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セリナとライア
しおりを挟む「セリナ、ライア。」
「はい、リュカ殿下。」
ダイニングで片付けをしていた2人を呼び止めたリュカ。
「ナターシャの着るドレスはどうやって決めてる?」
「数着お持ちして、その中からナターシャ様がお選びなさいますが。」
「じゃあ、明日首周りをスッキリしたドレスにしてくれないか。ナターシャに、と思って、アクアマリンのネックレスを誕生日に買ったんだが、間に合わなくて今日届いたんだ。これを着けてほしくてね。」
と、ネックレスの入ったケースをセリナに渡す。
豪華な飾りではなくシンプルな物。
「ネックレスは殿下が直接お渡しになりますか?」
「いや、俺からだとは言わなくていい。遠慮されてしまいそうだし、ドレスと合わせてみては、と話するだけでいいよ。」
「リュカ殿下から、と仰れば、ナターシャ様は喜ばれると思いますが……先日の夜会のドレスでも、リュカ殿下のドレスだと、直ぐにお分かりでしたし。」
「…………それについては彼女に意図はない。」
セリナとライアは不思議そうに顔を合わせる。
「分かりました。明日ナターシャ様にオススメ致します。」
「頼む。」
リュカが去って、ライアはセリナに話掛ける。
「お誕生日プレゼント、殿下方は4人でお渡ししたわよね?個人的にお渡しするには遅くない?もう一ヶ月経ってるわ?」
「デザインもシンプルなネックレスだし、作るにしても時間掛けてたわよね?」
「アクアマリンの石がナターシャ様に合わなかったから?」
「あぁ、リュカ殿下ならやりそう。」
「ねぇ、何方を選ばれると思う?ふふふ……。」
「せぇの……で言う?」
「せぇの………。」
「こら!仕事しなさい!」
「!!」
セリナとライアは同僚侍女に注意されたのだった。
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