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結婚式迄あと8ヶ月

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「疲れましたわ………。」

 婚約式が終わり、直ぐに皇太子邸に戻るつもりだったナターシャだが、それを阻止する令嬢達に疲れてしまったナターシャは、改装したばかりの皇太子邸のリビングのソファに座った。
 新たな、侍女も付けられ、それもまた気を使うのだ。
 セリナとライアはそのまま付いてくれていて、新しい侍女達は2人の指示で動いている。

「婚約式おめでとうございました。」
「お疲れ様でございました。」

 セリナとライアは代わる代わる話掛けて来て、今迄と何ら変わらない光景で安堵した。

「婚約式は疲れてないの………終わってから疲れてしまって……。」
「何かあったんですか?」
「………殿下をお好きな令嬢方が、ね……。」
「あぁ、殿下はおモテになりますから。」
「どうにかならないかしら………。」

 着替えもせず寛ぎ初めてしまったナターシャに、お茶が入る。

「王城で、イチャイチャされたらどうですか?ナターシャ様は、恥ずかしがられて嫌かかもしれませんが、抑制になるのでは?」
「………イチャイチャ………。どうやってするの?」

 ナターシャが真面目にお茶を出すライアに聞いた。
 皇子達や侍女達の前で、イチャイチャもしていなかったと思っているナターシャ。

「ナ、ナターシャ様、気が付いてらっしゃらない………。」
「ナターシャ様!!リュカ殿下と王宮内でいつものようにしてらっしゃればいいのです!」
「いつものように?」

 ナターシャは首を傾げる。

「駄目だ、分かってらっしゃらないわ。」
「ナターシャ様、来月に王宮開催のお茶会がありますよね?」
「えぇ、確か……。」
「そのお茶会でナターシャ様と殿下が演奏するのはどうでしょう!仲睦まじい光景を見れば絶対に、ご令嬢達は大人しくなりますよ!」
「そうかしら?」

 疑心暗鬼のナターシャを押し切るように、セリナ達は説得にあたった。
 皇太子邸に、ナターシャの希望でピアノが入っていたが、そのピアノを一度も弾いていなかったのもあり、お茶会もあるならリュカと演奏したい、と思ったナターシャ。

「そうね、殿下がご一緒に演奏して頂ければ、わたくしも楽しいし、お話してみるわ。」

 その夜、夜会があり、ナターシャはリュカとダンスを披露はしたものの、2人で過ごす事が出来ず、夜会後リュカがナターシャに会いに来たが、ナターシャはもう休んでいた。

「またかぁ…。」

 リュカが皇太子邸に来たのが日を跨ぐ頃だった。
 リュカはいつナターシャを抱けるのか……。
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