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ナターシャ帰宅
しおりを挟むナターシャは夜会の準備の為、久しぶりにウィンストン家に帰宅した。
「お母様、ただいま帰りました。」
「ナターシャ!!」
久しぶりの我が子に抱き着いて帰宅を喜ぶ母エマ。
「元気そうで良かったわ。少し大人っぽくなったわね。」
「本当ですか?」
「嘘は言わないわ。」
「お帰りナターシャ。」
「セシルお兄様、カイルお兄様!」
「募る話もあるだろうが、中に入ったらどうだ?」
「お父様!!」
母が出迎えに来ると、入って来ないのを気にし、兄と父も出て来た。
久しぶりの我が家で、両親も兄も変わらなく迎えてくれた。
とりあえずリビングに入ると、お茶を用意して待ってくれていた侍女達。
「お帰りなさいませ、ナターシャ様。」
「ただいま。」
「ナターシャ、王宮からドレスの採寸について変更の知らせが来たので、夜会用にドレスを新調したのよ、それを着ていきなさいね、いくつかデザインの違うのを部屋にあるわ、選びなさいね。」
「え?新調したのですか?わたくしサイズ変わったのかしら……。」
「皇子宮のあなた付の侍女のセリナという方から、採寸しましたのでもし夜会用にご用意するのでしたら、新しいサイズです、と手紙が届いたのよ?知らなかった?」
お茶を嗜む母が、不思議そうにするナターシャを不思議そうに見ている。
「セリナとライアという侍女が身の回りの世話をしてくれてますが………身に覚えもありません……。時々今迄のドレスを修繕はしてくれていたので、それだからでしょうか……。」
「それでもなかなか細かい採寸だったのよ?そこ迄変わるなら、とあなたが好きなデザインにしてもらったの。」
少し家族団欒をし、準備の為に懐かしい自分の部屋に入ったナターシャは驚いた。
普段あまり着てこなかった大人ぽいデザイン。
母もそろそろ大人っぽいデザインのドレスの方がいいのだろう、とナターシャが好きな雰囲気を残しつつ、大人っぽくなっていた。
「ナターシャ様、準備致しますので、どのドレスになさいますか?今回着なかった物は、皇子宮のナターシャ様のお部屋に運ばせて頂きますので。」
「ありがとう………コレにするわ。アクアブルーのシフォンドレス。」
「ナターシャ様の瞳に合わせたドレスですね。お似合いになると思います。髪型も今迄の可愛らしさから少し大人びた髪型に致しますね。」
「似合うかしら……。」
「大丈夫です!我々にお任せ下さい!」
ドレスを着、メイクやヘアメイクもし、姿見を自分で見てみる。
若干、胸の辺りは余裕があるようだが、それは少しパッドを入れられ、今迄のナターシャを、増し増しに大人っぽくしている。
「……これ、わたくし………?」
「はい!お美しゅうございます!」
「肩出し過ぎかしら……。選んだ時は気にしなかったんだけど。」
首から胸元はシースルーになっており、肩は出ていて、そのまま手首迄ある袖になっている。
胸の辺りは細かい刺繍んもされており、気に入ったのでこのドレスにはしたのだが、やはり大人っぽくなり過ぎたような気がするナターシャだった。
コンコン。
「はい。」
「ナターシャ、準備は出来た………か……。」
「はい、お父様。」
「…………う、うむ……ではそろそろ行こうか。」
父にエスコートされながら、階段を降りると、母も兄も玄関で待っていた。
「まぁ、ナターシャ、美しいわ!ねぇ、貴方。」
「あ、あぁ……。」
「ナターシャ……化けたなぁ。」
「カイルお兄様!」
「リュカ殿下が見たら………。」
「いや、兄上、トーマス殿下だって……。」
「ほら、馬車を待たせている行くぞ。」
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