番い【つがい】さがし※完結※

同棲【同居】開始

「そっち片付いたか？京。」
「うん、どの道あんまり持ってきてないし。大きい物はリサイクルショップで安いの買うつもりでいたから。」

　オートロック付きのマンションに引越してきた那由多の所に、京もやってきた。
　那由多も引越ししたばかりでまだダンボールが山積みにしている。

「那由多の方が荷物多くない？」
「殆ど本だよ。経済誌やらIT関連、投資関連。」
「那由多、て理工学部でしょ？そんなに広範囲で学ぶの？」
「単位で取ってるのがあるからなぁ……。必要になったら持ってっていいぞ。薬学部に必要そうなのあるかは分からんが。」
「多分要らないかも。」

　あらかた荷物を片して、一段落を着こうとした京。
　那由多も京の横に座る。

「入学式、父さん達も来る、て言ってたな。」
「うん、ここに泊まれるなら泊まってく、て言ってた。」
「…………それ迄我慢だなぁ………。ボロ出ちゃマズイしな。お前も無防備な格好とかやめろよ？」
「え！しないよ！家でもそうだったでしょ？」
「…………分かってないな、お前。俺がどんなに我慢してきたか……。」
「…………え？え？」
「ま、いっか………。もう少ししたら、出掛けるか、この辺り散策しようぜ。スーパーとかコンビニとか、駅周辺知っとかないとな。」
「うん。」

　那由多と京は出掛ける準備を始める。
　京が着替えた服を見て、那由多は却下を出す。

「却下！露出するな！」
「え～～～！可愛いじゃん！」
「着替え直し！大学迄は電車だぞ？露出した服にしてると、時間によっては痴漢されるぞ！毎日付き添える訳じゃないんだから、お前自身でも守らなきゃ。」
「ちぇっ…………久し振りだから、可愛くしたのに。」
(……分かってない……あぁ、押し倒したい！)

　着替え直した服は、パンツのセットアップにスプリングコート。
　シュシュで、髪を軽く結い、清楚感のある格好で出てきた京は、少し大人びた感じになる。
　さっきは、ノースリーブニットにミニスカートだったのだ。
　上着は肩掛けだったが、露出があった為に却下されたのだ。

「うん、いいんじゃね？さて、行くか。」
「あれ着て歩きたかったのに……。」
「…………デートん時にな。」
「これはデートとは言わない？」
「散歩的な感じだしなぁ………今、京に露出されると我慢出来ないんだよ、抱きたくなるから。」
「……………あ、あぁ……。」

　久し振りに手を繋ぎ、近所を散策する2人。
　スーパーの場所やコンビニや薬局、商店街、公園等歩き回っては、カフェを見つけては入り休憩するという、充実した1日を過ごし、同棲がスタートするのであった。