鬼畜皇太子は素直になれない【完結】

Lynx🐈‍⬛

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三角関係は辛い♡

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 ザナンザが言った事が気になっていたアリエス。しかし、ザナンザも追い打ちを掛ける様にアリエスに聞いてきた。

「何しに行ったの?」
「陛下から皇妃様へのお誕生日プレゼントをロティ様が受け取りに」
「それだけでも、掛かり過ぎない?朝から今迄?」
「……………ロティ様も職人さんに宝石加工をご依頼されて……」
「………ふ~ん……受け取った?アリエス」

 皇族居住地の廊下で会話するアリエスとザナンザ。普段の会話とは変わらない2人の為、特に周りは変わらないまま、侍女や侍従達は通り過ぎたりしていた。だからこそ、アリエスも普通に対応する。
 だが、ロティシュがザナンザの姿を見つけ、声を掛けようとするが、アリエスも居る事に気付く。

「何をですか?」
「何を、て………兄上の宝石」

 その一言で、ロティシュは止まる。会話を盗み聞こうと、陰に隠れた。

「いいえ………何故私が頂く事になるんですか?」
「え?知ってるよね、ツェツェリア族の習慣………好きな人に自分の宝石を渡すと愛の告白を表す、て」
「はい、知っていますよ」
「貰ってないの?」
「ロティ様から頂く理由が分かりません」
「………………っ……」

 ロティシュはそれ以上アリエスの言葉を聞けなかった。それにより、アリエスとザナンザに見つからない様に、その場を離れる。

「え?アリエス………兄上の事………好きだよね?」
「!!」
「欲しくないの?」
「…………そんな畏れ多い……」
「じゃあ、さ…………俺から宝石贈るよ!受け取ってくれる?」
「…………お気持ちだけで……ザナンザ様から頂く宝石も畏れ多いですし」
「悩まないんだもんなぁ…………さっきからちょっと気になってたんだけど、アリエスから兄上の神力を感じる」
「…………え!?」

 身近な者同士であれば、神力の流れが分かる者も居て、ザナンザやイリーサは敏感に感じる事が出来るらしい。アリエスにはそれは分からない。分かるとしたら神力の強弱だけだ。それはマークの感知する神力と同じ。

「…………うん……やっぱりアリエスの身体の中に兄上の神力がある…………まさか、兄上に抱かれてる?」
「!!……………ザ、ザナンザ様!!………あ、あのそれは………」
「…………内緒にして欲しい?」
「……………はい……」
「でも無理じゃない?………イリーサにもバレるよ?」

 身体を洗って花宿を出たのに、意味は無いという事だろうか。

「…………お願いします、ザナンザ様………ロティ様の神力制御にご協力しているだけなので………」
「制御?…………兄上は制御の【宝珠】は持っているから、そんなに必要あるかなぁ……アリエスだってそうでしょ?」

 ザナンザには、上辺の言葉は通じない。ロティシュとの房事の意味は事を聞き出したいようだ。

「…………あ、あの……わ、私からは何とも……」
「…………まだね?………アリエスの隠す理由、?」

 そう言うとザナンザは、皇族居住地の空き部屋へアリエスを引っ張り込んだ。

「ザナンザ様!………何を!!」
「答えてよ、アリエス」

 ザナンザは雷の神力で、アリエスを痺れさせる。

「っ!!」

 ピリピリと身体中に電流が流れる様にアリエスはソファに倒れ込んだ。防御出来ればアリエスの土の神力でザナンザを避けられたのだが、まさかザナンザがこんな事をするとは思わなかった。

「痺れるでしょ………最近出来る様になったんだけど、俺の質問に答えてくれたら、止めるよ?………何で兄上とシてんの?」
「…………れ、………て…」
「練習台?」
「………皇太子妃を………迎える前に……房事の……練習に付き合え、と………」
「…………へぇ~………じゃあ、俺もその練習台になってよ」

 倒れ込んだアリエスのワンピースのスカートを捲るザナンザ。

「だ、駄目です!」
「何で?………あぁ、アリエスは兄上が好きだから?」
「……………っ……」
「………沢山注がれた?……それともアリエスの蜜?下着が濡れてる………帰ってきたら着替えるつもりだったよね?………凄い……」
「やっ………止めて下さい……」

 ザナンザは、アリエスの下着を脱がす。痺れて動けないアリエスは、隠す事も逃げる事も出来ないでいた。

「…………あれ?兄上に注がれたの、お尻?」
「!!………っ……ああっ……駄目です!!」
「…………凄いね……尻孔に挿入った事はないけど、気持ち良さそう………」
「駄目っ…………止めて………」
「前は挿入ってないの?今日」

 尻孔に指を入れられて掻き回され、ロティシュの白濁が溢れ出る。だが、ヌルヌルとした白濁が潤滑油になり滑りが良く、そのまままだ入れられそうだ。

「…………ロティ様は……そちらは私が結婚する迄取っておけ、と………だから……私はまだ……し、処女で………」
「……………へぇ~、大事にされてんだ、兄上に………ねぇ、アリエス……俺もココに挿入っていい?」
「だ、駄目……ですっ」
「言わなきゃ分かんないって………俺も黙っておくし………1回だけだから」
「お、お止め下さい!」

 だが、アリエスは気持ちよくされてしまい、蜜も溢れ出て来ている。

「身体は正直だよ?………こっちもヌルヌル……」
「んあっ………あっん」
「可愛い声………本当はこっちに挿れたいけど、兄上にバレたら殺されそうだから、本当に1回だけ………ね?」
「ロティ様………はザナンザ……様に……その様な………事………」
「…………知らぬは本人ばかり………か……」
「………え?………」

 ザナンザは屹立を出し、アリエスの尻孔へ向ける。

「俺ね、アリエスの事好きだよ……妻にしたいぐらいにね………でも、アリエスが好きな兄上にフラれたら、全て俺が貰ってあげる……そのね………1回だけ………っ!」
「あぁっ、んんっ!!」
「っ!…………何これ………気持ちいい!!」

 後ろからザナンザに穿かれ、ガツガツ打ち付ける腰が、ロティシュとは違う抱き方に、アリエスは直ぐに達した。
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