番い【つがい】さがし※完結※

Lynx🐈‍⬛

文字の大きさ
上 下
12 / 61

2人の悩み

しおりを挟む

 両親にひた隠ししながら、那由多と京の付き合いは続いていた。
 期末テストがどちらも終了し、那由多の誕生日もあった為、京はプレゼントを考えていた。
 那由多も京もアルバイトはしていないが、毎月両親から貰うお小遣いは計画性を持って使っていたから、那由多へプレゼントを渡すぐらいの余裕はあった。

「ね~、鈴~、沙耶~、多香子~18歳の男の誕プレ、て何が良いと思う~?」
「彼氏に?」
「…………うん。」
「そりゃ、アレっしょ。」
「アレ、だねぇ………。」
「アレかぁ………。」
「羨ましいよ、京。…………彼氏欲しい~!」
「アレ……………て……。」
「………………。」

 ガタガタッ!

 鈴達に耳打ちされ、真っ赤になる京。

「彼氏居るのに、まさか京、まだヤッてないの?」
「ヤッてると思ってた。」
「うん。」

 アレ、と言うのは勿論SEX。
 那由多と京は兄妹である。
 近親相姦になる行為は控えていた。
 好きで好きで堪らないのに、キスもまだ出来てない。
 間接キスはあったのだが……。

「キ、キスはある………よ?」(間接だけど。)
「おぉ~~~!!」
「ヤッてないなら、もちアレっしょ!」
「だね~。」
「ヤッたら、感想聞かせてね~。」

 授業を受けながら、放課中に友達との話で付き合ってるのだから、と言うのは兄妹だとは知らないからなんだが、一般的にはヤッていてもおかしくないんだろう。
 このまま隠し通すつもりなら、覚悟が要るのは分かっていた。
 帰ったら、那由多に聞こう、と心に誓った。


 その頃、那由多は学校で進路を考える。
 期末テストの結果はまずまず。
 国立大のボーダーラインは充分余裕だった。
 県内の国立大を考えたりもしたが、担任はもっと上を目指せと言う。
 そうすると、やはり上京を考えなければならない。
 そこで更なる心配なのは京の存在だ。
 上京すれば、京と2年は離れ離れになる。
 2年後に京も上京するとは限らない。
 
(………東京の大学行ったら、京は泣くだろうな……。)
「那由多~、お前進路どうすんだ?やっぱりT大か?」
「まだ悩んでるよ。東京行くとなると、生活の事も心配になるし……料理出来ねぇしな。」
「それな~………通えるとこが楽なんだろうけどなぁ……。」
「料理覚えるかな……。」
「独り暮らししたら、コンビニ弁当に頼りそうだよ、俺。」

 那由多の通う高校で、就職する者はほぼ居ない。
 進学を薦められる。
 それが国内外関係ない程の進学校。

 ♫♫

 京からの連絡が入る、那由多のスマホ。

「今日、一緒に帰れる?」

 ポチポチと速様返信する那由多。

「彼女か?」
「………まぁな。」
「紹介し………。」
「しない。」
「被せるなよ!」
ヤロウは却下………と。」

 返信し、時計を見ると次の授業が始まるところだった。

「ピクぐらい見せろよ!」
「見せたら惚れるから嫌だ。」
「あ、そっ!」

 授業が終わり、早々と帰る準備をし、京との待ち合わせ場所の駅に急ぐ那由多。

「那由多待て~!!」
「待つか!馬鹿!!」

 数人のクラスメイトが、京を見たさに、那由多を追いかけて、改札口を通り、地下鉄に咄嗟に乗って、クラスメイト達を巻いたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...