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まだ入浴中3つ目♡
しおりを挟む航のマンション、バスルームの湯船の端に、亜里沙は足を掛けて、バスルームの角に凭れさせられている。逃げられない様に、航は壁の角に亜里沙を挟み、律動を繰り返していた。
タイルの上には使用済みスキンが、口も縛らず2つ落ちていて、亜里沙の中に白濁が入ってないだけ、紳士的と言えよう。
「っく!………亜里沙っ!」
「んふっ、んんっ」
隣の部屋への防音対策がしてあるとは思えない。
オートロックマンションではあっても、プライバシーは守っていたいので、声を我慢をしている亜里沙。
「………も………ベッド……に……」
「射精したらな!」
―――な、何が………普通よっ!
友達を鬼畜だの絶倫だの変態だの散々貶しておいて、自分も逆上せただろう身体で、体力がありあまっている欲が見える。
初めて抱かれた夜から、何度も抱かれてきたが、3回は当たり前だった。
亜里沙は航が好きだし、応えてはいるがこの日は風呂場というだけあって逆上せそうなのだ。
「………イクぞ……」
「………っ………う、うん……」
「く………っ!」
「んんんんっ!」
ギュッ、と抱き締められ、抱き締める身体はお互いに呼吸が荒い。はぁ、はぁ、と亜里沙の耳に届く航の息。
「……………あぁ……気持ちい……」
「………ノーマルなんて嘘だ……」
「あ?」
「こんな回数スる?」
「………まだ少ないだろ………俺が知ってるのは裕司と彬良が基準だからな」
「は、速水さんは?」
「………律也に聞けるか!アイツは変態だ!羽美が相手するんだぞ、聞きたくもねぇ!」
「…………シスコン……」
「…………認める……羽美は可愛い」
「…………っ!」
妹だからといって、抱いてる亜里沙ではない女の名が出てきて腹が立った亜里沙は、航を突き放した。
「っと!………危ねぇだろ!風呂場だぞ!」
「羽美さんが可愛いなら、私は何?可愛いなんて言われた事無い!」
「………可愛くはないな………」
「…………もう出る……」
湯船から出ようと、汗だけ流す為にシャワーに手を掛けた亜里沙。
「亜里沙は、可愛いと言うより美人だ」
「…………え……」
「羽美は妹なんだから可愛いに決まってんだろ……亜里沙だって、万里紗ちゃんや弟可愛いんじゃないのか?」
「そ、それはそうだけど」
「俺は、亜里沙を羽美とは比べる事はねぇよ」
航も、湯船から上がり、落ちている使用済みスキンを拾い、脱衣所にあるゴミ箱に捨てた。
亜里沙がシャワーの蛇口に当てた手を、航は重ね、蛇口を撚る。
「理想だと思ってたのは羽美だったが、亜里沙に出会って、違うと思ったよ……あ、コイツが理想だ、とな」
「…………航?」
「俺がお前を好きだって分かんだろ?」
「…………うん……」
シャワーが、亜里沙と航に当たる。その水圧の威力は強めで、航の声が描き消されてしまう程、対象的な声で、航は亜里沙の肩に顎を乗せ囁いた。
「一度しか言わね……ずっと傍に居てくれ………」
「……………うん……」
「…………風呂出るぞ!逆上せる!」
シャワーを慌てて止めた航は、急いで脱衣所に出たが、逆上せた表情なのか、顔が赤かった。
♢♢♢♢♢♢
「送ってくれてありがとう、航」
「帰り、迎えに来れたら来る………時間的に団体予約客入っててよ」
翌朝、亜里沙は起きれなかった。
風呂から上がり、再び航に貪られて、腰砕けになったのだ。体力には自信があった亜里沙だが、航には勝てないとその時程思った事はない。
「帰りは電車使うよ。お店忙しい様なら手伝いにも行くし」
「…………無理すんなよ」
「デスクワークだから平気……運転気を付けて」
「おう………じゃ、また夜な」
「っ!…………ここ会社の前!」
「したかったからした」
会社の前で、航とキスをした亜里沙。見られてないだろうか、と航を突き放し車を降りると、航は車を発車させた。
「…………2次元世界再現しないでよ……もう……」
「おはようございま~す、亜里沙さん!………見ましたよ~?お見合いした相手です?それとも別?」
「…………おはよう……お見合い相手……今付き合ってる」
「きゃ~!おめでとうございます!結婚式呼んで下さいね!」
見られた同僚に冷やかされ、亜里沙は顔が赤い。
「ま、まだプロポーズもされてないし、付き合ってまだ間もないの!」
「え~、でも車チューしてたじゃないですか………あ!お泊りしたんですか?昨夜!」
「い、今事情あって、一緒に住んでるの!」
いつまでも会社の前で雑談は出来ない。亜里沙は歩き出すと、同僚も付いて来る。
「え?家を出てるんですか?何で?社長と揉めました?」
「揉めてないよ………家庭の事情なんだけど、そろそろ一旦家に戻らなきゃな、て思ってる」
「え!同棲解消ですか!付き合ってるんですよね!」
「…………付き合ってるけど、両親と話して決めたい事があるから」
「そうなんだ………亜里沙さん、長女ですしね……将太さんもまだ亜里沙さんの様に、責任ある仕事任せられてないですし」
「私は会社辞めないよ?将太が一人前になる迄はね………その事もあるから、帰ろうと思ってるんだ」
「彼氏さん、何て?」
「まだ言ってないのよね~……同棲を解消するとかでは考えてないからなぁ」
「じゃあ、ちょっと里帰り的な?」
「うん………多分ね」
亜里沙の拉致された件もある。電話では太輔に話したが、やはり顔を合わせて話せる場が欲しかった。
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