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薬茶に頼る身体
しおりを挟む「お、お願い……寝させて……。」
「……仕方ないなぁ………もう少し挿入たかったのに……。」
結果的に、休憩も無くタイタスが3回吐精される内、イキっぱなしだったアニース。
腰はもうピキピキと疲労感を感じている。
「じゃあ、少し休憩かな……。」
「もう、日を跨いでるじゃないか!」
「明日は午後から出発なんだろ?午前中寝てれば……………あ、明るい中でスルのも………。」
「…………な、萎える事は無いのか!」
横たわるアニースの隣で、避妊具を外しまだそびえる屹立を間近で見てしまい、思わず目を反らした。
まじまじと見れる程、前回は余裕が無かったが、今は休憩にさせたアニースに少し余裕があったようだ。
「………それだけ、アニースが魅力的なんだって事で諦めたら?」
「タイタス、閨の時性格変わる……。」
ベッドに潜り込み、布団をアニースと自分に掛けるタイタスは、アニースの頭の下に自分の腕を入れると、アニースを抱き締めた。
「…………どうかなぁ……好きだと思っていた女との房事が教えられてる感じが違う、どうも攻めるやり方の方が性に合ってるみたいだと、この前思ったんだ。」
「確かに……攻めてたな…………あ………駄目……コレ心地よくって………眠く……なる……。」
「…………げっ!またか!………また寝落ちされたぁ………せめてもう1回…………まぁ、起きたらまたヤレるか…………俺も寝よ……。」
そして、明け方………また貪られるようにアニースはタイタスに攻められ続け、アニースの体力が限界を迎えたのだった。
明るくなった部屋で、午前中は侍女達が呼びに来るまで続いたのだった。
「頼む…………セシルに薬茶を貰ってきてくれ………。」
「薬茶?」
「………確か、疲労回復と筋肉痛に効く薬茶だと言えば分かる筈………。」
「お持ちしてますよ。」
侍女達が出入りしているので、もうアニース達は起きているのだろうと思ってやって来たセシル。
アニースはまだベッドから起きれず、裸だったのだ。
しかし、セシルはベッドから見えないようにしてあったのか、寝室の入り口に衝立があり隠していたようだった。
(………何であそこに衝立が?と思ってたらこうなる事、予測してた?…………やだ、本当に怖い………ウィンストン公爵家!)
侍女がセシルから薬茶を受け取り、ベッド迄運んで来る。
「ありがとう。」
「アニース様、セシル様はもう寝室から出られてますから、お風呂へ。」
「風呂迄運ぼうか?」
「あ、歩けるよ!た、多分………。」
薬茶を飲み干し、侍女から渡されたガウンを羽織るアニースは立ち上がろうとするが、足に力が入らず腰が落ちる。
「ほら、言わんこっちゃない。」
「!!歩けるよ!!」
「今、足に力入らなかったんだろ?」
「うっ………お願いします。」
お風呂に入ると、薬茶の効果も出始め、アニースは足に力も入るようになり、用意されたボルゾイの服に腕を通そうと思ったが手を止める。
「レングストンのドレスは無いのか?」
「………一応ご用意はしていますが、アニース様がお気に召すか……。」
「持ってきてくれ、それを見て決める。」
暫く待つと、アニース好みの色合いのドレスが数点。
髪の色や瞳の色に合わせた色が多かったが、スレンダーで豊満な胸に合うラインのドレスばかり。
「よくここまで集めたな………。」
「私達は、アニース様の侍女ですよ?好きな色、合う色、サイズ、嗜好は理解しているつもりです。ラメイラ妃に付く侍女達から、妃として恥ずかしくないように、ラメイラ妃好みのドレスを用意しているそうです。お子様が産まれ、体型も戻られたら、母君らしさもまとって欲しいので、ラメイラ妃の侍女達と、被らないように考えました。お好みや服の雰囲気が似てますから。」
「へぇ~………ねぇ、どれが合うと思う?タイタスの好みを入れるなら。」
「………では、この深緑のドレスは……タイタス殿下の髪も黒に近い深緑ですし。」
「……………うん、いいね。これなら私が愛用する黒曜石のピアスとネックレスに合うし。」
「素敵かと。」
足首迄覆うAラインの深緑のドレスは肩を鎖骨迄見え、アニースの胸を強調してはいるが、布は無地でうるさくなかった。
「こういうのなら好きだ。ありがとう。」
「お似合いです!アニース様!」
コンコン。
『準備出来たか?』
「驚くかな?」
「驚きますとも!」
カチャ。
「タイタス殿下、今アニース様の準備終わりました。」
「………へへへ。どうだ?」
「………………押し倒したい!!」
「……辞めろ。」
タイタスも気に入ったようで、ウィンストン公爵邸の門前に待機する門兵や、侍従達の目は、アニースへの目線は変わる。
「アニース様………だよ……な。」
「アニース様だな……。」
「あれ、セシル………アニースの馬車は?これは俺のだし、あの後ろはお前のだし。」
「アニース様はタイタス殿下の馬車にお乗り下さい。既に婚約者としての発表を控えておりますから、誰も咎める者は居りませんので。」
「…………いつの間に?俺、婚約発表の準備もしてないぞ?」
「それは、リュカ殿下とカイルが中心に任せてますのでご安心を。王都帰郷後に発表し、翌月には婚約式、その半年後に結婚式を予定しております。」
「は、早くないか?」
「今は話せませんが、訳がありまして……。」
「何だ、訳って?」
「それはここでは…………それはまた後程。」
頑なに言わないセシルに一抹の不安を抱えながら、あと5日程で着く王都迄聞けずにいたアニースとタイタスだった。
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