私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
上 下
24 / 100

ナターシャ帰宅

しおりを挟む

 ナターシャは夜会の準備の為、久しぶりにウィンストン家に帰宅した。

「お母様、ただいま帰りました。」
「ナターシャ!!」

 久しぶりの我が子に抱き着いて帰宅を喜ぶ母エマ。

「元気そうで良かったわ。少し大人っぽくなったわね。」
「本当ですか?」
「嘘は言わないわ。」
「お帰りナターシャ。」
「セシルお兄様、カイルお兄様!」
「募る話もあるだろうが、中に入ったらどうだ?」
「お父様!!」

 母が出迎えに来ると、入って来ないのを気にし、兄と父も出て来た。
 久しぶりの我が家で、両親も兄も変わらなく迎えてくれた。
 とりあえずリビングに入ると、お茶を用意して待ってくれていた侍女達。

「お帰りなさいませ、ナターシャ様。」
「ただいま。」

「ナターシャ、王宮からドレスの採寸について変更の知らせが来たので、夜会用にドレスを新調したのよ、それを着ていきなさいね、いくつかデザインの違うのを部屋にあるわ、選びなさいね。」
「え?新調したのですか?わたくしサイズ変わったのかしら……。」
「皇子宮のあなた付の侍女のセリナという方から、採寸しましたのでもし夜会用にご用意するのでしたら、新しいサイズです、と手紙が届いたのよ?知らなかった?」

 お茶を嗜む母が、不思議そうにするナターシャを不思議そうに見ている。

「セリナとライアという侍女が身の回りの世話をしてくれてますが………身に覚えもありません……。時々今迄のドレスを修繕はしてくれていたので、それだからでしょうか……。」
「それでもなかなか細かい採寸だったのよ?そこ迄変わるなら、とあなたが好きなデザインにしてもらったの。」

 少し家族団欒をし、準備の為に懐かしい自分の部屋に入ったナターシャは驚いた。
 普段あまり着てこなかった大人ぽいデザイン。
 母もそろそろ大人っぽいデザインのドレスの方がいいのだろう、とナターシャが好きな雰囲気を残しつつ、大人っぽくなっていた。

「ナターシャ様、準備致しますので、どのドレスになさいますか?今回着なかった物は、皇子宮のナターシャ様のお部屋に運ばせて頂きますので。」
「ありがとう………コレにするわ。アクアブルーのシフォンドレス。」
「ナターシャ様の瞳に合わせたドレスですね。お似合いになると思います。髪型も今迄の可愛らしさから少し大人びた髪型に致しますね。」
「似合うかしら……。」
「大丈夫です!我々にお任せ下さい!」

 ドレスを着、メイクやヘアメイクもし、姿見を自分で見てみる。
 若干、胸の辺りは余裕があるようだが、それは少しパッドを入れられ、今迄のナターシャを、増し増しに大人っぽくしている。

「……これ、わたくし………?」
「はい!お美しゅうございます!」
「肩出し過ぎかしら……。選んだ時は気にしなかったんだけど。」

 首から胸元はシースルーになっており、肩は出ていて、そのまま手首迄ある袖になっている。
 胸の辺りは細かい刺繍んもされており、気に入ったのでこのドレスにはしたのだが、やはり大人っぽくなり過ぎたような気がするナターシャだった。

 コンコン。

「はい。」
「ナターシャ、準備は出来た………か……。」
「はい、お父様。」
「…………う、うむ……ではそろそろ行こうか。」

 父にエスコートされながら、階段を降りると、母も兄も玄関で待っていた。

「まぁ、ナターシャ、美しいわ!ねぇ、貴方。」
「あ、あぁ……。」
「ナターシャ……化けたなぁ。」
「カイルお兄様!」
「リュカ殿下が見たら………。」
「いや、兄上、トーマス殿下だって……。」
「ほら、馬車を待たせている行くぞ。」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

山に捨てられた元伯爵令嬢、隣国の王弟殿下に拾われる

しおの
恋愛
家族に虐げられてきた伯爵令嬢セリーヌは ある日勘当され、山に捨てられますが逞しく自給自足生活。前世の記憶やチートな能力でのんびりスローライフを満喫していたら、 王弟殿下と出会いました。 なんでわたしがこんな目に…… R18 性的描写あり。※マークつけてます。 38話完結 2/25日で終わる予定になっております。 たくさんの方に読んでいただいているようで驚いております。 この作品に限らず私は書きたいものを書きたいように書いておりますので、色々ご都合主義多めです。 バリバリの理系ですので文章は壊滅的ですが、雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。 読んでいただきありがとうございます! 番外編5話 掲載開始 2/28

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

旦那様が素敵すぎて困ります

秋風からこ
恋愛
私には重大な秘密があります。実は…大学一のイケメンが旦那様なのです! ドジで間抜けな奥様×クールでイケメン、だけどヤキモチ妬きな旦那様のいちゃラブストーリー。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

獣人公爵のエスコート

ざっく
恋愛
デビューの日、城に着いたが、会場に入れてもらえず、別室に通されたフィディア。エスコート役が来ると言うが、心当たりがない。 将軍閣下は、番を見つけて興奮していた。すぐに他の男からの視線が無い場所へ、移動してもらうべく、副官に命令した。 軽いすれ違いです。 書籍化していただくことになりました!それに伴い、11月10日に削除いたします。

処理中です...