコンを手にしていたからだ。

「………疼く………で……す……」
「だろうね……乳首もそんなに勃たせて、舐められたいのか?それとも摘んで扱かれたいのか?」
「………胸……じゃ……」
「俺は触らない」
「っ!」
「強請るなら強請ればいい………ま○こ、見てても分かるぐらい、グチョグチョなんだろ?突っ込まれて突かれて、犯されたい……そう思ってる………違うか?」

 暴かれていく由真の性の欲求。ブラウスからはみ出た蕾は痛いぐらいに勃ち、下着に隠された秘部は、もどかしいままだ。

「はしたない……だが……エロい……もっと……乱れさせてみたくなる………裸体で赤い縄で、縛り付けて我慢させた状態で、奥に突っ込んで中出ししたくなる………そんな風に変えろ……由真」
「………っ!」

 これでも由真は曝け出している。それでも足りないと桐生は由真に言っている様に聞こえる。

「エロい姿………もっと見せてやろうか?」

 由真の目の前に、ローターのリモコンをチラつかせた桐生。その姿さえも色気を漂わせ、目は由真を犯した。

「………か……感じた……い……」
「………するか…………な……そのまま……1人でイケよ……目で犯してやる」
「っ!」

 緊縛した縄さえも掴まれずの由真は、桐生にはまた求められないのだ、と知らしめた。

「な………縄……食い込ませ………て……」
「………お強請り出来る立場か?由真………由真は、俺に犯されてるのに?」
「っ………ごめんなさいっ……」
「はしたないよな………こんなに濡らして………え?………淫乱………」
「っ!」

 桐生も徐々に遠慮をしなくなり、秘部部分に当たる縄を引っ張って、食い込ませていく。
 その縄が食い込む度に、喘ぐ由真。

「俺に突っ込ませたい、と思ってろ………ち○ぽを突っ込まれて、子宮口ボルチオをグリグリされて、中出ししたいと思わせる様に、この姿で乱れろ………イケ……由真」

 縄が食い込まされ、グチョグチョと奏で始めた秘部がもう我慢出来なくなっていた。

「っん………疼く………の………桐生さ………ローター………スイッチ……付け………」
「仕方ないな………イケ………突っ込まれないまま、乱れてみろ!」
「あっ、ああっんっ!」

 背中を仰け反らされて、腰を振った由真。

「淫乱め………そんなに奥に欲しいのか?」
「………ほ……欲しいっ!」
「エロい由真にはお仕置きだ!」
「っああぁぅ!」

 縄を引っ張られ、由真はイク。

「淫乱!ドM!」
「っ………ごめんなさいっ………」
「【淫乱でごめんなさい】だろ?由真………」
「い………淫乱……で……ごめんなさい……罰……お仕置き……して………」
「…………っく!」

 由真には気付かれなかったが、桐生はゾクゾクと弑逆的な感情が沸き起こった。

「由真………いい………犯してやりたい……」
「っ!………桐生……さ……犯して……ロ……ター……振動………お願……」
「………チッ………か………」

 由真は高揚し、桐生の変化に気付いていない様子。だが桐生自身、じっくり由真を味わいたい衝動もあるので、由真の望む通り、ローターを作動させた。

「あっ…………ああッあぁぁぁ……」
「直ぐにイクなんて………本当……淫乱……」
「………あ………あ………」
「イキっぱなしか?由真」

 緊縛状態で、弛緩されイかされた由真。緊張感もあるまま、箍が外れ意識が朦朧としていた。

「…………そのまま寝るなよ、由真」

 しかし、桐生の言葉は虚しく、由真は意識を遠退かせてしまう。

「………由真?………おい………お………マジか……」

 桐生に由真の住居はわからない。だからだろう、そのままに由真をしてはおけず、桐生は緊縛を解き、秘壺に入ったローターを由真から取り出した。

「仕方ない………店の片付けもあるし、このまま放置はな………部屋に運ぶか」

 桐生はまだ客が残る店内を多部に任し、由真を桐生の部屋に連れ込んだ。

「………寝落ちするなよ……」

 それでも、安堵感を滲ませている桐生。あのまま由真が意識を飛ばす事がなければ、本当に桐生は由真に突っ込んで、由真を味わいたかった。だが、同意無いセックスはしない主義だし、仕事上由真に勘違いされても困る。ローターも手探りで出しなるべく見ないようにはしてはいたものの、やはり性欲の捌け口の対象と見てしまいがちになっていた。

「シャワー浴びてこ………女物の服は業者呼ぶとして……下着は店の持ってくるか」

 SMバーで、性欲を満たす為の個室もあるので、新品の下着も少なからず販売している。だがやはり、そういう類いの下着ばかりで由真が気に入るとは限らない。
 桐生はシャワーを浴び、店に戻ると多部を含む数人のスタッフがまだ片付けをしていた。

「お疲れ様でした、オーナー」
「打ち上げも終わってたのか」
「主役のオーナーが居ないんですから、早々とお開きになりましたよ………板倉さんは?」
「俺の部屋で寝てる」
「………おやおや………美味かったですか?彼女」
「食ってねぇよ………緊縛して弛緩してたら、疲れて寝ちまった………ショットでくれ。飲まないと寝れない」
「………どうぞ」

 片付けをしているのに、今から飲もうとする桐生はスタッフの働き振りを見ていた。

「今日、今迄以上の出来でしたね、オーナー乗ってたし」
「…………ん?……まぁな……創作意欲が湧いたからかも……久々に本職の仕事もしたくなったな……」
「復帰、するんですか?」
「…………いや……それはまだ考えない。復帰したら会いたくない奴にも会っちまう」

 桐生がショットを一気に飲み干すと、多部はボトル毎、桐生の前に置いた。

「…………あぁ……ですね……」
「…………多部、下着の仕入れも頼む。数点、由真に持って行くから、売上計上も宜しく」
「ちゃんと、請求しますからね」

 カウンターに置かれたバーボンのボトル。そのボトルは桐生の手酌でまた注がれ、桐生はまた飲み干すと席を立つ。

「明日金持ってくるよ!じゃ、後は宜しく」

 経理も多部に任せている様で、桐生は店から自室へと戻って行く。
 桐生と多部、この2人が何の話をしていたのかは、2人しか知らない。
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