私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛

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夕飯は5人で④

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 この日の夕食は、常にコリンが上機嫌で終始話をしている。
 ナターシャがこうだった、こう言った等、ナターシャの事ばかり。
 それを聞いている他の3人の皇子達は眉間に皺を寄らせていた。
 この温度差を気にしつつ、コリンの言葉に相打ちを打つナターシャ。

「………それで、さ………あ!あのハンカチ、直ぐに洗って返すからね!ナターシャ。」
「いつでも大丈夫ですわ、コリン殿下。」

 明るいコリンに合わせて微笑むナターシャ。
 リュカは手に持っていたカラトリーを置いた。

「ナターシャも今日楽しかったようだね。」
「はい、リュカ殿下。こちらに身を寄せるようになって、沢山歩いて散策出来ましたから、あちこち案内して頂いて楽しかったです。」
「4人と過ごしてみて、誰が好印象だったのか聞いてもいいかい?」

 リュカはチクリと探りを入れると、トーマスやタイタス、コリンもカラトリーを置いた。
 ナターシャは少し考えて答える。

「皆様、ご想像通りの素敵な皇子様で、皆様と過ごせる時間は夢の様です。とても選べません。」
「…………そ、そうか……。」

 リュカは肩を落としたような項垂れ方をする。

「………兄上、まだ1週間ですから……。」

 トーマスは納得し、タイタスはやる気を起こす。

「そうそう!来週はナターシャが分かるように教えるから!」
「ナターシャ、来週は何したい?」

 コリンはワクワクしていた。

(………来週のコリン様との勉強……。)
「リュカ殿下、コリン殿下との時間、わたくしも提案した事をコリン殿下としても構いませんか?」
「?ナターシャ?」

 コリンは首を傾げる。

「何かしたいのかい?」
「はい!コリン殿下とカードゲームを。」
「カードゲーム?」

 3人の皇子も首を傾げる。

「わたくし、この国の皇子様、という事でしか殿下方を知りません。なので、コリン殿下とカードゲームしながら、殿下方の趣味や好きな物嫌いな物をコリン殿下と勝ち負けで探りたいのです。勿論教えてもらうばかりでは不公平ですから、わたくしもコリン殿下にお話させてもらいます。わたくしの事はコリン殿下に伺って頂ければ……駄目ですか?」
「面白そう!僕やりたい!」

 コリンは喜んでいたので、来週のコリンとの勉強はコレで、と思っていたら………。

「面白そうだな、俺もやりたいな。」
「俺も参加する。」
「俺も!!コリンが全情報を話すとは思えない!!」
「タイタス……それは俺も同意だ。」
「コリンだしな。」
「え~~~!!ナターシャの情報は自分達でもやってよ!!」

 3人の皇子達は、参加に意欲を出す。
 コリンには面白くないようだ。

「コリン、情報は共有する約束だぞ?」
「………ちぇっ!でも来週の僕の時間にやるのは不公平だ!だって、2人の時間が少なくなる!!」

 リュカが4人で決めた約束なのか、コリンを諭す。
 だが、コリンも自分の時間に、というのは嫌なようだ。

「分かった、ではそれは4人の時間が取れた時に、でいいか?」
「うん、それならいいよ、兄上。」
「ナターシャもそれでもいいかい?」
「はい、構いませんわ。」
「よぉし!ナターシャに勝っていっぱい情報聞き出すぞ!!」
「ふふふ………。」
「♬♬♬~」
「さて、いつにするか、な。」

 トーマスはほくそ笑み、タイタスは鼻歌を歌い、リュカはワクワクしていそうな3人に、何故か一抹の不安が湧き出るナターシャだった。
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