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皇子達の企み
しおりを挟む「タイタス!タイタス!!」
タイタスが帰郷してから翌日、引越しを終わらせ、タイタスが所属する軍総本部に向かおうとしていたタイタスに、馴染みのある声で止められた。
「リュカ兄上、何故ここに?トーマス兄上も………。」
「ちょっと話がある………お前の執務室の隠し部屋に行こうか。」
「え!ちょっと!!」
タイタスの両脇にリュカリオン、トーマスが羽交い締めにし、タイタスの執務室に押し込まれた上、尚且つ隠し部屋にまで入らされた。
「な、何だ!兄上達!!そんなに人に聞かれたくない事でもあるのか!」
「あぁ、あるな。」
リュカリオンは頷く。
その傍らでトーマスは眼鏡を直している。
「タイタス………お前、媚薬を飲まされたらしいが、どうだった?」
「どう?」
「だから、使い勝手だよ。」
トーマスは何やら想像力を膨らませているような不適な笑みをし、リュカリオンは面白そうな顔をしている。
「勘弁してくれよ、兄上達………もうアレ辛かったんだから!」
「絶倫になったか?」
「何回出来た?」
いやいや、あなた達兄弟、元気ですよね?
と、もしセシルやカイル、妃達が聞いていたらそう言うと思う発言。
この兄弟、自分達が絶倫だという事を知らないらしい。
「それだよ!確か4回ぐらい相手してくれたけど、疲れて寝ちゃったんだ、アニース……その後が地獄だった…………抜いても抜いても萎えなくて…………。」
「寝られると辛いな………。」
「ラメイラも睡眠時間だけはしっかり取りたい、と言って3回以上はヤらせてくれん。」
「なんだ、トーマス、お前もか!ナターシャもヴィオが夜泣き酷い時とか睡眠出来ないから無理、と何度断られたか………3回も出来る日なんて少なくなったんだ!」
「兄上達も大変なんだな………。」
結婚すると、子供も欲しいので毎夜励んでいた営みだが、子供が出来たらその営みさえなかなか出来ないという事実をタイタスは知る。
「だからな、タイタス………その媚薬の入手元を知りたい。」
「たまには子供を忘れて、思い切り抱き合いたいんだ。」
「…………やめといた方がいいけど?」
「お前は経験したんだろ!気持ち良くなかったのか!!」
リュカリオンとトーマスはどうしても欲しいらしい。
「…………そりゃ、挿入ってる時は最高だったけど……寝られたら地獄だって言ったじゃん!!」
「甘いな、タイタス………俺が飲みたいんじゃない。乱れたラメイラを見たいんだ。」
「トーマス、それいいなぁ……ナターシャに飲ませてみたい。」
「あ、兄上達………………俺は………いい……かな………飲まなくても飲まさ………なくても………。」
タイタスも飲みたいものではないが、乱れたアニースを想像すると見てみたい気になってきた。
「タイタス………媚薬の入手方法は?」
「知らないよ……ヘルン姫が持ってきたんだから。」
「…………カイルに作ってもらうか?」
「トーマス、それは駄目だ!カイルに頼んだら宰相にバレる!ウィンストン公爵家にバレたら……………ナターシャに知られてみろ………1ヶ月どころじゃない!3ヶ月……いや半年は触れ合い禁止になる!!」
「兄上………ナターシャに弱いな………。」
「お前達は知らないんだ!!以前ナターシャとラメイラがトーマスとの閨の回数だのの話をしていた時にお前にバラした後、本当に1ヶ月抱けなかったんだぞ!」
「…………リュカ兄上……お気の毒だな。」
「自業自得じゃないか。」
「元はと言えばトーマスがラメイラを悩ますからだろ!」
喧嘩が勃発するが、それでも媚薬を手に入れる為に相談していた皇子3人。
カチャ。
「!!」
「………………殿下方。何の相談かは聞かないでおきましょう……………入手方法等、製造も阻止させて頂きますので。」
何処から湧いたのか、と思わずにいられない相手が3人の皇子達の前に、ウィンストン公爵とセシルが居た事に、皇子達は蒼白になったのは言うまでもなかった。
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