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プロローグ♡
しおりを挟むギシギシッ……ギシッ……。
「はぁっ………ん………殿下っ!おっき……」
「……………」
冷めた白銀の瞳で、城の客間のベッドの上で、少年が女を跨らせて傍観している。女が喘ぎ、少年の上で躍っていても、何も少年は話さない。ただ、腰を下から時折気が向いた時だけ、下から突き上げていた。
「兄上………見回りの兵士が来る」
「………そうか、声落とせ」
「む、無理っ…………ああっ……あんっ……殿……………下っ…………きゃっ!」
少年は、女を突き放し、房事中の屹立を引抜き、汚れたソレを女のドレスで拭き取った。
「声出すな、て言ったろ?興醒めした……じゃあな」
「殿下!次はいつ会って下さるのですか!?」
「…………無いな……ザナンザ、行くぞ」
「はいはい…………因みに俺も、君から誘われてもゴメンだね」
バタンッ、と客間の扉を締め、見回りの兵士とすれ違う。兵士は2人の少年に敬礼をした。
「皇太子殿下、ザナンザ殿下、異常ありません」
「いつもご苦労様………あぁ、そうだ………客間に男連れ込んだ、子爵令嬢が居たから、注意して追い出しといてくれ」
「はっ!」
兵士は、客間にバタバタと向かい、まだ客間の中に居た女は、ドレスも着ていなかったのか、悲鳴が上がった。
『城に男を連れ込んだのは貴女ですね!』
『………い、いや!離しなさない!お父様に言い付けるわよ!』
クスクスと少年2人は笑い合う。
「兄上、鬼畜だね」
「その代わり、お前も頂いただろ?」
「あの女は無いな………だって、ガバガバだったもん」
「確かに…………」
城内が騒がしくなる中、皇族専用庭園の木陰で、寛ぎ始めた少年2人。
「あ!居た!!エリス!お兄様達が居たわ!!」
「「げっ!!」」
「ありがとうございます、イリーサ様!」
「ザナンザ!逃げるぞ!!」
「はい!」
少年2人は逃げる。侍女服を着た中年の女エリス。彼女はその少年、皇太子とその弟、ザナンザの乳母だ。
「お待ちなさい!!ロティ様!ザナンザ様!!」
「待て、て言われて待つ馬鹿は居ない!!」
ブォッ!!
「「!!…………うわっ!!」」
「こら、ロティ、ザナンザ……勉強せず何処に隠れていた」
「………………ち、父上……」
モルディア皇国、皇帝ルカス。騒がしさに気付き、執務室から神力を使い、少年皇子達の前に登場する。
「あぁ、陛下………お手数お掛け致しました…………はぁっはぁっ……」
「え…………っと………性の勉強を………」
「………やっぱりお前達か…………カルーソン子爵令嬢を誑かしたな?」
「「!!」」
「殿下方!!またですか!!」
またというぐらいだから、どうやら常習の様だ。
「また、て言うなよエリス………拐かしたのはあの女の方!証拠もあるんだからな!」
「そうそう、俺達は序でに、頂いただけ」
ルカスはロティシュとザナンザの前で腕組みして、仁王立ちしているものの、怒っている訳ではない。
「ロティシュ、ザナンザ………その証拠持って謁見の間に来い…………カルーソン子爵と子爵令嬢の前で見せろ」
「「は~い」」
皇族専用庭園で、風が吹く。のどかな風が嵐になるのを待っていた。
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